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紙とインク

 それからの翔一は、また大きな不安を抱えることになった。いつ頭痛が始まるのかは、分からない。それは突然始まり、始まってしまえばもう止まることはないのだ。

 頭痛が嫌なら、もう会わないという手もある。どうしても体を持て余すのならば、解消の手段はいくらでもある。体が繋がったから、頭痛が始まる訳でもないという事も、その時体験済みである。

 でもその虚しさは、もう何度目かに手放すと決めた。病の原因が精神的なものならば、それを治す手段もあるのではないかと、自分と向き合うと決めたのだ。雅子の時である。その結果、結局自分に裏切られることになった。


「週末、会える?」

 LINEで確認をする。

「うん、いいよ。週末まで体調、大丈夫?」

「体調?」

「頭、痛くない?」

「いや、大丈夫だけど、まさか、声でも聞こえた?」

 それまでレスポンスよく返ってきていたのに、急に返信が来ない。どうした?

 何かあったのかと「?」とだけもう一度送る。

「ううん。聞こえないけど、今まで何度もそうだったから、つい」

 あぁ、そうだったのか……。この時初めて玲奈の言った言葉の意味が分かった。


 ――どう思ってるの? 私の、こと


 きちんと話さなければいけないと、改めて感じた。僕は君を鎮痛剤代わりにしようとしている訳ではない。口に出した理由はそうだったが、「会いたい」には、ちゃんとそのままの意味も込めていた……。電話に切り替える。玲奈の声が、少し硬い。

「玲奈のこと、ちゃんと好きだから」

「うん……」

「納得しない? 僕、そんなに不安にさせる感じだった?」

「……うん」

「……そうか。どうすれば、信じてもらえる?」

「頭が痛くない翔一さんと、もっと会いたい……かな」

「きっと大丈夫……、だと思う」

 自信が、ない。一番難しいリクエストだと自覚した。そりゃ、心配にもなるか……。

「あははっ、だよねー。分かんないもんね。ごめんね。こうやって気にしてくれただけで、十分伝わったから」

「ほんとに?」

「ほんと……。それに……」

「ん?」

「会いたい。私は、ふつうに……」

「玲奈……、うん」

 心が、弾けた。


 待ち合わせて、涼しい所を目指して、歩き出す。玲奈はどうしようかと迷っていた。手、繋いでいいのかな。この間は酔っ払ってたから、自然にできたけど、なぁ……。

「玲奈、僕ちょっと欲しいものがあるんだけど、いい」

「いいよ、何?」

「今度提案する企画で、色が知りたくて。紙とインク」

「へぇ、面白そう」

 翔一は優しいから、必ず玲奈の歩みに合わせてくれる。でも、触れないんだよねぇ。それがこの間キレた理由なんだけど、分かってないんだろうなぁ。酔っ払った時だけでは、少し寂しい。これから、どうやって付き合えばいいんだろ……。

「玲奈」

「えっ」

 翔一が手を差し出していた。おずおずと手を出せば、ガシッと掴んで歩き出す。やだ、なに急に……。調子、狂う……。

「これからは、我慢しないことにした」

 えっと……、我慢してたのか〜。なぜに〜?

「玲奈にまた男好きって言われるのは、イヤなので」

「えっ、私、それ言った……の?」

「はっ」

 と、翔一が吹き出す。

「そこ、繋がってないとこ?」

「ごめん……」

 翔一は片手で口を覆い、呆れた笑いに包まれている。

「ほんと、やられたなー」

「……すいません」

 玲奈は恐縮しながらも、まぁ本音だからいっか〜と、すっかり気持ちが和み始めていた。翔一はそんなあっけらかんとした玲奈に、更に気持ちが(ほぐ)されていく。自分で作っていただろう壁が、少しずつ剥がれていくような感覚を覚える。安心感……だろうか。何故だろう。会わなければ、不安は尽きないのに、こうやって会えば何よりもホッとしている。それは、頭が痛くならないことだけが、理由なのだろうか……。

「さぁ、着いた。ここ」

「紙?」

「そう、まずはね」

 間口が1間の小さな店だった。入り口から両壁面に、メモや手帳、ノートなどがずらりと並んでいる。翔一は真っ直ぐ奥まで進み、店長らしき人と名刺交換をしている。狭い間口は途中までで、奥は紙のカットスペースもある、広い空間になっていた。玲奈は奥まで進まず、入り口の小さなものから、商品を手にとって確かめ始めた。

「紙」とひと言に言っても、本当に色んなものがあった。まずは、表面の加工の違い。サラサラする物から、ツルツルする物。わら半紙のようにザラザラする物もある。色もスーパーホワイトから茶封筒のような色まで、様々だ。それらは全て用途によって使い分けられるのだという。文字を書くものが、全て真っ白がいいとは限らないらしい。目への影響も考え、使う環境も考慮に入れる。机上で使用するのか、持ち歩きながら書くのか、その後、色を乗せるのか、それは水性なのかクレヨンなのか……。また、印刷してある罫線の種類も様々あった。客は玲奈たちの他に数人しかいなかったので、女性の店員さんが丁寧に説明してくれた。

