今、どこにいる?
玲奈は、なんとこの週末も合コンに参加している。今度こそ、本当に人数合わせだった。
「今日は、ダメだ……。若すぎる」
「ゴメン、玲奈……。こういう事も、ある」
同じくガックリ来ている美由紀と2人の世界に浸る。今日は美由紀も人数合わせ組で、その美由紀に無理矢理付き合わされたのだ。うん、こういう時は、飲むに限る。
「玲奈さん、またレモンハイ?」
若い彼が声を掛けてくれる。悪いわねぇ、気を使わせて。
「気にしなくていいよ。2人でやってるから」
「そう言わずに、僕らでもお姉様達に関心はあるんですよ」
「ほぅ、どの様に」
「甘えさせてもらえるかな〜、とか?」
こいつ〜! 愛い奴……。目がハートになる玲奈に、美由紀が釘を刺す。
「また、玲奈……。あんたは、なんでそうなの……」
「だって、意外と可愛い〜」
「飲みすぎ……」
呆れるように玲奈のグラスを取り上げて、玲奈の隣にいる接客業を絵にしたような青年を遠ざけるべく、手で追い払う。
「せっかく隣に来てくれた子を、追い払うとは……」
「だから……、懲りないね〜、玲奈」
過去何度か玲奈はお酒で武勇伝を作っている。手帳を出そうとして自分のバッグの中身を1つずつ放り投げ、それを男性陣が回収してくれるだとか、カラオケ店でデリバリー君のお盆を取り上げ、自作の振り付けの小道具とし、演歌を歌い上げるだとか、合コンの途中だというのに、知らないうちに隣の居酒屋のおじさんグループと話し込んでるだとか、基本時には楽しい武勇伝ばかりなので、後日困ったことになることはないのだが、本人の記憶が飛んでいるので危ういことこの上ない。やっと30代になり落ち着いたかと思った矢先のことで、美由紀もため息が隠せない。
「玲奈、それよりさ、こないだのリーマンはどうだったの」
「こないだ?」
「ほら、脇田さんって言ったっけ?」
「あぁ、シャンパン飲んだよ。美味しかった」
「そうじゃなくて……、マズいことにならなかった? 子供いる人でしょ」
「ならないよぉ。それに、子供もいないし」
「えっ? パパって言ってなかった?」
「んー、勘違いでした。35歳、花の独身だって」
「あら、そうなの。じゃ、狙えるじゃない」
「ん〜、それはどうかな。心に決まった人、いるような気がする……」
「なのに玲奈のこと誘ったの? 何? チャラ男?」
――君に会うと、頭痛が止まるんです
「どっから見ても、違うでしょ〜。お礼がしたかったみたい。何度か助けたことの」
「あぁ、そんなこと言ってたわね。じゃ、あれっきり?」
答えようとしたところで、玲奈のスマホがLINEを告げた。
「今から少し会えませんか?」
翔一からだった。なんというタイミング。まるでこちらの様子を見ていたかの様……。
「今、飲んでて」
「またですか? 合コン?」
また、って……失礼な。そっちこそ、急な誘いとは随分勝手な……、とそこまで考えて、ふと気が付く。
「頭痛、ひどいんですか?」
「30分ほど前から、急に酷くなって。ごめん」
「どこにいますか?」
「今、仕事を終わらせたところ」
玲奈はここから翔一の会社との中間地点を考える。
「途中まで来れますか? それとも、動けない?」
「今、少し楽になってきたから、途中まで行くよ」
「じゃ、すぐに行きます」
玲奈は抜け出す旨を美由紀に伝える。
「さっきの会話の流れの割には、随分甲斐甲斐しいこと」
とイジられながら、今日の合コンは離脱した。
待ち合わせた駅の改札を出ようとしたところで、玲奈は後ろから名前を呼ばれた。さっき反対側の電車がほほ同じタイミングで到着していたが、どうやらそれに乗っていたらしい。
「ごめん。呼び出しちゃって……」
