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引きこもりニートなんだが、異世界転移できる能力に目指せ、ネットオークションで稼いで、家の増築を進めたら、金目当ての女が集まって

ネットオークションは、楽しいのだが、自重が大事なんだでないと、金目当ての女性が、アッピーーールをしてくるのだから。


ああ、異世界に逃げ出したい。

1


俺は、引きこもりニートだ。

そうだ、ニート。以前はフリーターとかニートとかカッコよさげな横文字で自由人を気取っているような風潮もーー、あ、ない。そうですよね。


まあ、今も現状変わらず、ニートには世間の風当たりも厳しいものです。


しかし、俺は、ただの引きこもりニートではない。もう、3年になる。って、違ーーーーーうっ!


俺の机(小学生の時から愛用している安っぽいスチール机)が異世界に繋がっているんだ。





何の冗談か、俺は、高校の頃に、そのことに気づいた。受験勉強にあきて、机の引き出しで、遊んでいた時、不意に、まるで、猫型ロボットでも出てきそうな歪んだ異空間風なものが、机の引き出しを占拠していた。


当然、俺が、子供の頃から集めていた、某カードゲームコレクションや、カセット式の古いゲーム、初めてもらった女の子からの手紙(ラブレターではない。授業中、回されてきた紙切れともいう)、何か分からない景品、土産物の変なキーホルダー、子供の頃拾った綺麗な石や貝殻、などなど、貴重な、非常にきちょーーーーーーな物が犠牲になった。


俺は、迷わず、その異空間に、さっきまで勉強していた教科書を右ストレートで投げた。殴ってない。


教科書は、音もなく消えた。


さて、人も音もなく炎上するのか?

俺は、死体安置所から死体を引っ張ってきて、試しに、その空間に入れた。

嘘だ。


さて、まあ、なんやかんやで、俺は、その亜空間に、パンツ一丁で、ダイブすることになったんだがーー。

え、準備?

新しい世界には、レベル1で飛び込むのがモットーなんで。危険を顧みない精神こそが、世の中では大事なんだ。初めて、キノコを食べた先人に敬礼。君たちの犠牲を忘れない。



「ここは、どこ、私は、誰?」

と、言いながら、周りを見ると、日本でも、ついぞお目にかかれない広大な大地イコール平原に、アブストラクトした。

さて、アブストラクトした異世界に、僕はーーー、え、アブストラクトの意味がおかしいーー、大丈夫、ニュアンスでご誤用でも伝わる。なぜなら文脈が仕事をするから。


さて、そして、なんやかんやあって、僕は、異世界ーーこの時点では、もしかしたら、欧州の何処かかもとも思っていましたーーに降臨されたわけだ。そして、異世界の草や花を伝わる手当たり次第に詰んで、出てきたところから戻ろうとした。

だが、自分が、この平原の何処から出てきたのか、分からなかった。僕は、迷子の子猫ちゃんになった。しかし、僕は自分の力を信じた。

「帰還!」

「テレポート!」

「ログアウト!」

「ドアアアアアアアア!!」

「プレイバック!!」

「バック・トゥー・ザ・テーブル!!」

「フライングダッシュ!!」

「カムバック!!」

「ヤーハーーーーー!!」


とにかく、叫びまくってみた。

結果ーー、意味はなかった。


しかし、意味がないということがわかった。

偉大なるエジソンに近づいた気がした。



その後、僕は、トボトボと、トボトボと、この平原を歩いていったわけだ。

ちなみに、服がなくて寒かった。

何か着てくれば良かった。しかし、後悔先に立たずと言って、予想もできない困難に準備などあるわけはなかった。




そうこうするうちに、僕は夜の中に光る何かーー、つまり集落の灯りを見つけた。

僕は、そこに大喜びで、満面の笑みで、半裸ダッシュしていったらーーーー、何故か自宅のベッドに戻っていた。



つまり、今までのは、夢落ちだった。




そう気づいて、僕は、持っていた草や花を投げ捨てて、カロリーの塊をつまみ上げて口に含み、もう一度、机にダイブした。

机の引き出しに、頭をぶつけて痛かった。ということはなく、もう一度、平原の中。



僕は、集落の方めがけて、全力で全裸ダッシュした。気分はメロスだった。そこにはセリヌンティウスが待っているはずだった。

待っていてくれて、シャルニュンティウズ、僕は、必ず、君の元へ行ってみせる!!


