魔法少女☆旅行(8)
運ばれてきたのは大きな寸胴。
中には二種類の出汁が入っており、肉の風味をさらに引き立てる。
野菜好きな舞香の為、選べる出汁の一つはトマト、もう片方は昆布を選択した。
「舞香はしゃぶしゃぶ初めてだったけ?」
「はい。すき焼きはよく食べますけど……お肉が薄いんですね」
「ああ、こうやって出汁の中をくぐらせて「しゃぶしゃぶ」して」
手元のポン酢 季節ダレ、胡麻ダレを示し、
「タレに付けるんだ。
後はお好みで薬味だな」
「はい。やってみますね。
え~っと、お肉をとって「しゃぶしゃぶ」と……」
分かりやすいように擬音化した事を素直に真似る舞香。
俺は微笑ましく思いながらグラスを呷る。
「そしてタレに……って何ですか、恭介さん。
わたし、何か間違ってました?」
「いや、何でも。
ほれ、まずは食べてみ」
「じゃあ……いただきま~す」
お行儀よく手を合わせ一礼し口へ肉を運ぶ舞香。
その瞬間口元を押さえる。
「うあ、何ですかコレ。
お肉が美味し過ぎます!」
「だろ? 地元の霧降高原牛だからな。
ちなみに口に入れてると溶ける」
「嘘!?
あ、ホントだ……チョコレートみたいに溶けちゃいました……」
「そんだけ上等な霜降りってことさ。
ほら、遠慮せず食え。食べ放題だしな」
俺もグラスを置き、肉の味を堪能する。
う~ん……相変わらずここの料理は美味い。
そんな俺の挙動に舞香も見倣い、しばしの間しゃぶしゃぶを楽しむのだった。