「いいですよ。大丈夫ですか?」
「ほんとに、ごめん。実はここに来る間に、どんどん楽になって、駅に着いた時には治ってて……」
「……、じゃ今は、何ともない?」
「ん……、少し驚いてる。こんなことも初めてで……。いつも頭痛が始まると、一晩はダメだから」
そう言われてもなぁ……。まぁ、良かったか。
「よかったです。じゃ、救急隊は、任務完了ですね」
「ありがとう。助かりました」
「じゃ、帰りますね。また何かあったら、連絡ください」
と踵を返す。1人残してきた美由紀には申し訳ないが、今日は疲れた……。
「あっ、いえ、そんな申し訳ないことできませんよ。合コン抜け出したんじゃないんですか? 食事は、ちゃんと済んでますか?」
と翔一が腕を掴む。
「適当に頂きましたから大丈夫です。脇田さんも、早く帰って休んで下さい。また、頭痛が再発してもいけませんし」
「良ければ、食事付き合ってください。おっしゃる通り、再発するといけないので」
そう言って、にっこり笑った。あぁ、確かにそうか……。なんか、ややこしい。
「飲み損ねた分、飲んで帰って下さい」
もう一度誘われ、断る理由もなくなったので、付き合うことにした。
翔一は「おでん」が名物の居酒屋に玲奈を連れて行った。暖簾をくぐれば、だしのいい香りが店に充満していて、思わず声が洩れる。
「いい匂い〜。お腹空いてきた〜」
「ははっ。それは何より」
煮込まれただいこんにスジ、こんにゃく、ちくわ麩と、一通り注文して乾杯した。
「ここは1年中、おでんがあるんですか?」
「そう。他の料理も美味しいから、いつも混んでる。すぐに座れて、よかったよ」
「脇田さんは、いろんなお店知ってるんですね。自炊はされないんですか?」
「うん、ほとんど外食。営業でいろいろ回るから、お客さんに美味しいところ紹介してもらってね、食べて帰るんだよ」
「なるほど。役得ですね」
「そういえば、玲奈さんは? 実家暮らし?」
「いえ、1人暮らしです。でも、自炊は随分前に卒業しました。コスパが悪くて……」
「あぁ、分かるよ。1人分は作りづらいもんね。残ったものを毎日食べるのも、辛い」
「わぁ、助かります、分かって頂けて。女子が自炊しないのって、意外と風当たりがきつくって」
「ははっ、なるほど。じゃ、どうしてるの? 外食は」
「お弁当買って帰ることが多いかな。あぁ、亮太さんに合ったのも、お弁当コーナーだったでしょ」
「……ハンバーグ弁当か、そうだったね。あれ意外と美味しかった」
「そうでしょ。あそこのスーパー、お米が美味しいんです。帰り道ですし、助かってます」
「そう」
結局2時間程食べて飲んで、すっかり酔いどれの玲奈は、口も軽くなって思わぬことを聞いていた。
「あの〜、雅子さんって綺麗な方ですねぇ」
「えっ……」
あまりの翔一の驚き様に、「あれっ、マズかったらしい」と気付く玲奈だったが、覆水盆に返らずである。
「あっ、嘘です。ごめんなさい。何でもないです」
と、必死に取り繕う。それが逆に翔一の追及を引き出してしまう。
「会ったの? いつ? どこで? どうして……」
ひゃ〜、参った。ごめんなさい。また、やらかした〜。お酒は程々が良い訳で……。
「できれば、説明してほしいけど……」
自分が言い募っていると自覚したらしい翔一は、最後は穏やかに要求した。
「偶然だと、思います。この間、雅子さんの方から声を掛けられて……」
観念した玲奈は、小さい声で経緯を話し出した。
「……」
「翔一さんの体調は、良くなったのかって……」
「……」
「名前も言われず、いきなりそう声を掛けられたので、びっくりして。翔一さんとの共通の女性なんて、『雅子』さんしか思いつかなくて……。確認したら、そうだと……」
