処女神に対して、童貞じゃないと嘘をついた件についてーー後悔しております、処女神のチートな呪いに苦しんでおります
僕は、常々思っているのですが。無駄に長いタイトルをつけるのはよくないと。だって、そうでしょう、そんなことをすれば、本文を読む前に、だいたいなにを書いているか、分かってしまって面白味がないじゃないですか。テンプレを読みたい勢には、キーワードでアピールしたらいいのに、どうしてキャッチコピーのようなタイトルをグダグダダラダラとつけるのだろうか。全く、理解しがたい。ほんとプチオコですよ。だいたい、なんでも長ければいい、と考えているところが、浅はかなんですよ。長いものには巻かれろと、日本のタコワサにありますけど、タコだって、切って食べるから美味しいのであって、イカ焼きではないのだから。長いタイトルで、ある種、話の先端を露出するなんてーー、全くやっていることが、ワイザツで紳士さのカケラもないじゃないですか。もっと短く含みのある膨らみがあるほうが、いいものですよ。テントを張るぐらいの主張がいいんですよ。くっきりバッチリそそりたっているのは、もう恥ずかしくて恥ずかしくて、教養がないんじゃないかな。
1、一本の矢
「俺は、童貞じゃない!」
「私、処女神なので、そういう人は、送られて来ないはずなんですけどーー、このゴミカス野郎が、性欲の塊り、女の敵ーー、地獄に堕ちろ」
ん、なんだか、笑顔だった女神さんが、狩猟本能むき出しの狼のような顔になってますよ。ちょっと待ってください。嘘です、ごめんなさい。てか、あなた、そんなシースルーな格好をしておいて、よく言えますね。だいたい、胸がちいさーー。
あ、なんか、頬をかすった。
「ああ、最近多いんですよねぇ。40歳も過ぎているのに、ここに送られてくる人がーー。なにか、天界のシステムエラーなんですかね」
いえ、おそらく地上のシステムエラーです。性という名のアイアンメイデンです。
「そうです、面白いこと考えついちゃいました」
わーい、すっごく素敵な笑顔ですね。今度、お茶でもしませんか?僕の初めてのナンパをあなたに捧げますよ。
「童貞が条件のチートをプレゼントしますね。うふふ、一生、童貞じゃないといけない苦しみを味わうといいです」
ちょっと待って!!それをやられると、僕は一生ではなく、二生なんですけど。あのー、もはや、悟りを開いて、仏にしてくれても良いレベルなんですけど。ブッダ以上なんですけど。だって、仏陀って若い頃好き放題遊んでいる王族じゃん。俺とか、若い頃から、ずっと愛社精神旺盛な現代のサラリーマン戦士ですよ。くっ、俺も神の位階に入れてくれ。
「よーし、では、処女神ウルスラの名において、行きなさい。異世界ザナドへ」
うん、みんな、嘘をつくのは、よくないよ。
なるほど、俺は、ここからスタートするわけか。なんだが、森丘の五番みたいな、ドラゴンの巣にいるわけだが。まあ、分かる奴には、分かるだろう。
しかし、問題は、俺が裸一貫だということだ。
ウン?何か降ってきたぞ。
「これはーーー」
天狗の面だ。
手紙がついている。
「隠せーー、ウルスラ」
何を?顔か?鏡がいるな。俺は、とりあえず、そのてんぐの面を下半身に装着しておく。もう二度と仮面として使われることはないだろう。
それにしても、俺の下腹部に、全長1メートルのイチモツがあるのは困る。しかも、まるで常時タッテイテ、とてつもなき硬そうだ。ダイヤモンドでできているのだろうか。
ごめん、もう、俺の冷静力がピークに達しそうだ。そろそろ突っ込んでいいよね。女神さん、いったいなにがしたいんですか?年中発情期の霊長類でも、こんなことにはならないよ。
知ってる、ゴリラの男性器は、3センチなんだよ、今、俺のゴッリッパ様は、100センチなわけだ。天狗の鼻が、あまりもフィットしているし、絶対に落ちそうにないことが、唯一の救いーー、な訳あるか!!