「えっ、ご夫婦なんですか?」

「はい。結婚してから主人がこの店を始めるって言うので、手伝うことになりまして……」

 とその店員さんは笑う。奥様だったのね……。道理で商品のこと、隅から隅まで詳しい筈ね……。なんか、いいな、こういうの……。

「玲奈、こっち来て」

「はーい、何?」

「この紙、どう思う? 手触り」

「えっ、私? 分かんないよ、そんなの」

「いいの、女性の感想が聞きたいから。玲奈、手触りのいいもの、好きでしょ。ほら、良く買い物行くと、モフモフのもの必ず手で感触試してるじゃない。ちょっと、意見下さい」

 そんなとこ、見られてたのか〜。恥ずかしい……けど、少し嬉しい……。

「これ、触り心地いい〜。サラツルって、感じ。あっ、でも、文字を書くにはツルツル過ぎるかなぁ……」

「あぁ、そうですね。少しケント紙寄りだから、固いかも知れませんね」

 と店長さんも言う。

「これは?」

「優しい感触。薄いのに、丈夫だね……。すごーい……」

 色々な種類の紙を購入し、さすがに紙なので重くなり、会社に郵送してもらうことにした。店を出る。

「ありがとう。この調子で、インクもよろしくお願いします」

「楽しかった。自分のも買っちゃった。ところで、モフモフの確認してるの、いつから気付いてたの?」

「初めて一緒に出掛けた時からかな。感心してたんだよ。僕なんか目にも入らないのに、どんなに店の奥にある物でも、必ず近くまで行って触ってたから」

「ヤダー、無意識だったー」

「えっ、そうなの……?」

「そう〜」

「それは、恐れ入る……」

 大笑いしながら次の店に向かった。


 次に到着したのは、インク専門店だ。

 昭和の頃から、インクのマニアはかなり存在はした。しかし、シャープペンやボールペンが主流を占める日本に於いては、やはりそれは少数派だろう。ところが最近、大手文具店や百貨店に「インク専門店」なるものが展開されるようになり、自分のオリジナルインクを作るという趣味が、かなりポピュラーになってきた。そんな店舗の1つに足を踏み入れる。

 翔一によると、今回は1万通り以上になるオリジナルインクは作成しないらしい。残念……。まあ、インクの沼にハマってもいけないし、既製品でも信じられないほど数はある。メーカーの違いや、染料か顔料かの違い、香りが付いているものまであるのだから、充分であろう。

「もし企画が通れば、少し大量のインクがいることになるから、ここはコスト削減なんだ。既製品で試すことになってるんだよ。また、意見お願いします」


 2人で色んな種類を試す。試す紙は、万年筆専用のグラフィートではなく、先程購入した紙を使用する。そのために翔一は、商品の一部を全てカットしてもらい、手元に持っていた。

「緑を中心に選ぶ。色は、間違いなく玲奈の方がセンスがいい」

「そうかなぁ。何でそう思うの?」

「女性の方が見える色の種類が多いらしい。最新の研究によるとね」

「へぇ」

「それに、玲奈はオシャレだから」

 少し照れた玲奈は、イジられているように感じて、思わずイジり返してしまう。

「翔一さんも、今日のお洋服カッコいいよ……」

「……」

 急に言われて、少し戸惑っている翔一に向かって、ひと言付け足す。

「なーんてね」

 私ってSなのかなぁ。翔一さんが困ってると、少し楽しい。

「れーなー!」

 小さい声で怒っている。ははっ、そんなに怒らないで。本音だから、いいじゃない。

 結局、インクは基本の緑が決まっていたので、20種類程の購入になった。


「今日は、ありがとう。助かった」

「ううん。すっごく楽しかった。企画、通るといいね。頑張ってね」

「はい。この間の『辻が花』がヒントになったんだよ。頑張るよ」

 と小さく拳を握っている。へぇ、そうなんだ。良かった。さすがに仕事の話は少し真面目になる翔一を見て、玲奈は嬉しくなった。

「夕飯、ここから少し行ったところに美味しい居酒屋があるんだけど、どう?」

「うん、いいね! 行きたーい。そこも常連さん?」

「こっちの方面に来た時は、たまにね」

「やったー、営業さんがいると、ほんと色々行けていいよねー」

 玲奈は、新し物好きだからこういうの喜ぶんだよな。雅子は、落ち着かないからって同じ店ばかりに行ってたからな……。元カノのことを思い出していた翔一は、少し罪悪感を抱いて、玲奈の頭を引き寄せる。

