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摂政の誕生(第4部 : 反魂素派の脅威とセリュナ・オーダー設立)


 同じ頃、オーリス郊外の古い廃坑の奥深くで、反魂素派の残党たちが秘密会議を開いていた。この廃坑は百年前に金鉱として使われていたが、資源の枯渇により放棄された場所だった。今では薄暗い地下空間に蝙蝠が住み着き、不気味な静寂が支配している。


 地下の会議室は、粗削りの石で作られた円形の空間だった。壁面には古い採掘道具が残されており、錆ついた鉄の匂いが立ち込めている。天井からは水滴が落ち、その音が不規則なリズムを刻んでいた。


 薄暗い地下空間には蝋燭の光だけが揺らめき、不気味な影を壁に映し出している。蝋燭の炎は空気の流れに乱され、まるで邪悪な意志を持っているかのように踊っていた。


 構成員たちの顔は影に隠され、その表情は見えない。しかし、声に込められた憎悪と狂気は、空気を重くしていた。彼らは全員黒いローブに身を包み、顔を深いフードで隠している。


「計画は完全に失敗した」リーダーの男が怒りを込めて拳を壁に叩きつけた。「王と王女を葬ったにも関わらず、あの異世界人が摂政として君臨していやがる」


 リーダーの声には、深い挫折感と燃えるような憎悪が込められていた。彼は反魂素派の創設者の一人で、魂素の力を「人類堕落の原因」と信じて疑わない狂信者だった。


「しかも」別の構成員が暗い声で報告した。「多元調和連合機構とかいう組織の支援を受けているらしい。我々の力だけでは対抗しきれない」


「民衆も」第三の構成員が続けた。「あの男の『愛による統治』とやらに心を奪われている。我々の正しい教えが届かない」


 地下の空気は湿っており、腐った水の匂いと古い石の臭いが混じり合っていた。構成員たちの表情は絶望と憎悪に歪んでいる。長年の地下活動により、彼らの心は完全に闇に支配されていた。


---


「だが、まだ終わりではない」リーダーが不敵に笑った。その笑い声は地下空間に不気味に響いた。「我々には、最終兵器がある」


 構成員たちが息を呑んだ。リーダーの声に込められた確信が、彼らに新たな希望を与えた。


「『魂素完全封印装置』の開発が完了した」リーダーが恐ろしい計画を明かした。「これを作動させれば、王国全体の魂素を永久に封印できる」


 構成員たちがざわめいた。魂素完全封印装置は、反魂素派が長年開発を続けてきた究極の兵器だった。


「それは...どのような仕組みですか?」ある構成員が恐る恐る尋ねた。


「魂素の流れを逆転させ、愛の力を憎悪の力に変換する」リーダーが詳しく説明した。「愛が強ければ強いほど、それが憎悪に変わった時の破壊力は増大する」


「それでは」別の構成員が恐怖に震えた。「魂素が封印されれば、すべての生命が...」


「そうだ」リーダーの瞳に狂気の光が宿った。「魂素に依存した偽りの愛など、この世界から根絶してやる。純粋な人間の意志だけが残る、清浄な世界を作り上げるのだ」


 リーダーの思想は完全に歪んでいた。魂素と愛の力を否定することで、逆に憎悪と破壊に支配されてしまっている。


---


 その時、地下空間に異様な光が現れた。それは次元の裂け目から漏れ出す、人工的で冷たい光だった。その光には温かさがなく、むしろ生命力を吸い取るような邪悪さがあった。


 光の中から現れたのは、黒いローブに身を包んだ謎の人物だった。そのローブは反魂素派のものとは異なり、より高度な技術で作られている。顔は完全に隠され、声は機械的で冷たい。


