魔法少女☆絶叫
「舞香!!」
俺は絶叫する自らの口を強引に閉ざし、舞香を抱き締め状態を確認。
複数の触手に背後から貫かれた身体。
溢れ出る血。
致命傷。
どうしようもない……傷。
「舞香! 舞香!!」
呼び掛け意識のない身体を揺さぶる。
そんなことをすれば舞香の死期を早めてしまうと頭では理解してるのに。
死期?
俺は……何を考えてる?
言い様のない恐怖に、身体が震える。
「ドジっ……ちゃいました……」
うっすらと目を開け、呟く舞香。
可憐な口元についた血を拭おうともせず微笑む。
「もういい! 喋るな!」
傷口を押さえた手が真っ赤に染まっていく。
自らの無力感に絶望する。
魔法少女に浄化魔法はあっても「回復魔法」はない。
そんな事実に、今更俺は驚愕させられる。
圧倒的な力を以って敵に当たる内はいい。
だがこのような窮地に至ったら魔法少女はどうすればいいんだ?
そしていつもはウザいくらいに絡んでくるあのバカは何故現れない?
今こそ「お前」の力と知識が必要なのに!!
「恭介さん……
わたし、頑張った……けど、駄目でした……」
「もういい!! 今すぐ助けてやるから」
「駄目ですよ……嘘は。
この傷……致命傷で……しょ?」
「そんなこと!! そんな、こと……」
「もう長く……ないんです……
だから(ごほごほ)聞かせて……下さい……」
「何を?」
「先程の……返事……
わたしの、最初で最後の告白……」
背伸ばしをした少女に出来る精一杯の勇気。
それを受けて俺は、
「…………」
華奢な手を握り、舞香の耳元で返事を囁く。
大きく目を開き驚く舞香。
嗚咽が漏れない様、口元を押さえるも目からは涙が零れ落ちる。
「ありが……とう、恭介さん……
わたし……わたしすごく……しあわ……」
陶酔するかのように閉ざされた舞香の瞳。
力無く滑り落ちる舞香の手。
血だまりの中、緋に染まる舞香の体。
嘘だ。
こんなの嘘だ。
「まいかあああああああああああああああああああああああ!!!!」
喉を傷付ける声量で呼び掛ける俺。
返事に応じる少女は、もういない。




