↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
23/53

Sランク保管計画



 梅雨の晴れ間で久しぶりに出番となった太陽が、ここぞとばかりにバカみたいな日差しを降り注がせている本日も、いつもと変りなく授業は始まっていく。


席替えしてからもう2週間が経った。隣の席のおっぱいクイーンこと尾賀さんとも順調に仲良くなれて、朝や休憩時間は普通に楽しく喋ってる。相変わらず学校での尾賀さんの雰囲気は地味…


泰助は尾賀さんのことをもっと調査しようと思っているが、一つだけ要注意していることがある。

それは… 尾賀さんを目立たせないこと。



現状、尾賀さんは本当にクラスで目立っていない。数名の女子を除いて彼女が喋るのは泰助ぐらいだ。

この状況は泰助にとって最高の理想形… 尾賀さんのおっぱいを狙う奴は誰もいない。


ただ、最近少し問題も発生してきている。その原因は泰助自身…

そもそも泰助とよく喋る女子はビッチな仲間たちぐらいしかいない。そんな泰助が隣の席の地味な女の子と良く喋っている… しかも楽しそうに。


付近に座っている生徒達も何となくだんだん気づき始めていた。


「なぜあの地味な女の子はおっぱい星人と仲がいいんだ?」


泰助がある意味有名人なので、尾賀さんのような地味な子は余計に浮いて目立ってしまう。

それを敏感に感じ取った泰助はその対処方法に悩んでいた。



 もっと尾賀さんと話さなければ仲良くなれない… だけどこれ以上学校では近づけない。

仲良くなれないと関係が深まらない… 関係が深まらないとおっぱいを揉めない… これは大変だ!


勝負を決めるのはやはり学校の外だな…


泰助が尾賀さんの隣で机に向かい、じっと真剣な表情で悩んでいる… その集中力の凄さに周囲の人はたじろぐが、実際の中身は大概このようなろくでもない事を考えているときである。



「ふぅ~ 暑くなっちゃったね… 柳瀬君は大丈夫?」


いきなり尾賀さんから話しかけられて、慌ててそっちを向くと、ブラウスのボタンを一つはずして片手で下敷きを持ち、パタパタとあおいでいるおっぱいクイーンがいる。しかも、もう片方の手でブラウスをつまんで前に後ろに動かせている。ブラウスをつまんで前に引っ張った時なんて普通に見てても谷間の一部が見えてる。


ぬおぉ~~~っ!


いま上から覗き込めば、間違いなくおっぱいの全貌を拝むことができる… 千載一遇のチャンス。

立て!立つんだ…泰助! 今たてば後光(丸見えの谷間から発するエロい光)を拝める。


泰助は一瞬で立ちあがった… 気付いてから0.1秒の神速で…


「ん?… どうしたの? 柳瀬君…」


立ち上がった泰助は尾賀さんの胸を上から見下ろしている。そこに見えるのは… 「絶景」…

…ではなく下敷きで胸の谷間を完全に隠されてしまった「絶望」だった。ちなみに下敷きの色は濃いブルー。


パタパタ… しないの?


 希望から絶望へ、泰助の表情は一気に沈んでいく。そんな泰助を見て、「柳瀬君、大丈夫?」尾賀さんは優しく声を掛けるが、その言葉は余計に泰助の心をえぐっていく。


しかし、尾賀さんの肌は本当に素晴らしい。透きとおるように白く、見ているとつい触れたくなる衝動に駆られる。そんな白い柔肌が最高の曲線を描いて形の良いおっぱいを形成する。もはや芸術作品…


さっき、ちらっと見えた尾賀さんの谷間を思い出し、泰助はすぐに元気を取り戻した。



「はぁ~ そう言えば夏用の服を買いに行かなくっちゃ… もうバーゲン終わっちゃったよね~」


尾賀さんがボソッと言ったひとり言を聞いた泰助… クイーンは服をご所望か… いかん!


「尾賀さん、おれも夏服買に行こうと思ってたんだ。一緒に行かない?」


さっきまでニコニコしていた尾賀さん、何故か一瞬真顔になって少しためらう… そして、


「………うん、行こう。 他にも買いたいもの有るから付き合ってね」


今度は凄く明るい笑顔で泰助に答える。

取り敢えずOKして貰えたのはいいが、あの間は何なのか?… なんか引っかかるな。


でも良かった、OKして貰えて… 買うのは夏服、絶対セクシーでオシャレな服を買わないようにさせないと…


 泰助は完全な自己利益のためだけに、尾賀さんが可愛く見えるような服や色っぽく見える服、それらを選ぶことを絶対阻止しようと考えていた。特に夏服でエロく見える上着はヤバい。

あんなものオッパイの60%以上は見えてしまう。 オフショルダーなんてとんでもない!


俺が見るのはいい… だが、他人には絶対見せたくない、1mmたりとも。

泰助はまるで自分の彼女であるがごとく尾賀さんの服選びに口を出そうとしているが、


「そう言えば柳瀬君、連絡先交換しないと一緒に買い物いけないね」

「そーだった、交換しよ 交換しよ…」


2人の関係はこの程度である。泰助のド厚かましさがよく伺える。

しかも連絡先を尾賀さんから交換しようと言われるまで、聞こうともしていない。


普通に考えて「お前やる気あんの?」と言われるレベルである。それでいて泰助は「あわよくば尾賀さんを彼女に」なんて企んでいる。このため泰助を外から見ている人はみんな思う… 「あいつは何がしたいの?」