「ん?」

 急にどうしたのって顔で見られて、微笑んでごまかした。デートの最中なのに、ゴメンな……。

 

 今日の居酒屋は、この界隈では有名な老舗である。朝10時から開店していて、大皿料理が並ぶ中から、好きなものを選んで飲む大衆飲み屋の原点のようなお店だ。席も相席は当然で、逆にそれを求めてくる客も多い。カオスのような空間である。

 本当に玲奈は、こういう喧騒が大好きだ。もともと好奇心が強いし、初対面の人でも物怖じしない。今日も始めて来たのに、10年通っている「通」な客の顔をしている。翔一は、そんな玲奈が楽しくてしょうがない。人として、好きだと思う。営業職の自分より、よっぽど営業に向いているのではないかと感心するくらいだ。

 

「だからね、それ言っちゃダメな訳ですよ。分かります?」

 隣に座ったサラリーマンの男性と盛り上がっている。

「『サラリーもらってるんだろ』って言うのが、ダメなのかねぇ。」

「そうですよ。教えもしないで、知ってるのが当たり前で、分かんねぇことは見て覚えろって、いつの時代の話だってことですよ!」

「だって、俺達はそうやって仕事してきたわけだからさぁ」

「だから〜、いいですか。兄妹も少なくて、手取り足取り育てられてきた時代の子達に、いきなり、こんなことも知らないのかって怒鳴ったって、知らねーしってなるだけです」

「じゃあ、どうすればいいってんだよ、お姉さんは」

「いい教育者はね、知ってることを教えるだけじゃないんですよ。相手がどこまで理解してるか分かってる人こそ、本当の教育者なんです。習熟度の認知ってやつです。どこまで分かってて、どこまで分かってないかすら分からないなら、まずそのことを分かる努力をするべきです。そこを面倒くさいって言ったら、誰もついてこないんです。いまの時代」

「面倒くせ〜」

「それが仕事でしょ。それこそ、サラリーもらってるんでしょ。そんなこと言ってるから、誰もおじさんの真似しないんですよ。尊敬されないと、真似はしてくれないんです!」

「はいはい、玲奈、そこまで」

 翔一は、玲奈のお酒を取り上げながら、2人の間に割って入った。

「すみません。彼女、酔うと忖度しなくて……」

「お兄さんも、苦労するねぇ」

 そう言われて苦笑いする翔一だが、

「そこが、可愛いので……」

 と言ってのければ、「うわ〜、いやだねぇ」とおじさんは自分の仲間と話し出した。

 何気に聞いていただろう玲奈が、真っ赤になって更に飲んでいたので、

「あれ、今のちゃんと聞こえたの?」

 と確認してみる。意外と、酔ってないのかな……。

「なんで翔一さんが謝るの? ムー」

 とのことで、恥ずかしがってるのではなく、怒っているのだと理解する。ほんと、こういうとこ、可愛い……。

「さぁ、これくらいにして、帰ろうか。この間は玲奈、相当酔ってたから、今日はそんなに飲ませないつもりだったんだけどな」

「……もう少し」

「ダメだよ。これ以上飲むなら、家で飲めばいい」

「ウチって、翔一さんのお家? ほんとに飲ませてくれる? 怪しい……」

 玲奈の疑問は当たっている。飲ませる前に、ベッドに連れて行く予定……。だが、今それを説明する必要は、なし。

「帰るよ」

「ふぁーい。あの、ところでどちらに……」

「だから、僕の家」


「はい、飲むんでしょ。レモンハイ、ストロング」

 そう言って翔一が缶チューハイを玲奈の前に置いてくれる。

「わっ、飲ませてくれるんだ。ありがとうございます。好きなやつです。……この間も思ったけど、お部屋、いつも綺麗にしてるんだね。見直した〜。本もい〜っぱい」

「どうも」

「ねぇ、今日買った紙、もう一度見ちゃダメ?」

「書いてみたい?」

「うん。ペンはある?」

「ガラスペンにしようか」

「わぁ、綺麗」

 透明なガラスで作られたペン。先が螺旋(らせん)状になっていて、毛細管現象でインクを吸い上げる。翔一が取り出したガラスペンは、お店で見たシンプルなガラスペンとは違い、豪華だ。持ち手の端の部分にバラのモチーフが色を添えて造詣してあり、全体にも彫刻のようにガラスが作り込まれている。光に(かざ)せばキラキラと光り、玲奈は思わずクルクルと眺めることに集中してしまい、本来の目的を忘れてしまう。

「れーな」

 呆れたように声を掛けられ、我に返る。

「……だって、綺麗なんだもん。えっと、まず、こっちの色から試そ」

 そう言うと、少し優しい緑色の「松露(しょうろ)」を試してみる。グリップ部分も彫り込みがあるので、滑らず握りやすい。

「へぇ、玲奈って字が綺麗なんだな」

「いやいや、この程度で恐縮です。上手い人には見せられないよ〜」

「習字、習ってたでしょ。分かるよ。何段?」

「……師範」

「すごいじゃない。じゃ、名前があるね」

「よく知ってるねぇ。……玲泉(れいせん)