「反魂素派の諸君」謎の人物が語りかけた。その声には感情がなく、まるで機械が話しているようだった。「我々『異世界シンジゲート』が、君たちの計画を支援しよう」


「異世界シンジゲート?」リーダーが警戒した。「貴方たちは何者だ?」


「我々は、複数の世界にまたがる組織だ」謎の人物が説明した。「目的は、各世界の『非科学的な力』を根絶し、純粋な科学技術による支配体制を確立することだ」


 謎の人物の周りに、ホログラムのような映像が現れた。そこには、様々な世界で科学技術が魔法や魂素を駆逐する光景が映し出されている。


「それは...我々の理念と一致している」リーダーが興味を示した。


「君たちの『魂素完全封印装置』に、我々の『次元遮断技術』を組み合わせれば」謎の人物が恐ろしい提案をした。「MHAO の支援を完全に断ち切ることも可能だ」


 構成員たちが騒然となった。MHAOの支援を断ち切ることができれば、慶一郎たちは孤立無援となる。


「さらに」謎の人物が続けた。「現代日本にも我々の拠点がある。彼らが医療技術を獲得することを阻止する準備も整っている」


「それは心強い」リーダーが邪悪な笑みを浮かべた。「協力しよう」


---


「作戦は三段階で実行する」謎の人物が詳細な計画を明かした。


「第一段階:現代日本での妨害工作」異世界シンジゲートが担当する。「水島を先に確保し、慶一郎の説得を阻止する」


「第二段階:魂素完全封印装置の起動」反魂素派が担当する。「ヴァレンティア王国全体の魂素を封印し、愛の力を根絶する」


「第三段階:次元遮断技術の発動」両組織の共同作戦となる。「MHAOからの支援を完全に断ち切り、慶一郎たちを完全に孤立させる」


 リーダーが興奮して立ち上がった。「素晴らしい計画だ。これで『愛による統治』とやらも終わりだ」


「ただし」謎の人物が警告した。「この作戦には絶対に失敗は許されない。一度魂素完全封印装置を起動すれば、後戻りはできない」


 構成員たちが緊張した。この作戦は、まさに最後の賭けだった。


---


 地下での邪悪な会議が終わると、オーリスの夜空に不吉な黒雲が立ち込め始めた。それは単なる雲ではなく、魂素の流れを歪める人工的な現象だった。


 黒雲は自然なものではなく、反魂素派の装置が放出する邪悪なエネルギーが具現化したものだった。雲の中では紫色の稲妻が走り、不気味な音を立てている。


 街の人々は、急激な天候の変化に不安を感じ始めた。動物たちも異変を察知し、鳥は鳴き止み、犬は遠吠えを始めた。


 宮殿でその異変を最初に感じ取ったのは、セリュナだった。彼女の深紅の瞳が警告の光を放つ。古代龍族の血が、迫り来る危険を告げていた。


---


「慶一郎様!」セリュナが私室に駆け込んできた。「大変です!魂素の流れに異常な歪みが発生しています」


 セリュナの表情は、これまで見たことがないほど深刻だった。古代龍族の血が、重大な危機を感知している。


「どのような歪みだ?」慶一郎が立ち上がった。


「自然なものではありません」セリュナが報告した。「人工的に作り出された、魂素を封印する力です。反魂素派が、これまでとは比較にならない大規模な呪術を準備しているようです」


 エレオノーラとマリエルも緊張した表情を浮かべた。天使と聖女としての直感が、同じ危険を感じ取っている。


「それに」セリュナが続けた。「この力には、この世界のものではない技術が混じっています。まるで、異なる次元の科学技術のような...」


「異世界の技術?」慶一郎が眉をひそめた。「まさか、日本の技術が悪用されているのか?」


「可能性があります」セリュナが古代龍族の直感で答えた。「我々がMHAOの支援を受けているように、敵側も別の組織の支援を受けているかもしれません」


---


 慶一郎の表情が険しくなった。レネミア救済作戦の成功は、これまで以上に困難になるかもしれない。しかし、それでも諦めるわけにはいかなかった。


「分かった」慶一郎が決意を新たにした。「敵の動きを監視しながら、作戦を進める。そして、セリュナ・オーダーの設立を急がなければならない」


「セリュナ・オーダー?」エレオノーラが確認した。


「人間と人外種族の統合防衛組織だ」慶一郎が説明した。「この危機を乗り越えるには、すべての種族が力を合わせる必要がある」


 セリュナが古代龍族の記憶を呼び覚ました。「古代の預言にあります。『大いなる闇が世界を覆う時、すべての種族が手を取り合い、愛の光で闇を払う』と」


「その時が来たのですね」マリエルが愛のペッパーミルから金色の光を放った。


---


 翌朝、セリュナは宮殿の庭園で瞑想していた。薔薇の花々が咲き誇る庭園に、朝露がキラキラと輝いている。しかし、昨夜の魂素の異変により、庭園の雰囲気にも微かな変化が現れていた。