ただ唯一、そんな泰助の行動から泰助の気持ちを読み取れる人物… それが菫である。

なので菫は泰助に、絶賛睨みを利かせている最中… 目から変なビームを出している。



「明日の土曜と明後日の日曜、どっちで買い物に行く?」

「そうね~ 明日の土曜で行こうか。ちょっとでも早い方がいい服が残ってるかも…」


「んじゃ、明日の土曜… 時間はどーする?」

「細かいことは後で私から電話するんでその時に… 柳瀬君それでいい?」


「いいよ。電話まってる」


そんな感じで明日は泰助と尾賀さんが初めて二人でお出かけをすることとなった。

泰助は目的に集中していて全く気付いていない。 人はこれをデートと言う。


その証拠に尾賀さんから席2つ離れたところにいる菫はこの様子を見ていてプルプルと震えている。

(泰助、喋っているぐらいならいいけど、尾賀さんのオッパイ触ったらその指全部折っちゃうよ)



 菫が暗黒オーラを発散させていると尾賀さんは急に菫の方へ振り向いた。

血生臭いことを考えていた菫は大慌て… 急いで表情を取り繕う。


目が合った尾賀さんに向かって口をへの字に結んだまま吊り上っていた目じりだけを一気に下げる…

優しい目にむすっとした口、頬はやや痙攣気味… その状態でにこっと微笑む。


はっきりいって気持ち悪い。もはやホラー映画に出てくる猟奇殺人犯。

尾賀さんは目をパチクリさせて驚いているが、菫本人はその理由に気付いていない。


その横で泰助はすでに明日のことを考えて思案に明け暮れている。

やがて授業開始のチャイムが鳴り、カオス状態だったその場の雰囲気もなくなりいつもの授業風景となる。



その日の授業が終わると、「それじゃ 明日ね」尾賀さんは微笑みながらそう言ってすぐに帰って行った。


尾賀さんがいなくなると、待ってましたとばかりに菫はつかつかと泰助に近寄り「今日は一緒に帰ろ」と泰助に言った… もとい脅した。



それにしても最近の菫は本当におかしい… はっきり言って喜怒哀楽が激しすぎる。機嫌がいいときは本当に明るい笑顔を振りまく、かと思えば一気に機嫌は悪くなり誰かを殺しそうな目をする。


はっきり言ってついて行けん。 だが、放っておくわけにもいかないな… 

実害は必ず俺に来る、それだけは間違いない。


最近菫が機嫌を悪くするとき…  ん、… まてよ、そう言えば俺が尾賀さんと話しているときのような気がする。



これは… もしや………  なるほど。 理解できたぜ。

菫、やっぱりお前も女だな。 それにやはり菫はプライドが高い。


菫が機嫌を悪くするのは… 尾賀さんにオッパイで負けているかもしれないと思っているからだ。



俺がこれだけ尾賀さんのおっぱいを気にしているのを見て、もしや自分が負けているのではと焦ってるな。菫は飛び抜けた美貌と飛び抜けたおっぱいを持つ。そのどちらに自信を持つのも当たり前だ。


それは俺も認める。でもオッパイ評論家である俺が最近は尾賀さんばかり見ている。

もしや… 私は尾賀さんのおっぱいに負けているのか?

そこで生じる不安と嫉妬… 菫もやっぱ女だよな。


だが安心しろ、菫。 俺が保証する、お前のおっぱいは正真正銘のSランク、尾賀さんにも負けていない。

今は尾賀さんを調査中なので菫に構っていないだけだ。


菫もSランクおっぱいだ、敬意を表して機嫌をとっておこう。



菫と泰助が一緒に下校しているときに、菫は一番気になっていることを泰助に聞こうとするが、なかなか話を切り出せないでいた。泰助は何やら尾賀さんと約束していたような…


どうしよう… 思い切って聞こうか… でもそんなこと言ったら私って嫉妬深いって思われるかな…

菫は泰助の隣で悶々とした心境だったが、


「そう言えば明日、尾賀さんと二人で夏服を買いに行くんだよね」


泰助が明るい笑顔でいきなり菫に言った。 聞きたかった内容を聞いた菫はすっきりぃ~。


なぁ~んだ、一緒に服を見に行くだけか……… しかも二人っきりで…


…………それってデートじゃないの??? 泰助、私に喧嘩売ってるの? バラバラにされたいの?

なんで尾賀さんとデートしようとしてんのよー!



「た、泰助、どうして尾賀さんと一緒に行くのかなぁ~ なんて…」


ん、… 菫はご機嫌斜めのようだな。 ヤバいな… 菫のプライドを傷つけたか。

安心しろ、お前のおっぱいも素晴らしい。 しっかりフォローしてやる。


「俺も服買に行きたかったし… 菫はもう夏服かったのか?」

「ううん、もうちょっと買いたいと思ってた」


「なら、明後日の日曜日に一緒に買いに行こーぜ」

「え、でも… 泰助は明日買いに行くんでしょ?」


「明後日は菫に付き合うよ。菫の服を選んでやるよ」

「ほ、ホントにいいの… じゃあ約束」


そう言って菫は指切りしようと泰助にせがむ。泰助と指切りしている菫の顔はもうニッコニコ。

泰助、喧嘩売ってんのか… と言っていた気持ちはどこへやら…

一気に晴れ晴れといった表情になり、本当に楽しそうにしている。



だが… 泰助がただの機嫌取りでここまで菫にご奉仕するはずなんてあるわけない。

当然そこには泰助の野望が存在していた。


泰助の野望、それは「Sランク保管計画」。


自分以外の奴にSランクおっぱいを、「見せない」「触らせない」「気づかせない」の3ナイをスローガンに、Sランクを自分だけのものしようという泰助の大いなる野望だ。


菫と服を買いに行ってやることはただ一つ、おっぱいが見えそうな服はすべて却下してやる!

このためだけに菫との買い物に付き合う泰助であった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。