異世界は、こんなモンスターばかりなのか。
ん、また紙が落ちてきた。
「チートスキル『不屈のアレ』 アレがあるかぎり、全回復する。アレは、異性とアレをしないかぎり、萎えることはなく、この異世界で最も硬い。アレがあるかぎり、11個の魔法を使いこなすことができる 以上、グッドアンラック ウルスラ」
もう、ほんとに、処女神なんだろうか?オブラートに何も包めてませんよ。えーと、アレがね、アレがあるかぎりに、はは、ざっけんじゃーね!!
というか、なに?萎えると、切断でもされるの、もしかしてーー。俺の急所が急所過ぎない。もう少し、下ネタでも、自重が聞きませんか。
あ、そうか。二度と戦わなくていいぐらい金を集めてから、エクストリームすれば、万事オッケーなのでは。ねえ、そうだよね?だって、アレが萎えても、なくなるわけじゃないしーー。
「よーし、頑張るぞーー」
でも、果たして、この全長1メートルの代物を受け入れてくれる人はいるのだろうか。まあ、いい。とにかく、村を探そう。
俺は、光あふれる方へと、天狗の真っ赤な鼻を立てながら、裸で進んでいった。我ながら、ひどい絵面だ。
2、二本目の矢はない
俺は世界で一番硬いと呼ばれる氷の金槌を、腰に下げて、腰にぶら下げて、歩き出した。
光ある方から出てみると、そこは、異世界が広がっていた。広大な空から、向こうの地平線の彼方の水平線を眺めながら、ああーーーー
「服が欲しい」と、俺は呟いた。
俺は、ツタの葉をつたって、下へと降りていく。そう下から見ちゃだめよ、スカートも履いてないから、恥ずかしいーー、ドアホが!!男の子がいったい、なにを言っているんだろう。
しかし、常時、タッテイルと、不便だ。ツタを降りるにしてもーー、どうして、もっと、そそり立たないんだ。そんな上斜め30度で止まらなくても。ぶつかるんだうお、あちこちにーー。くっ、神の試練がーー。
俺は、なんとか崖下へと降り切った。降りると、狼に囲まれていた。俺は冷静だった。俺は、童貞のままでは死なないからだ。あ、今のセリフ、若干、かっこよくないですか。
ガジガジーー、ガジガジーー。
俺の天狗が狼に噛まれている。全く痛くないし、全然歯が立っていない。世界に冠たる俺のムスコだ。
さて、のんびりーー
ガブーー!!
「ぎゃあああああああああああああ!!」
え、なに、俺のフルプレートは、先攻部隊だけなの。ちょっと待て、痛いって、脚を噛まないでーー、おいおい、骨まで見えるぜ。真っ白だぜ。健康体か?
シュワァーーーー。
あ、戻った。
ジュルリーーー。わーーい、狼さんが、永遠の食糧庫を見つめる目つきだ。回復し続ける肉!!なんという、ご馳走か。
逃げるが、勝ちよ。
俺は、逃げた。50メートル走6秒台の足でーー(10代の時)
とーーーーーーーーーやああああああーーーーー。
つかかった。なにがって、野暮なこと聞くなよ。俺のマグナムさ。長すぎるスナイパーライフルがーー、森のあちこちに当たって、どうしようもないぜ。なんで、こんな変なもの下げているんだ。宦官になりたい。嘘です。
逃げろーーーー。バキ、ボキーー、バキバキ、ボキボキーー。
次々と、俺の鋼の棒によって、木々の枝が折れていく。さすがだーー、できれば全身、その強度が欲しい。
気づくと、まいていた。後ろには、狼はいなかった。俺は安心して眠った。
「痛ッ!」
何かにガジガジされている。狼さんが、俺の脚と腕に四方から噛み付いていた。ああ、うん、餌だわ、これ。
臭いで、追いつけるということかな。悠長なことを考えている時ではない。俺は、再びの逃走を開始いたします。
全力ダーーーーーーーーシュ!!
しても揺れない、鋼のバトン。