 花々の色が少し褪せ、鳥たちの鳴き声も元気がない。葉の緑も、いつもより暗く見える。魂素の流れの乱れが、自然界全体に影響を与え始めていた。


 セリュナは深く息を吸い込み、古代龍族の血に流れる記憶を呼び覚ましていた。今こそ、祖先から受け継いだ真の使命を果たす時が来たのだ。


 秋の朝の空気は澄み切っているが、その中に微かな不穏さが混じっている。セリュナの深紅の瞳が、遠くの空を見つめていた。


 その時、彼女の意識の奥深くで、遠い記憶が鮮明に蘇った。


『セリュナティア...』


 古代龍族の女王の名が、心の中で響いた。しかし今回は、これまでとは比較にならないほど明確で力強い声だった。


---


『時は来た。邪悪なる科学の力が、愛と調和を脅かそうとしている。汝は人間と人外種族を統合し、この危機に立ち向かえ』


 セリュナの瞳が深紅に輝き、その光は今までとは桁違いの強さを放った。古代龍族の究極の力が覚醒し始めたのだ。


 庭園の薔薇たちが、セリュナの力に呼応して再び鮮やかな色を取り戻した。鳥たちも美しい鳴き声を奏で始め、葉の緑も生命力を取り戻していく。


『セリュナ・オーダーの設立は急務なり。人外種族の力なくして、この戦いに勝利はない』


 セリュナティアの声は、千年の時を超えて響いていた。古代の女王の意志が、現代に蘇ったのだ。


「分かりました」セリュナが決意を込めて答えた。「セリュナ・オーダーを正式に設立し、人外種族との真の調和を実現いたします」


『汝の使命は、単なる防衛に留まらない』セリュナティアの声が続いた。『真の調和とは、愛による統合である。恐怖ではなく愛で、憎悪ではなく理解で、すべての種族を結び付けよ』


---


 その午後、オーリス郊外の深い森で、セリュナは人外種族の代表者たちとの緊急会議を開いた。この会議は、人類史上初の正式な種族間同盟を結ぶ歴史的瞬間となるはずだった。


 森の空気は清涼で、針葉樹の香りと湿った土の匂いが混じり合っていた。しかし、いつもの穏やかさとは異なり、緊迫した雰囲気が漂っている。


 古い樫の大木の根元に作られた円形の会議場には、エルフ族代表のエリアス、ドワーフ族代表のグロイン、森の精霊族の女王リリアナが集まっている。彼らの表情は、普段の穏やかさとは異なり、深刻な危機感に満ちていた。


 会議場の中央には、種族の調和を象徴する古代の石が置かれている。その石は千年前、人間と人外種族が最初に同盟を結んだ時に使われた神聖な遺物だった。


 「皆様」セリュナが古代龍族の威厳を全開にして語りかけた。「この世界に、そして我々すべてに、重大な危機が迫っています」


 セリュナの声には、古代龍族の血に流れる権威と、現在の危機に対する深刻な懸念が込められていた。


---


「我々も感じています」エリアスが不安を込めて答えた。「昨夜から、森の魂素の流れが乱れ始めました。これは自然な現象ではありません」


 エリアスの長い金髪が風に揺れ、その美しい顔には深い憂慮が刻まれている。エルフ族特有の鋭敏な感覚が、異常事態を正確に捉えていた。


 グロインが険しい表情で続けた。「山の魂素炉でも異常が発生しています。炉の火が不安定になり、鍛冶作業に支障が出ています」


 ドワーフの親方グロインは、長い髭を心配そうに撫でながら報告した。彼の太い指には、長年の鍛冶作業による火傷の跡があり、その経験豊富な手が今震えているのが分かる。


「まるで、魂素そのものを消去しようとする力が働いているようです」彼が続けた。


 リリアナが美しい声に不安を込めて語った。「森の精霊たちも動揺しています。自然の調和が崩れ始めており、このままでは森全体が枯れてしまうかもしれません」


 精霊族の女王リリアナは、透明感のある美しい姿をしているが、その表情には深い憂いが浮かんでいる。自然との深い繋がりを持つ彼女にとって、魂素の乱れは生命の危機そのものだった。


---


「それは『魂素完全封印装置』の影響です」セリュナが恐ろしい真実を明かした。「反魂素派が、この世界から魂素を永久に排除しようとしています」


 人外種族の代表者たちが息を呑んだ。魂素は彼らの生命そのものであり、それが失われれば存在できなくなってしまう。


「魂素が封印されれば」エリアスが震え声で言った。「我々エルフ族は...」


「存在できなくなります」グロインが重い声で続けた。「ドワーフ族も、精霊族も、すべての魂素に依存する生命が消滅してしまう」


 リリアナが涙を浮かべた。「千年間守り続けてきた森の調和が、すべて失われてしまう...」


「さらに」セリュナが続けた。「敵は『異世界シンジゲート』という組織と手を組んでいます。複数の世界にまたがる、科学技術による支配を目指す邪悪な集団です」


「それでは」リリアナが美しい声に決意を込めて言った。「我々も結束して戦わなければなりません」


---


「そのために」セリュナが提案した。「セリュナ・オーダーを正式に設立し、人間と人外種族の統合軍を組織したいのです」


 セリュナは、古代龍族の記憶から蘇った完璧な組織構想を説明し始めた。


「セリュナ・オーダーは」セリュナが詳細な構想を説明した。「多元調和連合機構の地域支部として、この世界における人間と人外種族の調和を実現し、共通の敵に立ち向かう組織です」