「玲奈の玲?」

「そう……。一文字入れてくれるの。恥ずかしいなぁ。名前負けしてるから」

「そんなことないよ、ホントに綺麗な字だ。あぁ、少しペンを立てると太く書けるよ」

「ほんとだ、面白い。この紙だと少しゴリゴリするんだよね……。なのに、綺麗にインクが滑ってくれる」

「綺麗な表現だな、それ」

「こっちの色も、いい?」

 そう言うと、一旦ペン先を水ですすいで、次の青味掛かった「孔雀(くじゃく)」を試す。

「ちょっと、優しすぎるかなぁ。こっちの紙に合いそうだよ」

 と表面が滑らかな紙に書く。思った通り、優しい色に合った柔らかい書き心地で、字も流れが強くなる。「月夜」や「紫陽花」も試して、すっかりレモンハイがストロングでなくなっていく。

「この色、翔一さんに合いそう。「深緑」では、強すぎる感じ」

 と書いた紙を翔一の顔の横に持っていき、色合わせしている。その目は真剣で、翔一は思わず笑ってしまう。飲むのは、もういいのか?

「楽しそうだね」

「うん。こんなに紙で書き心地が違うなんて、思ってなかった。新発見! ねぇ、翔一さんも書いてみて」

「ん……」

 そう言うと、少し赤みのあるインクを選んで書き出した。そういえばこれは、緑系ではない。翔一が選んで買っていた。翔一の字を見て、玲奈が目を見開く。

「綺麗……。翔一さんって、仕事でそんな字書いてるの?」

「いや。少し凝ってたんだよ、大学時代に」

「何ていう書体?」

「オールドイングリッシュの1つで、カロランっていうんだ」

 ローマ字の飾り文字を書いていた。「Rena」と綴っている。横から真剣に覗き込んでくる玲奈を見て、可愛さが溢れてくる。

「これは、玲奈の色」

「やだぁ、おばさんみたいな色〜。エンジ色?」

「山葡萄だよ。僕、デラウェアが好物なの。……美味しそうだ」

 そう言いながら玲奈のアゴを指で上げ、唇をゆっくり頂いた。

「美味しい……」

 ガラスペンを置いて、今度はしっかり両手で顔を包み込む。瞳を見つめれば、君はそっと閉じる……。今度はちゃんと応えてよ。

 

「玲奈、綺麗だ」

 寝室のベッドサイドのライトは付けたままだ。ほんのりと2人の体が照らし出される。

「あ……っ。ダメ……」

「止めて欲しい?」

「……んっ、いじわる」

「こないだ、覚えてなかった罰……。今日は、全部覚えておいて」

「んっ……、ちゃ……」

「ん、何?」

 翔一の声が、耳元まで戻ってくる。

「ちゃんと、体が覚えてる……よ」

 何てこと、言うんだ……! 君は煽ってるって分かってるか……!? こっちの余裕が無くなる……。

 ダメだ。玲奈……、これ以上……は……。

「んっ……」

 玲奈の声と共に、一気に昇りつめた。

 

「……ふぅ」

 少しの間、息を整える。玲奈はまだ快感の余韻の中にいる。

「玲奈……」

「ん……」

「よかった……すごく」

「私も……。翔一さんもよかったなら、嬉しい」

 そう、首に腕を回してしがみつかれれば、愛おしさが全身を包む。玲奈は、今までの誰とも違う満足感をくれる。何だろう……。体の相性だけのことなのか、翔一には分からない。が、どんどん離れ難くなっていることは、間違いない。

「玲奈、今日泊っていける? 明日、何かある?」

「いいの? ベッド狭いでしょ。休まらないんじゃない」

「いい。朝、玲奈の顔見たい」

「やだ……。それなら、帰る」

 腕枕で話していた翔一は、慌てて玲奈の方に体ごと向けた。

「何で」

「明るい中のノーメイクが許されるのは、20代までなのよ」

「はは、そんなの、玲奈は大丈夫。泊まってってよ。分かった?」

「……、わがままだなぁ。意外……」

「玲奈がそうさせるの。君が悪い」

 玲奈を抱え込み、頭にキスしながら囁く。

「……やっばり、意外だなぁ」

 そう笑いながら、それでも泊まっていってくれた。当然、次の朝は翔一の思うまま……。

「ぅん、ダメ……」

「アルコール抜けたからね。もう少し、玲奈を味わうよ。夕べは玲奈のペースだったから……」

「えっ、そう? ……あっ、もぅ」

 玲奈は何度も、頂きを行き来することになった。

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