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傭兵の国盗り物語短編集  作者: ドラキュラ
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晒しの刑

どうもドラキュラです。


短編集、漸く以前の物を書き直したので投稿します。

 あたしは1人で氷の女神を吸っていた。


 場所は何処か知らないが東の方角には立っている。


 「ムカつく、ね・・・・・・・・」


 あの糞野郎が・・・・・・・・


 「ここに居たのかい。姐御」


 イーグルが背後に立つが直ぐに背を壁に預けた。


 「何の用だい?」


 「別に。こんなゴースト・タウンみたいな所を歩いても可愛い子ちゃんは居ないから姐御を探して来たんだよ」


 「珍しいね。で、あいつは?」


 「殺していないよ。俺としては殺したいけど姐御が熱を上げているワイドが止めてね」


 「あいつなら止めるさ。あたしと違って優しいからね」


 「それを言うなら姐御もだろ?あの時・・・・姐御が少しでも力を込めればあいつは首の骨をポキッと日本の菓子みたいな名前を出して死んだんだ」


 「日本の菓子を出すんじゃないよ」


 「だって骨を折る時ってそんな音がするだろ?」


 「まぁね。で、あんたはその後どうしたんだい?」


 「煙草を口に入れて腹に一発打ち込んで終わり。旦那が居たらあれ以上の事をするだろうけどね」


 「少佐、か・・・・そうだろうね。旦那ほど民を愛しているけど同時に愛していないんだから」


 「まぁね。一見矛盾しているように見えてしていないから凄いぜ。で、これからどうなるのかね?」


 「あたしに訊くんじゃないよ。まぁ・・・・あのお人好しをここへ連れて来て演説でもするだろうね」


 お人好しとは女王の事だ。


 未だにあたしはあの女をお人好しと称している。


 演説くらいしか良い事をしていないから当然だけどね。


 「確かに。でも、その間に俺たちは逃げた敵を追うって所かな?」


 「だろうね。しかし、ここからは獅子頭軍団も出るさ」


 あたし等はあくまでそれを補助する形になるだろう。


 それが良いからあたしは文句ないけどね。


 「シュヴァルツフントも出るさ。しかし、問題はハゲタカ共だ。あいつ等を先に倒さないと厄介だぜ」


 「今は誰が指揮していると思う?」


 「ジャンキーに指揮は無理だから・・・・他の奴だね。だけど一体あいつらのヘリはどうやって手に入れたのか・・・気になる所だ」


 「蛇が調達したようだけど・・・・どうやって手に入れたかまでは分からない。どう思う?蛇を」


 「旦那の話を聞く限り害毒でしかないね。それから・・・・何処かと強いパイプを持っている。それこそ一国と通じている可能性が高い」


 「その通り。何処だと思う?」

 

 「そこまでは見当がつかないぜ。しかし、2ヶ国は俺や姐御の国みたいに民族が統一されていないから自ずと想像は出来る」


 「あたしもだ。どうせ一部の過激派が独断でやった事だろうね」


 あたしの国もこいつの国も民族はバラバラだ。


 特にあたしの方は独立志向が強いから過激派が武力行使を行う事が良くある。


 だから今度の件もそういう類だろうとあたしは推測した。


 「同意見だ。まぁ、そこはゲンハルトのおっさんがやる仕事だから俺たちはノー・タッチだけどね」


 「あのおっさんも変わったね。最初に会った時とは別人だよ」


 「女の力だね。それと旦那の力」


 「あたしもあんたも少佐と出会って変わったからあながち間違いではないね」


 あたしもこいつも少佐に出会ったから落ちぶれた人生から抜け出せたんだ。


 それを思うと少佐はあたしとこいつの恩人。


 その恩人をあいつは侮辱したんだから殺しても足りない位だ。


 またムカつき始めたので話題を変える。


 「そう言えば・・・・あの”2人”はどうしているかね?」


 「ああ、おっさんコンビか」


 「あんたも十分におっさんだろ」


 「生憎と4人の中では一番歳が若いから良いんだよ」


 「減らず口を叩きやがって」


 「性分だよ。まぁ・・・・まだ生きてるんじゃないか?俺と姐御が死んでからここに来たんだ。という事は・・・・あの2人はまだ生きていると考えられる」


 「確かに。あんたはどうやって殺されたんだい?」


 「手榴弾を持った敵が“カミカゼ”みたいに突っ込んできたんだよ」


 姐御はと尋かれてあたしは答えた。


 「迫撃砲を撃たれまくって籠っていたバンカーを破壊されて生き埋めにされた」


 「姐御も俺も悲惨な死に方だね・・・・」


 「傭兵に安楽な死なんて来ると思っていたのかい?」


 「まさか。俺たちはどうせ地獄行きだ。ベッドの上で死ねるなんて思ってないさ」


 「なら良いけど・・・・ん?」


 「どうした?」


 「塔を見てみな」


 「塔・・・・何だ、あれは」


 イーグルは塔を見て拍子抜けしたように唖然とする。


 塔の上には裸にされた貴族が吊るされていた。


 と言っても首に縄を掛けられておらず縛られて首に「私は害虫です」と書かれていた看板を首に掛けている。


 「スリー達がやったのか?いや、リカルド・・・な訳ないか」


 そんな事をやるなら逃げるべきとイーグルは思い直し否定した。


 「スリー達だって蛇の私兵相手で手一杯だ。民達が出来る訳ない」


 「つまり・・・・“誰か”がやったという事か」


 「その通り。しかし、あれを見ると昔を思い出すね」


 「あぁ。俺たちを捨て駒にして逃げる上官を皆で縛り付けてああいう風にしたな」


 「そうさ。まさか、あれが見れるとは・・・・面白いね」


 「確かに。まぁ何れは・・・・首に縄を掛けさせるけどな」


 「そうだね」


 あたしは簡潔に頷いてから氷の女王に溜まった灰を指で叩き落とした。


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