「具体的な組織構造はどのようになりますか?」エリアスが実務的な質問をした。


「第一部隊:エルフ族の隠密・偵察部隊」セリュナが列挙した。「君たちの優れた感覚能力と隠密技術で、敵の動向を監視し、魂素完全封印装置の所在を特定します」


 エリアスが頷いた。「我々の森での経験を活かせますね」


「第二部隊:ドワーフ族の技術・防御部隊」彼女が続けた。「君たちの鍛冶技術と防御技術で、魂素封印装置に対抗する装備を開発し、我々の拠点を守ります」


 グロインが力強く答えた。「敵の科学技術に対抗する武器の開発は、我々の得意分野です」


「第三部隊:精霊族の自然・治癒部隊」セリュナが説明した。「君たちの自然との調和力で、魂素の流れを回復し、傷ついた仲間を癒し、環境の修復を行います」


 リリアナが微笑んだ。「自然の調和を守ることは、精霊族の神聖な使命です」


「第四部隊:人間との統合指揮部隊」セリュナが重要な点を強調した。「私が指揮し、人間の親衛軍と連携して総合的な作戦を実行します」


---


「セリュナ・オーダーの真の目的は」セリュナが深い洞察を共有した。「単なる軍事同盟ではありません。真の種族間調和社会の実現です」


「どのようにして実現するのですか?」エリアスが興味深く尋ねた。


「愛の力による心の結合です」セリュナが説明した。「慶一郎様の『完全調和の炎』を媒介として、種族の垣根を超えた理解と友情を築きます」


「具体的な手順を教えてください」グロインが実務的に確認した。


「まず、各種族の代表者が『調和の儀式』を行います」セリュナが詳しく説明した。「この儀式により、互いの記憶と感情を共有し、深い理解を得ます」


「記憶の共有...」リリアナが興味深そうに聞いた。


「エルフ族の美しい森での生活、ドワーフ族の情熱的な鍛冶作業、精霊族の自然との神秘的な交流」セリュナが続けた。「これらの記憶を人間と共有することで、偏見と恐怖を取り除きます」


「そして」セリュナが最も重要な点を強調した。「人間の記憶も我々と共有します。彼らの愛情、友情、家族への想い。これらを理解することで、真の調和が生まれます」


---


「セリュナ・オーダーの初期作戦として」セリュナが具体的な計画を提示した。「以下の四段階作戦を実施します」


「第一段階:秘密偵察作戦『森の目』」エリアスの部隊が担当することになった。「反魂素派と異世界シンジゲートの拠点を特定し、魂素完全封印装置の詳細を調査します」


 エリアスが詳細を確認した。「どの程度の範囲を調査しますか?」


「王国全土、そして隣国の国境地帯まで」セリュナが答えた。「敵の本拠地は国外にある可能性があります」


「第二段階:対抗技術開発作戦『鋼の盾』」グロインの部隊が中心となる。「MHAOの技術支援を受けて、魂素封印を無効化する装置を開発します」


 グロインが興奮して聞いた。「他世界の技術も使えるのですか?」


「セメイオン共和国の記憶技術、黄金龍都の資源、天界の神聖な力」セリュナが列挙した。「すべてを統合した超技術を開発します」


「第三段階:人間社会統合作戦『心の橋』」リリアナの部隊が担当する。「人間の民衆に我々の存在を知らせ、共に戦う仲間として受け入れてもらいます」


 リリアナが心配そうに尋ねた。「人間は我々を受け入れてくれるでしょうか?」


「慶一郎様の愛の力があれば大丈夫です」セリュナが確信を込めて答えた。「愛は、どんな偏見も溶かします」


「第四段階:次元防衛作戦『調和の盾』」セリュナが最も重要な作戦を発表した。「慶一郎様の日本派遣作戦の護衛と支援、そして異世界シンジゲートの次元干渉を阻止します」


 人外種族の代表者たちが、セリュナの計画の完成度に感嘆した。


「これは軍事作戦を超えた、文明の転換点ですね」エリアスが理解した。


「はい」セリュナが確信を込めて答えた。「戦いが終わった後も、我々は共に平和で調和のとれた世界を築いていきます」


---


 会議の最後に、四種族の代表者が古代の誓いの儀式を行った。中央の石に手を置き、それぞれの種族の言葉で誓いを述べる。


「エルフ族として」エリアスが美しいエルフ語で誓った。「森の知恵と隠密の技術を、調和のために捧げます」


「ドワーフ族として」グロインが力強いドワーフ語で誓った。「山の力と鍛冶の技術を、正義のために捧げます」


「精霊族として」リリアナが神秘的な精霊語で誓った。「自然の調和と癒しの力を、愛のために捧げます」


「古代龍族として」セリュナが古代龍語で誓った。「千年の記憶と龍の力を、すべての生命のために捧げます」


 四人が手を重ねると、石から美しい光が立ち上った。それは種族間の真の調和が実現した証だった。光は空に向かって伸び、オーリスの街まで届いた。


 街の人々は、その美しい光を見て希望を感じた。新しい時代の始まりを告げる、奇跡の光だった。

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