「……」
「雅子さんの今の様子、聞きたいんじゃないですか?」
「いや……」
「でも、雅子さんはきっと今で……」
「彼女とは、もう終わってるから……」
玲奈の言葉を遮るように、翔一は否定する。
「……でも、忘れられないんじゃないですか?」
責めるような口調になっていて、玲奈は思わず下を向いた。
「いや、あれ以上一緒にはいられなかったから……」
「……」
「本当にもう、終わったことだよ」
そう言った横顔が、諦めざるを得なかったのだという悲痛な思いを物語っていて、玲奈はそれ以上追及する気持ちが間違いであると知る。
「……はい」
「それより、雅子の名前、あの時聞いたんだよね」
「そうです」
「それもね、ホントは声に出したわけじゃない。多分、君は否定するだろうけど」
「……うそ」
「もう、それはいいよ。君を疑ってるんじゃないから」
「でも、そんなの私だったら気持ち悪い……。私、人の心が読めるとか、そんなDaiGonみたいな力ありません。ホントに声に出しませんでしたか?」
ふっと笑った翔一は、玲奈の頭にくしゃっと一度触れた。心臓が飛び出る……。
「あの時ね、彼女、向かいのホームにいたんだよ。それで、彼女は君を見たんだと思う。迷惑、掛けたね」
「いえ、迷惑なんて……」
声に出していないという主張は、もうそれ以上展開するつもりはないと態度で示されてしまった。そうなると、こちらもこれ以上言えなくなってしまう。上手いケンカの回避の仕方だ。大人である。それにしても、「くしゃ」はずるい……。
「もうないと思うけど、また声を掛けてくることがあるようだったら、教えて欲しい。僕からもう一度きちんと話をするから」
玲奈は自分がいじわるをして、自分こそが「現在の彼女」の様な態度を取ったことを、話せなかった。そう説明すれば、もう2度と雅子は私に声を掛けてこないことは分かるのだから、安心するだろう。でも、私の嘘もバレてしまう。良心の呵責に耐えられず、別の形で自分を納得させる。
「本当に、それでいいんですね」
この時ばかりは、目を見て聞いた。そして彼も、目を見て答えた。
「ああ」
その後は、もうこの話題に触れることもなく、割り勘にしようという玲奈を押し切って、ごちそうしてくれた。
「美由紀〜、あれからどうした?」
合コンの翌日、電話で話す。
「速攻、私も帰ったよ。もー、あれよね。私達に寄り道をしている時間はないのよね。実感したわ。若いお嬢さんたちを目の当たりにしてさ〜。肌の艶が違う」
「そうよね〜。気持ちを入れ替えて、お互い頑張ろうよ」
「頑張っちゃうの? どうだったの、脇田さんは」
「御馳走してもらった。そのまま、帰ったよ。私達は、多分そういう風にはならないと思うよ」
「友達でもないでしょ、この歳で。それこそ寄り道だよ」
「分かんないじゃない。彼に友達、紹介してもらえるかもよ」
「ふーん、そんな感じなんだ。じゃ、合コンお願いしてみて」
軽く言ったつもりが具体的に提案されて、「それはなぁ……」と、しっくりこない感情が押し寄せる。それはなんか、……嫌だ。
「そこまで親しい訳じゃないから、また考えとくよ」
「じゃあさ、この間のお見合いはどうなった?」
「ふふ〜ん、そっちの方を聞いてよー。来週会うことになったんだよ。初めてだから、緊張する〜」
「着物とか着ちゃうの?」
「古っ! いつの時代の見合いなのよ。ホテルのラウンジでお茶して終わりよ。その後また会うかどうかを、仲介人さんに伝えるんだって」
「うぉ〜、テレビで見たことあるわ。面白そう」
「また結果を報告するから、楽しみにしてて」
「OK」
「玲奈さん、今どこにいる?」
