表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
182/227

幼馴染がパッドなのは、俺は知らないよ

 幼馴染の胸の成長の異常な速度に気づいたのは、高校生になってからだった。

 まぁ、男子だから、そんなこともあるかと女体の神秘は端倪(たんげい)すべからざると、理解を示していた。


 ーーが、しかし。


 幼馴染の母親から、パッド二枚もいれて、バレバレすぎて恥ずかしいからはずすように、それとなく言ってほしい、と頼まれてしまった。


 そうか。バレバレなのか。

 もういっそ、豊胸でもすれば良いのでは。

 まぁ、男は天然ものをいつも愛し、養殖を否定する美食家だけど。

 さて、どうしたものか。


 登校中。


「そういえば、おっぱいって揉まれると大きくなるらしいな」


「なに、セクハラ。そんな自然に、つい出たみたいに言っても、どう考えても気持ち悪いよ」


「い、いやぁ。すっごく膨らむものだなぁと思って」


 純粋な胸への好奇心です。下心なんてないです。


「お、大きい方が好きなんでしょ」


「まぁ、生で見られるならなぁ。シルエットだけはなぁ」


 俺、完全に捕まる変態一歩手前。実は、すでに赤信号を無視してそうだけど。


「な、なななななななななっっっ、み、見せないよ」


 やっぱり。

 いや見せられても困るけど。


「わかってるって。でも、生じゃないと。やっぱり手触りというか、ハリとか反発とかないとなぁ」


「さ、触るつもりなの」


「それは、やっぱり偽チチの可能性があるからな。モノホンか触診をしないと」


 ワキワキ。

 なんで、こんなエロオヤジみたいなマネをしないといけないんだ。世の中間違っている。俺の好感度メーターが爆下がりしている音がする。これをクラスに流されたら、女子の軽蔑がヤバそう。




 次の日。

 幼馴染の母親から、もっとそれとなくやりなさい、できないなら押し倒してやりなさい、という2択をされた。

 押し倒して、パッドを奪っていいんですか。


 それとなく、パッドだと指摘することなんてできるわけないだろう。女子の胸に言及すれば、もうその時点で、刮目せよ、となる。

 ダメだ。パッド見えてるよ、とか、胸、不自然じゃね、とか言えば、あきらかに傷つけてしまう。


 というか、男の俺からすれば、全然、不自然じゃない。パッドが二枚入ってるようには見えない。

 けれど女子たちは暗黙の了解で繋がっているのか。体育もあるし、誤魔化しきれるものなのか。そもそもパッドってどうやって使うんだ、実はブラジャーの構造もあまり分かってないんだが。今度妹のブラで確認してみるか。バレたら、極刑になりそうだが。


