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パクリ認定のレベルの低さに驚くばかり


 AmazonレビューとかTwitterとか見ていると、あれもこれもパクリとか書かれているけど、多少、似ているだけで、よく言えるなぁと感心する。

 本当に読書したことあるのか??

 設定やストーリーが似ているものなんて、ありふれているのに、自分が読んだ作品と似ているとパクリに違いないと決めて、なんか、さらに微妙に似ているだけで、あそこもパクリ、ここもパクリとーーまあ落ち着こうか。


 そこまでパクリになると、もう絵描きも、なにも描けなくなりますね。白い髪に猫耳をつければ、どこかの、何かに引っかかりそうだし、なんて疲れるネット社会。

 影響を受け合い、共鳴し合いながら作品群が生まれている。

 まあ、カッコつければ、全ての哲学作品はプラトンの注釈に過ぎないという感じで、全部、近代小説はセルバンテスのパクリ、探偵小説はコナン・ドイルやアガサ・クリスティのパクリ、と広がっていくわけだ。

 学者が好みそうな一元論ですね。



 みんなも、文字をパクってるんだよ。真似ることは学ぶことですからね。論文だって、オリジナリティよりも、真似ることの方が大事ですよ。最初からオリジナリティなんて追求されたら、読む側はたまらない。似たような、似たような論文に、少し変更や解釈や裏付けの足しを加えていくのが大多数の論文のレベルなわけで、むちゃんこ凄いオリジナリティに溢れた革命的な論文がバラバラと溢れているわけではないです。

 99%の模倣に1パーセントのオリジナリティ、それが、独創性というものです。巨人の肩によじ登る必要がまずあるのです。自分で何もかも砂場でこしらえて、銅像を立てるよりも、他人が今まで積み上げてきたものを理解して、そこに、自分も静かに投石をして積み上げていくのです。


 真似ることは恥ではない。

 きっと、途中からマネをしなくなる人は伸びない。野球だって、プロ野球選手のマネをして上手くなっていくものです。フォームを真似る、クセやルーティンまで真似るーーそして、後で自分流に修正したり、やっぱり、他の人のフォームを真似てみたりーー。


 真似ることは、悪いことではないです。

 絵の描き方も、二次元風に真似たんですよ。オリジナリティを求めるなら、エジプト絵画風になってもおかしくなかったのに。僕たちは何を真似るかを選んでいるし、そして、真似ると言っても、トレスしたものを出しているわけではない。模写したものを自作として出しているわけではない。


 断固とした意思で、マネをしてみましょう。

 模倣をしたところで、自分のオリジナル部分は出てきます。

 なろうでパクリとか二番煎じとか言われたりするけど、まだまだ模倣が甘いんです。大胆かつ徹底的に真似ていきましょう。

 そこで、初めて、自分が何を加えるのか、加えたいのか、と尋ねたときに、自分の作風というものが開けるのではないだろうか。

 さらに王道展開を追加したり、ラブコメ成分を強めたりーー、定番のカレーができたあとに、アレンジを加えるのです。まずは、レシピ通りに作ってみる。それから、アレンジをする。そうすると、ベースの味が分かるので、自分のやりたい方向性もわかる。


 料理下手な人とは、初めからオリジナルなものを作りたがって、アレンジをしすぎる人です。

 小説が下手な人も同じです。最初から、ストーリーの枠を外して、前衛的な現代小説を書きたがります。芥川龍之介の末期作品のようなものを書きたがります。


 パクリなさい。盗みなさい。

 それから、初めるのです。

 子供は、もっと無邪気に、人のマネをします。

 良いと思えば、すぐに取り入れます。

 「凡人は模倣し天才は盗む」とピカソは言っていますね。

 まあ、どちらにしても、他人のことを見ない人は、凡人以下になるということです。

 

 自分の作品にパクリ要素はないという人はいないだろう。そんなものはパクっておきながら自分で思いついたと勘違いしている人だ。


 模倣と模写から始め、そこからオリジナティの滴を、僕たちはティーカップに入れる。いいじゃないか、ミルクと砂糖の量こそがオリジナルなのだ。

 そのあとは、茶葉やお湯の温度や陶器や保存の仕方こだわるようになればーー。

 それまでは、人真似に少しのオリジナルを加えていけば、でなければ、最初から自分は下手だと挫折してしまう。


 なろうで、テンプレとか言っていても、もっとマネていいんですよ。というか、マネないからダメなようにも感じる。他の良い作品をよく読んで、もっと真似ることができるところはないかと、探してみるのです。

 恥ずかしいことじゃない。良い点は真似るのです。悪い点は切り捨てる。それが、いくつも合わさっていって、自分の中で寝かして深く混ざり合い、きちんと作品として理性的に書き出すことができれば、もはや十分にオリジナルな作品です。


 真似ることが上達のためには必要です。

 初めて植物を育てる時も、できるだけ真似るものです。でないと、枯らしてしまうじゃないですか。

 まあ真似ても枯れる場合はありますが。他の条件を探したり、他の育て方の本をのぞいたり、工夫していこう。


 

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― 新着の感想 ―
[気になる点]  確かにみんなパクリパクリうるさいのはわかります。  でもどこからがパクリで、どこまでがパクリじゃないのでしょうか?  私はとある作品で、別の作品のセリフから取ったとしか思えないセリフ…
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