翔一はLINEを送る。頭痛が始まっていた。今日は日曜日なので、きっと玲奈も休みのはずである。できれば会って、楽になりたかった。
5分待っても、10分待っても既読にならない。しょうがない。座っていれば倒れることはないからと、設置してある椅子に腰掛けた。
今日はショッピングモールに来ていた。急な注文が金曜日に入り、今日午前中に会社に届いたものを、店舗に納めに来ていた。翔一の仕事は、顧客に合わせて日曜出勤になることも多い。店の人にも喜ばれ、なんとか間に合ってほっとしたところで、ズキンと始まってしまったのだ。
1時間程動けずにいたが、なぜだか治まっていく。最近このパターンが増えていた。何だろう。過去20年、ないタイプである。スマホがピロンと鳴った。
「どうしたの? 頭、痛い?」
「ごめん。そうだったんだけど、治まった」
「よかった」
「今、外?」
「うん」
「特に用事がないなら、食事でもどう? 忙しいなら、いいよ」
「大丈夫ですよ」
待ち合わせ場所に玲奈が現れて、翔一は少し不思議な顔をする。
「今日、仕事だったの?」
「……ううん。ちょっと、所用がありまして……」
玲奈はフォーマルなスーツを着ていた。髪も綺麗にセットされている。何を隠そう、実は先程までお見合いをしていたのだ。
「脇田さんこそ、お仕事だったの?」
「そう。急な納品で」
「頭痛、本当に大丈夫ですか?」
「うん、1時間位で治ったんだ、珍しい。あっ、この間もそうだったね」
「うん。遠隔で私が治してるのかもよ〜?」
笑いながら「都市伝説」風に続ける。
「信じるか信じないかは、貴方次第です」
「……」
意外とそうかもしれないと、翔一は真面目に考えていた。どうなると、こんなに早く治るんだ……? ちょっと、知っておきたい。
「玲奈さん、この間は合コンの時だったよね」
「そうで〜す」
「ちなみに、今日は?」
「……ちょっと、人と会ってたの。スマホの電源切ってて、ごめんね。」
「いいけど……、もういいの?」
「うん。1時間の約束だったから」
「ふぅん……」
頭痛が続いていた時間と同じくらいか……。まぁ、偶然だろうが。特に前回と共通点があるわけでもないんだな。
「ねぇねぇ、私達、結婚式に出席した友人って感じじゃない?」
玲奈に突然言われキョトンとしたが、ショーウィンドウに写っている2人を見ながら言っているのだと気付いて、同意した。
「ほんとだ……。友人って言うより、親戚?」
「いやだぁ、おじさん、おばさんってこと? ひどいなぁ〜」
あははと笑いながら歩き出したが、「伯父さん、伯母さん?」と想像が膨らみ、「それって僕たちが夫婦ってこと……」と何となく思ってしまい、何となくでもそんな想像をしたことは今まで一度もなかった翔一は、少しそんな自分に驚いた。そして突然、先日言われた「奥さん」と言う言葉が現実味を帯びて迫ってきて、翔一を慌てさせる。いやいや、兄妹ってこともあるわけで……。1人でジタバタしながら、それでも動揺を気取られない様に、自分を諌めつつ話を進めた。
「夕食には早いから、どうしようか」
「あのね、私、行きいところがあったんだけど……。着物の展覧会見に行きませんか? 全国回ってて、ちょうど今、東京に来てるの」
「着物?」
「久保田一竹って知らない? 「辻が花」で有名なんだけど」
「う〜ん……。前、テレビでやってた? それならチラッと見たけど」
「そう、それー! 今日ならこの服装だし、実は1人で行こうと思ってたんです!」
「服装、関係あるの?」
「ああいう展覧会って、皆様、お洒落していらっしゃるの。普段着で行っちゃうと、居場所がないっていうか……。ダメかな?」
「いいよ。興味ある」