「い、いま、何カップなんだ」


「また、胸の話。朝の登校中にする話かな」


「さわやかな気分だからな。開放的な気分がなせるわざさ」


 そんなわけあるか。

 もっと閉鎖空間で暗闇で聴きたい。


「し、シーは、あるかなぁ」


「ぐ、具体的に。Cってどれくらいなんだ」


「コンビニの肉まんぐらい」


「ちょっと買って、横に並べてみても」


「変態すぎない。いま、わたしの好感度が、ストップ安だよ」


「今日は、これ以上減らないなら、心配はないな」


「株が暴落していきそう」


 うまくいかない。

 どうすればパッドを外すんだ。

 接待ゴルフのように、パットを外させるには、どうしたらいいんだ。2パットはずすだけでいいんだが。

 でも2パットはずすなんて、あまりにもあからさますぎる。

 二段階認証のような手間だ。

 胸に触ったと思ったか。残念パッドだ。セキュリティの壁。

 ああ、バカな思考は踊る。されど進まず。


「触りたい。Cの世界を知りたいんだ」


「無理。幼馴染でも無理。というか、そんなワンチャンあるわけないでしょ」


「大丈夫。多少コンビニの肉まんより小さくてもいいから。頼む」


「そんなに胸を触りたいの」


「ああ、もちろんだ」


「お、思ったより小さいかもだよ」


「大丈夫だ」


「じゃ、じゃあ、今夜ウチに来て。目隠しと手袋アリで触らしてあげる」


 あれ、なんか触れるっぽい。

 いや触ることは目的じゃないんだが。

 恥ずかしがりながらも、実はパッドなのと、言ってくれたらいいだけでして。

 そして、そんなものなくても、胸に貴賎なしと男の世界の寛容さと鷹揚さを宣言するだけですむのに。




 目隠しをして、手袋をはめて、揉みました。

 というか、普通に大きい。パッド入れる必要ないくらい、揉み応えがあった。

 まぁ、動かしすぎて、ビンタを食らったけど。

 なぜか、その日、家に帰った後、妹の兄を蔑む目が印象的だった。なにもしてないよ。したけど。



 幼馴染の母親から、妹もその日の夜、家に来ていたと、情報を得ました。

 そして、理解した。

 やべー、俺、パッドなんてはるかに超える秘密を握られてしまった。目隠ししていたし、もし撮影でもされていたら、というかすでに家庭内の兄の尊厳が失われてそう。

 もう強行手段だ。


「な、ななななななな、ななななななななななっ!!」


「どうした、何か、おかしいか」


「胸っ!!胸っ!!」


「ああ、胸の素晴らしさに気づいて、自分でも付けることにしたんだ。大丈夫、パッド6枚も詰めれば不自然じゃない」


「男の胸が、そんなにあったら、おかしすぎるでしょ。まさか、それで、学校に……」


「お揃いだな」


「お母さーん。変態、変態が家の前にー!!」


 ふっふっふ、落ちるところまで落ちれば、人間なんだってできるのだよ。さぁ、パッドがバレバレだと分かっただろ、はずせ、はずして、俺の平穏を返すんだ。


「あらまぁ、大きな胸」


「どうです、パッドの愚かさを理解させることができたでしょう」


「お、お母さん、もしかして、わたしのパッドのこと……」


「面白いものが見れて満足だわ」


「お兄ちゃん、一番の被害者はわたしだよね。兄に、性的嫌がらせを受けました」


「な、何でもします」


「さっさと付き合ってこーい!!」



「振られた。好感度が足りないって」


「上げてきなさい。というかわたしの好感度も結構下がってるよ」


「減る時は一瞬だなぁ。増やすのは大変なのに。妹の体重とは真逆で」


「好感度が減ったよ、また」



感想一覧

良い点

お邪魔致します。


面白かったです!

Goodでした!


ちなみに。


もう随分昔(20年以上前だったかな?)、

なにかの雑誌に、こんな感じの読者投稿が

載っていました。



投稿者のクラスに、胸の大きいがいた。そして、

その娘は男子にモテていた。

当然、いい気になっていた。

ある日、体育の授業で、前転をやった。

その娘の番になった時、マットの上に、

パッドがゴロゴロと転がり出た。

その数は一組ではなかった。(数は失念。残念)


その後、街でその娘が男の子とデート(?)

しているのに出くわすと、

「あ~、○○ちゃん」

と、向こうの方から笑顔で話しかけて

くるようになった。

まるで、パッドのことを口に出させまいと

するかのように。



この話を思い出しました(笑)。



お邪魔致しました。

それでわでわでわ~。

投稿者: ジン竜珠

50歳~59歳 男性

2022年 09月19日 09時06分

設定

感想ありがとうございます。


パッドヒロイン、最近、ちょくちょく見かけますね。ゆずソフトのリドルジョーカーが個人的には、一番印象に残ってます。オバロや影の実力者になりたくて、にもパッドネタありますね。


 笑える作品になっていると嬉しく思います。

 でわでわ。

削除する

雨森ブラックバス 

2022年 09月20日 22時55分



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