ーーーと集落にたどり着いた。


どうやらある一定の領域を出ると、帰ってくるというシステムではないようだ。俺は、冷静にそう把握した。


弓を打たれた!!


「人間は帰れ!」


なぜか、言葉がわかる。

つまり、これは、ファンタジーワールド異世界だと、俺は理解した。語学力のなさに定評のある俺に、ニッホン語以外、わかるわけないじゃないですか。


「ノーノー、私、人間ではありません」

「なに!?」


人類学者も言っている。人間、全裸になれば、理解しあえると。

さあ、君たちも全裸になり、僕と熱いホウヨウヲカワソウジャマオカ!!


「僕は、ヤマトンです。人間ではないです」

「や、ヤマトン?」

「そうです。見てください。僕は、常に全裸です。人間の社会で、こんな生活ができると思いますか?」

「た、確かに!!というか、服を着てくれ!」

「ヤマトンは、服を着ない!それにみてください。この黒い髪を、人間には見られなーー」

「いや、黒髪の人間はいるがーー」


ば、馬鹿な!!異世界に黒髪がいるなんて!!設定ミスだ。横暴だ!世界観が壊れちゃったよ。


「で、貴様は、まだ人間に見えるわけだがーー」

「待ってくれ。少し出直す。俺が人間でない証を、証明してやろう」

「出直す?今、ここで、証明出来ないのか」

「なるほど、ここで、俺の真の姿を見たいと、ならば見るがいい!!」









「何も、起きないが?」

「あと、1時間、ここで座ってる」

「そ、そうか」










「あ、ベッドに戻った」

やっぱり、時間で戻るシステムなんだな。まあ、ざっと、6時間というところか。





と、こうして、俺は、異世界へとワープするワープテーブル、略して、ワープルを手に入れたわけだ。

そこからの俺は、いかにして楽に稼ぐかを考え始めた。俺は、危険をできるだけ避けて、楽を暮らしたいをモットーにしているからな。だから、異世界で冒険者になりたいとか、そんなことを考えたりはしないんだ。

矛盾してる?

大丈夫、俺の矛は、盾を貫いた。







「今日のオクオクはーー、キターーー、30万5430円!!」


オクトパスのオクくんが、大量に墨を吐いている。ああ、俺が見た中で一番、喜んでいるオクくん。


おいおい、日給だぜ、これ。絶対、働かないわ。働いたら、負けだと思っている。

ざまねーぜ、みんなが、こう暑い中働いている中、俺は、机にダイブして、ピッケルで取った鉱物や採取した薬草を売ったりするだけなんだからな。

あーー、異世界、もっと涼しくならないかな。肩が凝るなぁ。


ちなみに、初期に出会ったエルフの方々とも交易をしています。俺が瞬間移動の妙技を披露したら、人間でないとわかってくれたようです。イリュージョンは、ヤマトンならば、誰でも持ってる高等技能ですから。




さて、今日も、異世界6時間ツアーに行きますかね。

延長料金払えば、長くなったりしませんかね。

例えば、机を改造して、立派に祭り上げたら、どうだろうか?