「やったー」
飛び上がらんばかりの喜びようで、翔一の頬も自然と緩む。玲奈さんは、明るいな。一緒にいると、こっちまで楽しくなる。それになにより、一緒にいれば頭痛が始まらないし、きっと始まっても大丈夫だ……。
会場は混んでいた。こんな人混みでも大丈夫かと玲奈に聞かれたが、あれ程喜んだ顔を見せられた後では、イヤともいえないだろう。それに、やはり少し興味がある。
「すごいな……」
「うん、綺麗……」
そこには、玲奈や翔一が知っている「染め」とは別のものが、並んでいた。
手書き友禅は糊で防染をするのに対し、この「辻が花」は絞りによって防染する。従って、染めの境目がくっきりと分かれるわけではなく、ぼかした様な染めになる。しかも絞るので、生地に凹凸ができることになり、それが染と相まって見事な立体彩色がなされているのである。
とにかくその配色が美しく、表現されている色はほぼグラデーションになっているので、その色の移り変わりの美しさは、誰が見ても目を奪われるのではないだろうか。
また、その図柄も絵画と表現したほうが良いほどの構図で、とても衣服をキャンバスとしているとは思えないほど大胆なものなのだ。富士の「四季」をテーマにした作品や、未完ではあるが何着もの着物を繋げて表現した、連作物の「宇宙」など、見るものを圧倒させる。
まるで、立体絵画のようで現在の3DCGでもってしても、再現は不可能だと思わされる途方もない作品である。玲奈と翔一は、あまりの美しさに心を奪われ、周りの様々な雑音が消えた2人だけの世界で、展示場の全ての作品に魅了されていた。
「シベリアに抑留されてたんだね……」
「スミソニアン美術館に、展示されてるんだって。生前展示は、初だって」
「フランスの文化勲章受けてるんだ……。シュヴェリエ賞」
翔一が色々説明してくれる。とにかく着物に目を奪われている玲奈には、その説明はとてもありがたく、目から入った情報と一緒になって記憶されていく。知識としては、いちばん定着しやすい方法だ。
この久保田一竹氏は友禅の染師だったのだが、20歳の時博物館で、消滅してしまった幻の染めである「辻が花染」の布片を偶然目にしたことから、この染めの復活に情熱を燃やした人物である。戦争に行っていて、シベリア抑留中も監視の目を盗み、薬品で布を染めたり洋服の毛で筆を作成したり、研究を続けたと説明にはあった。しかし、一竹45歳の時、完全な復活は不可能と諦め、「一竹辻が花」として独自の辻が花を追求することになる。この人が無形文化財にならなかったなんて、信じがたい。2003年86歳でこの世を去っている。
着物にだけ照明が当ててある、暗い会場から外に出て、目を細めた。
「人って、すごいね……。あんなものが、生み出せるんだ……」
「ほんとだなぁ。ちょっと僕、勉強にもなった。よかったよ、来て」
ぼぉっとしている玲奈が人とぶつかりそうになる。翔一はそっと腰に手を当てて、引き寄せた。
「危ないよ……」
「……」
玲奈が我に返り、咄嗟に翔一の顔を見れば、翔一はぶつかりそうになったご婦人に軽く会釈をしていた。ご婦人も会釈を返している。
「ありがとう……」
「ん……」
すぐに翔一は離れる。ほんの一瞬でも触れられて、胸がドキドキしていた。考えないようにしていたけれど、この人はカッコいい。物静かな表情で、あまり感情の起伏もなさそうな顔をしているが、きちんとイケメンである。性格は「やさしい」を体現化したようなもので、笑った顔はきっと多くの女性を惹き付けているはずだ。今更再認識させられて、1人相撲でドキドキしていた。今日、お見合いで会った人は、このドキドキはなかったなぁ……。返事、どうしよう……。