マナの朝
部屋に光が差し込み始めた時間、1人の女剣士が目を覚ます。
「.....」
マナは寝起きの頭を徐々に回転させていき、ベッドからゆっくりと起き上がる。
「〜〜〜ッ」
大きく背伸びをし、ベッドから降りると酒場の近くにある井戸へ向かう。
階段を下り、1階の酒場のフロアに入ると、鳥が低い美声で挨拶をした。
「オハヨウ、マナ。」
「おはよ〜ピーちゃん」
マナは緩やかな雰囲気で挨拶をすると、酒場の扉から外に出た。
井戸の前で汲んだ水を使い顔を洗う。朝に水で顔を洗うのは少し苦手だったが、美容には気をつけていた。
(よし、作ろう!)
マナは朝食の支度をしに酒場に戻った。
───
「これで、よしと。」
簡単にサンドイッチを人数分作り、テーブルに料理を並べた。
それを見たピーちゃんは聞いた。
「メズラシイナ、アマリリョウリヲツクリコマナイナンテ。」
「うん。今日したいことあるの。」
朝食の準備を整えると、そそくさと朝食を食べ、『先に出ています』と走り書きで書いた置き手紙をテーブルに置き、
動きやすい軽装に着替え、木刀を持って酒場を出た。
酒場の裏手に少し大きな広場がある、そこは剣聖専用の広場であり、そこで剣聖達は日々鍛錬を重ねていた。
木剣をしっかり持ち素振りを始める。
1人素振りをしていると、後ろから声がかかった。そこには全身の包帯を外したライデンがいた。
包帯を外したライデンは背の高い屈強な堅物?という印象だ
「ライデン、おはよ〜」
「ああ、おはよう。マナ」
ライデンは少し離れた位置に並ぶと、素振りを始めた。
「ねえ、あっちではみんなと会えなくて寂しかった〜?」
ニヤニヤと口角を上げながら聞く
「ああ、フレンが心配でたまらなかった。」
ライデンが淡々と答えると、マナが少しムッとする
「え〜、フレンちゃんだけ〜?他にも会いたくなかったの?ほら、テリーとか、フェイとか...」
ライデンは疑問を浮かべたような顔で答える
「お前たちも心配には思っていたが。」
「いや、そうなんだけどぉ、そうじゃなくってぇ。」
マナはもどかしい様子でいる。
「わからん、ちゃんと言え。」
「...私には会いたくなかったの?」
マナが少し顔を赤らめる
「.....心配だったと言っている。」
マナは「はぁ」と息を吐くと剣を振り直した。
「今はそれでいいか〜。」
そう言うとふふっ、と笑った。
穏やかな時間が流れていく。
「ねえ、ライデン。久しぶりにお手合わせしない?」
するとライデンは待っていたと言わんばかりに口端を上げた
「待っていろ。包帯を巻いてくる」
ライデンは酒場に戻って行った。