満員電車で読むための小説
さて、ジェンル詐欺がエッセイで盛り上がっていますね。ランキングをチラ見してきました。
ジャンルは投稿するとき迷うことはありますね。ジャンルの判断の違いーー、まあ、あきらかなジャンル詐欺は、やめておきましょうね。
ーーまあ、それはおいておいて。
なろう小説とは何か、をどういう時に読むのか、という視点から考えた時、それは満員電車だ、ということ。
結論から先に入るの大事。
わたしも満員電車にいると、四コマとか読むんですよ。Twitterとかで四コマ漫画がよく来ますが、やはり満員電車でストーリーの強い漫画を読むのは意外と大変なんです。
もっと一般化します。
つまり、《読者の視聴環境》を考えるということです。
パソコンやスマホで見る、というメディアの違いもありますが、それを広げると、どこで、いつ、なにを使って読むのか、となります。
四コマ漫画とストーリー漫画。なろう小説と純文学。どちらが上か下か、という話ではありません。
YouTubeでも切り抜き動画もあれば、ガッツリ1時間近い動画もあります。エンタメもあれば、情報系もありますし、BGM系もあります。
どこで見るのでしょうか。リビング、自室、ベッド、喫茶店、駅の待合室、電車の中、休憩室、料理中ーー。
これらに合わせて、動画を作っているように、小説も種類がある。新聞に載るものもあれば、雑誌に載るものもーー。
漫画も、ネットの場合、一話が短くぶつ切りにするものもある。でも、雑誌では、短すぎるのはほぼないだろう。
なろう小説を2000字程度で一日二回投稿するとは、朝と夜の満員電車を狙っているからだ。だから、タイトルも分かりやすいものがいい。
帰りは疲れている。
朝は混み具合が酷すぎる。
判断力などあまりかけたくない。
求めているのは簡便な癒し。
(なお、首都圏に限るし、だいたい男性ユーザーを狙っている場合です。田舎だと一本ごとに1時間空いているときもあるし、電車待ち合わせで、20分待つことも。レールが単線なんで。そして朝以外はガラ空き)
パソコンユーザーを狙うのもありだが、パソコンユーザーならば、たぶん夜帰った後を狙うべき。朝も昼もそんな時間は滅多にないのだから。そして文字数も多めにしておうた方がいいし、あまりにもライトすぎる書き方は控えた方が良い。一般的にはーー。
複雑なプロットは理解されないと心掛けた方が良い。そんな体力はない。
参考とすべきは、四コマ漫画の優秀さ。
メインストーリーは軽くでいい。そんなに考えなくても分かるぐらいがいい。そして一話一話のエピソードをちゃんと作っておくことにこだわった方が良い。
満員電車の時間で読めるぐらいで、仕上げておく。一話に戻ったりすることはないと思っておいた方がよい。その場で伝わらなければ、伝わらない。
読者が日曜日のバリバリ元気な時に、すこぶる快調な時に、読書をしてくれると期待すべきではない。逆に、酒でベロンベロンの状態で読まれるとも思わないし。
ちょうどいい日常の空白を埋めるのが、なろう小説だ。まとまった1時間、2時間を埋めるものではない。
競合するのは映画というより、SNS、ニュース、ソーシャルゲーム。
つまりは、暇つぶしだ。
しかも、空いた時間の暇つぶし。
フラリーマンの会社後ーー酒の代わりに読むもの。
映画を見る前の待ち時間とか電車の待ち時間、電車内の暇な時間、寝る前のちょっとした空き時間ーー、お風呂で浸かりながら読む人もいるだろう。
ここが、狙うところになる。
多くの読者に読んでもらいたいと思うのならば。
満員電車のイメージが一番いいと思う。
こういう時にでも、読みたいと思う小説と、ガチガチの海外文学は全く異なる。電車に揺られながらドストエフスキーを読むのは、青春18切符で、3-5時間揺られる時ぐらいだ。ぶつ切りにするのは、あまりに困難な文字の海。
読者の年齢層や性別を意識するのを超えて、読者がどういう時に、どういう場所で読んでいるか考える。
あ、当然、真っ先に考えるのは、読者が小説になにを求めているのか、という動機や欲求、目的でしょうけど。
もちろん、作者の側も書く目的や欲求や動機があるので、そこの兼ね合いが大事ですね。
《視聴環境》を気にしよう。
映画館とDVDでは、同じ内容でも体験が異なりますよね。
それと同じことです。
ああ、映画館でスマホを取り出すのはやめてほしいなぁ。本人思った以上に、明るいからね。特に、突然、真っ暗になるシーンでライトがついている時に、映画体験がぶち壊れる。
5W1Hというのは一番使い慣れた表現かな。
誰がーー読者の属性を考える。性別、年齢、住んでる場所、職業など。
いつーー読むのに使う時間。読まれる時間帯。休日か平日か。
どこでーー読む場所。場所の雰囲気・環境。
なにをーー小説の内容、性質。
なぜーー動機や欲求、求めているもの、満たすべきもの。
どうやってーー読むときの手段。