表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
25/29

第25話:襲撃!候補者狩り

「レイド!!」


「っ!――氷刃剣!!」


 先に仕掛けたのは向こうだった。

 候補者狩りは呪文で両手に持っているであろう、フードで隠した武器を強化して突っ込んで来た。


 それに対してステラが俺を振るい、真っ正面からぶつかった。

 けど、それで正解だ。俺は氷の魔剣だぞ。


 まともに触れれば武器だろうが凍結する。

 目の前で鍔迫り合う様に押し合う中、相手の武器が凍り始めた。


「っ! ゴウ・レイド!!」


「きゃっ!?」


『なに!?』


 この野郎、凍りついたからって更に強化してきやがった!

 迷いがないのか、こいつ!?


「バク・レイド!!」


『させるか!――アイス・シルド!!』


 俺は咄嗟にバランスを崩したステラを守る為、盾魔法を唱えると、俺達の間に雪の結晶の盾――アイス・シルドが現れた。


 そこへ候補者狩りが武器を強化しながら突っ込んできて、盾に怯むことなく武器を振るってきた。


 そしてアイス・シルドと激突した瞬間、巨大な爆発が起きた。


『こいつ!? 殴ったら爆発する魔法か!?』  


 幸い、アイス・シルドは破られてないが亀裂が入っていた。

 なら一層のこと、砕けてやるよ!


『ステラ! 盾を砕く! あれやるぞ!』


「――っ! 分かった!」


 こういう時、思考がリンクするのは助かる。

 説明がいらないから、連携には便利なんだ。


 そして俺は亀裂の入ったアイス・シルドを砕けさせると、氷の破片が周囲に飛来した。


『今だステラ!』


「アイスガ・ランス!!」


 よし! 砕けた破片が一斉に氷の槍になったぞ。

 それをステラがコントロールしてくれて、一斉に候補者狩りへ放たれた。


「っ!?――ソニク!」


「うそっ! 肉体強化まで!?」


『速い! 高速移動――脚強化か!』


 俺達が槍を放った瞬間、間合いにいた候補者狩りの両足が光った。

 そう思った時には、一瞬で奴は俺達と距離を取っていた。


『だけどやる事は同じだ! ステラ! 奴を逃がすな!』


「分かってる!」


 俺の言葉にステラはアイスガ・ランスの軌道をすぐに修正し、今度こそ奴へと放った。


――周囲を覆う氷の槍。これだけの数、防げる筈がない!


 俺はそう判断して、少なくとも相手へのダメージを期待していた。

 だが、俺の想いと裏腹に奴は、腰を低くし、両腕を高速で連打していた。


「バク・ガンレイド!!」


「遠距離魔法……!」


 おいおい嘘だろ、万能過ぎるだろ。

 あれは衝撃波なのか、奴が両腕を連打する度に飛んでくる爆発する何かがアイスガ・ランスとぶつかった。


 しかも適当じゃない。確実に狙いを定めて放ってきていた。


『なんて奴だ……! ステラ! 一気に決めないとマズイかもしれない!』


「うん! ニブル! 大きい魔法行くよ!!」


 俺達は頷き合うと、俺は一気に魔力を解放した。

 それと同時に巨大な魔法陣が背後に現れ、ステラも身構えた。


 そして、アイスガ・ランスが無くなった瞬間、俺達はそれを放った。


「『アイスガ・ハルバドン!!』」


 これでどうだ! 雷小僧すら倒した攻撃魔法だ!


「『いっけぇぇぇぇぇ!!』」


 巨大な氷のハルバードが候補者狩りへと向かって行く。

 これだけの攻撃だ。きっと倒せる!


 事実、奴も流石に驚いた様子を見せた。


「なっ! 大きい!?――なら! 《《ラドゥガ》》・レイガドン!!」


『GAOoooooooooooooN!!!!』


「向こうもデカイ!?」


『獅子の姿を模した衝撃波か!?』


 奴が放ち、目の前で現れたのは巨大な双頭の獅子だった。

 間違いなく奴の最大呪文だ。そうだと思いたい!


『ステラ! 俺の魔力をやるぞ! 絶対に打ち破れ!!』


「分かってる!! うおぉぉぉぉ!!!」


 俺達はありったけ、可能な限りの魔力を込めた。

 一応、余力は残すが相手の攻撃が重い!

 

「うおぉぉぉぉぉぉ!!」


「ハァァァァァァァ!!」


 ステラも額から汗を滝の様に流している。

 候補者狩りの声も辛そうだ。


 俺達と奴の攻撃がぶつかり合い、周囲に衝撃波が及ぶ。

 馬車の従者も思わず隠れてしまっているが、それで良い。


 目の前だけだ。目の前だけに集中すれば良いんだ!


「うおぉぉぉぉぉぉ!!」


「ハァァァァァァァ!!」


 アイスガ・ハルバドンと敵のラドゥガ級呪文。

 その両方に亀裂が入った瞬間、大きな爆発と共に互いの攻撃は消滅した。


『相殺か!?』


「くっ……ごめんニブル! 押し切れなかった!」


 仕方ないさ。相手の攻撃もかなり重かった。

 絶対に負けないと、そんな覚悟を感じたぐらいだ。


『仕方ないさ……だが向こうも無傷じゃない筈だ!』


 俺はすぐに候補者狩りへ意識を向けた。

 あれだけの攻撃だったんだ。向こうだけ無傷という訳はない。


 俺はそう思い、相手を見ながら砂煙が晴れて行くの待った時だ。

 相手の姿が見えた。


 その姿は衝撃波の影響だろう。フードが僅かに破損していた。

 そして両腕から、ついに奴の武器が見えた。


『トンファー!?』

  

 奴の両腕から見えたのは筒の様に見えたが、間違いなくトンファーだった。

 

――トンファー、そして肉体強化……まさか……!?


 俺は嫌な予感がした。

 だがまだ予想でしかない。本能が確信を得ていても早まるな!


「あなたは誰! なんでこんな事するの!」


「……」


 ステラの言葉に相手は何も言わなかった。

 ただ破損したフードの胸元を隠す様にし、その場から去ろうとしていた。


『逃げる気か!?』


「待って!」


 ステラが叫んだが、相手はそのまま去っていってしまった。


――だけど、俺はその時に見てしまった。


 候補者狩りの胸元にあったのは『魔石』の入ったネックレスを。

 《《翼》》の生えたネックレスを。


「誰だったんだろう……」


 ステラには見えなかったのは幸いだったのか、それとも不幸だったのか。

 俺には分からない。だが分かった事はある。


――候補者狩りは《《ソフィア》》だ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