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黄金の調和(第3部 : 突然の悲劇)

愛の誓いが終わり、祝宴の準備が始まろうとした、その時だった。

突然、聖堂の高い窓ガラスが砕ける音が響いた。黒装束の襲撃者たちが煙幕と共に侵入してきたのだ。

「反魂素派による最後の抵抗だ!」リーダーが叫んだ。「愛による支配など認めない!魂素の汚染を浄化する!」

エレオノーラが瞬時に天使の翼を広げ、避難を始めた。「皆様、避難してください!」

マリエルが愛のペッパーミルで防御の壁を作り、セリュナが古代龍の姿に変身して襲撃者たちと戦い始めた。

「レネミアを狙っている!」慶一郎が叫んだ。

カレンとアルヴィオンがヴァレンティア王国親衛軍を率いて応戦したが、襲撃者たちは魂素遮断装置を作動させていた。黒曜石の装置から放たれる呪術の波動が聖堂を覆い、愛の力を弱めていく。

しかし、襲撃者たちの真の狙いはレネミアだけではなかった。彼らは特殊な毒矢を放ち、ヴァレンティア国王を狙った。

「父上!」レネミアが叫んだ時、既に遅かった。

毒矢が国王の胸を貫いた瞬間、レネミアが身を挺して父を庇った。二本目の矢が彼女の肩を深く貫く。

「レネミア!」慶一郎が駆け寄ったが、既に毒が二人の体を蝕み始めていた。

「慶一郎様…」レネミアが血を吐きながら言った。「私の想いを…忘れないで…」

「馬鹿なことを言うな!治療すれば助かる!」

しかし、セリュナの古代龍族の知識でも、この毒を解くことはできなかった。それは魂素を直接攻撃する古代の呪毒だったのだ。

「国を…頼みます」ヴァレンティア国王が最後の力を振り絞って言った。「慶一郎殿…レネミアに代わって…この国を…」

「父上…」レネミアの瞳から涙が溢れた。

ヴァレンティア国王が深いため息と共に息を引き取った。そして、レネミアの心拍も急激に弱くなっていく。

「レネミア…レネミア!」慶一郎の叫びが聖堂に響いた。

医師たちが駆けつけたが、レネミアは心肺停止状態に陥っていた。

聖堂が静寂に包まれた。つい数分前まで愛と喜びに満ちていた空間が、悲しみと絶望に支配されている。

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