いや、怖いからやめておこう。



2




とにかく、まずは、飾り付けをしよう。

この机は祭壇に近いのだ。

運が舞い込んだ奇跡の代物。機嫌を損ねられたらたまらない。

一応、金もそこそこ貯まったしーー。


まずは、買った金をおこう。

ちょこんーー。

うん、まだまだ少ないけど、いずれ金塊を一つ置いてやろう。

そして、これ、瀟洒な花瓶を二つ両脇にーー。

あ、絨毯のような掛け布を敷き忘れた。

なんやかんやと、立派な机ができた。

うーん、オリジナリティあふれる斬新な飾り付けだ。

かつて勉強机をここまで飾り付けた人がいただろうか。




さて、今日も、ヤマトンは、裸ノーダメージで、狩りに行くぜ。





薬草を採取。

そう某ゲーム、モンスタートーチャーのように、薬草に始まり、薬草に終わる。

薬草を採取するだけで、モンスターを討伐しには行かない。採取クエストだけで、のんびり暮らす狩人の鏡。動物虐待反対なのだ。

モンスターだって生きているんだ。だから、俺は自然破壊で我慢する。

しかし、この薬草、誰が買っているんだろう。

ポーションのに調合の仕方をエルフから学んでいるけど、さすがに、そこまで親切じゃないよ。

この草食べても、あんまり体力回復しないよ。風邪が治ったりするくらいだと思うけど。




よーし、ピッケル装備。

オトモが欲しい今日この頃。ピッケルって重いんですよ。まあ、とてる鉱石の方が重いんだけど。荷物持ちが欲しい。できれば秘密厳守の。


『しかし、ボッチには、友達がいなかった』


うるさい、だまれ。

友達がいても、こんな超ド級な秘密話せるか。

俺が童貞だって秘密より大きいぞ。


『しかし、全裸である』



よーし、今日もよく働いた。

しっかり友達荷物はカゴに入れて、触れておかないとな。

荷物だと認識していれば、机の外に戻してもらえるけど、遠く離れすぎると、ダメのようでーー。

一回の実験に、6時間使うのがキズだが、同時に複数の実験をすることでカバーした。

まだ、していない実験は、たくさんあるが、小銭稼ぎが先だ。

ピッケルでさまざまな鉱石が取れてウハウハなのだ。

石ころから石ころから石ころからーー。


というか、自分でも何の鉱石かわかっていなかった。

エルフの人に訊いても分からないことが多い。どうもドワーフを探さないといけないようだがーー。

ちょっと、6時間で行ける距離じゃないし、エルフと仲も悪いようで、ヤマトン、困っちゃう。








    ◇◇◇





戻ってきました。我が家、机の前。

すぐにパソコン画面をつけて、オクオクの売り上げを確認する。

このいくらか分からないところが楽しいよね。開けてみるまで値段がわからない。宝箱みたいなノリだ。


「お、オクトパスくんは、少量のスミしか吐いていない」


ということはーー。


「10万2361円ーー」


うん、前回が良すぎたせいだな。

でも、10万を超えるとは、一日6時間労働とするとーーまあ、12時間労働しているけどーー、100000/6、つまり時給16666か。

やべえなぁ。

でも、同じ商品ばかりだと、すぐに値崩れしそうで怖い。

まあ、その時考えればいいか。


寝よ寝よ、それにしても、家の中にずっといるはずなのに、俺、焼けすぎだろ。紫外線カットが必要かな。向こうの太陽のバイオレットライトの威力が強いせいか。

裸のせいで、全身真っ黒だ。どうしてくれる。






3

 

 ヤマトンだ。種族名だ。

 本名は、ラドクリフ・ムッソリーニ・キャタピラー二世。生まれは、西洋の小国の貴族。今は、六畳間を支配している独裁者だ。


 まあ、どうでもいい。

 俺は、家の外に出る。

 おい、引きこもり設定はどうした!?

 いや、冷静になれよ、俺はピザの受け取りからコンビニまでの歩行までできる超人だ。

 家から出るなど、両足を動かす程度でできる。

 そして設定というならば、すでにタイトルに誤字を混ぜるほどの実力者だ。

 でも、金目当ての女がよってこないと報告書の意味がないな。ああ、早く預金通帳を落とさないと。そして、親切に届けて、10%を掠め取っていくようなチャチじゃない女性を見定めないと。



 日差しが足りない。

 そんなんじゃあ、俺の皮膚を破れないぜ、紫外線ども。

 こうして、外に出たことになった。

 田舎だ。ビルディングがない。

 田舎の引きこもりの苦労を知っているか?

 それはな、引きこもりだと周知されていることだ。



 おっと、農業に従事している職業従軍戦士おばさんが、こちらを見て、微笑んでいる。

 いつもならば、素通りして、土をいじる完璧な人なのに。


「ん、近づいてくる」

 そう実況中継しながら逃げ出した。

 ヤマトンは、おばさんから逃げた。ダメだ、金目当ての美少女ないとダメなんだ。

 そう、逃げている時に気づいた



 俺、裸だった。




 しまった。

 文化の違いを忘れていた。

 異世界は全裸こそ最高のファッションとされるギリシア文化の全盛期だったが、ここは、もう野蛮化されて、全裸の魅力を忘れて服を着た猿になった社会だった。


 俺は、速攻で、家に帰って、スーツに着替えた。

 いやあ、いつ以来だろう。ネクタイの締め方がわからない。

 まあ、いらないな。俺は、ワイルドにスーツを着込んで、外へと出た。


 日差しが暑いぜ。

 ジメジメしている。やはり全裸こそ人間のあるべき姿。しかし、寛容の美徳を知らない近代の大衆化された画一的人々には、分からないのだ。

 エルフだって、もっと露出度高いのにーー、この世界の人間はハイエルフなのか!





 田舎の道をスーツで歩く。

 これだけで現代アートだろう。烏賊作用が決まっている。スルメでも噛むか。俺の予測変換が機能しない。


 農業に精を出す素晴らしいおばさんに敬礼という名のハニカミ挨拶をして、僕は、この見知らぬ見知った世界を、右足と左足で歩き極めた。


 コンビニに入る。20:00までやっているコンビニの鏡のような労働環境の素晴らしい店舗だ。働きすぎはよくない。僕も一日12時間ぐらいしか働かないニートだ。


 当然、この店のおじさんも、僕が深い理由でニートだと知っている一員だ。そう、金のためにニートやってる。

 僕は、いつものように、生活用品を買った。プライバシーだ。あまり詮索していけない。


 で、帰ってきた。

 引きこもりは家に収納される運命だ。フラリーマンもびっくり!

 預金通帳は家の中に厳重に保管されている。

 もう電子化しよう。

 いつ落とすか分からないし。

 さあ、こい。美少女ハッカー集団!!


 さて、スーツを脱ごう。一体、何のために着たんだか、分からないな。今度からは、もっと簡単な服、例えばワンピースとかを着よう。

 俺は冷静に、ワンピースのサイズを確かめて、カートに入れて悩んだ。

 履歴に残るのか。くっ、消せない。どうする、俺。店頭で買うわけにはいかない。俺にも、プライドとか社会性とかーー、ないな。

 よし、店頭で買うか。

 俺はカートの購入手続きを済ませた。



 そして、人生最後のダイビング異世界を行った。

 世界記録だ。

 上空45cmからの机の引き出しへの強行突破。


 ノースプラッシュ!



 草原が広がっている。

 全裸で太陽を浴びる。

 生きているって感じるなぁ。

 これこそが人間のあるべき文化的に最底辺の生活だよ。


「ヤマトン、なにを寝ている」

「およ、エルフ様」

「種族名で呼ばないでくれ」


 いえ、発音できません。僕の耳は、録音機能が薄いようで、聞いた言葉をそのまま発音する能力がないんだ。そのせいで、英語の時間で恥を描いた。一生分の恥だ。なにがアッぽぉおぉぉぉおおおおおお!だ、なにが、トメイトゥゥゥゥゥゥゥゥゥーー、だ。

俺は、日本人だから日本語以外理解しないようにできているんだ。異世界の言葉なんて僕の発音器官的に無理だよ。僕はカナリアじゃないんだ。

 

 で、そんな下半身の防備の薄い動きやすい狩人の如きエルフっこは、僕に何かようがあるのかい。

 裸で一緒に空を見上げるかい。これはヤマトンだと普通だよ。なにも深い意味はないよ。


「ようはないな。突然現れた場所に出会っただけだ」


なーんだ、エルフハーレムエンドへの道が開いたと思ったのにーーうんなわけないが。


どうしよう、もう動きたくない。働きたくない。

ずっとエルフの平均的に美形すぎる顔を眺めて一生を終えたい。ヒモにしてください。ペットでもいいです。全力で舐めますよ。

 まあ、ヤマトンは紳士だから、そんなことしないが。



 さて、今日も全裸で山の幸を求めますかね。

 あ、薬草が一本、あ、薬草が二本、二本合わせて、四本目!

 あー、楽しい。異世界、楽しい。


 早く金目当てじゃない美少女を探さないと。生活苦で死んでしまう。

 その前に家の増築だな。


 DIYで!!


 DIYで!!


 ダイ事な事なので、二回言いました。


 DIYで!!


 誰も三回目はないとは言っていない。




 俺は、まず犬小屋を作った。

 犬はいない。

 いや、一度入ったのは、俺だけだ。

 近所の人も好きに使っていいよ。

 雨宿りとか雨宿りとか雨宿りとかーー。

 大事な事なので三回言いました。




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