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魔法少女☆叱責

「おい待っててば、舞香!」


 無言で植物園のあるグリーンゾーンへ歩いてゆく舞香。

 その後を追いながら呼び掛けても、まったく返事がない。


「いい加減にしろ!」


 さすがに若干の苛立ちを込め呼び止める。

 すると怯えたように足を止め振り返る舞香。

 その眼には大粒の涙が今にも溢れ落ちようしていた。


「……舞香、どうしたんだ?」

「だって……恭介さん……他の人ばっかり見て……

 わたし、今日はすごく(えぐ)楽しみにしてたのに、

 最初以外……あんまり見てくれないし……(ひっく)」


 嗚咽を交え顔を覆う舞香。

 そのまま咽び泣き震えてしまう。

 俺は嘆息すると、おもむろに舞香へ近寄り、優しく抱き締めた。


「きょっ、恭介さん!?」

「あのな、舞香。

 あんまり舞香の方を見なかったのはな、綺麗になったお前を見るのが恥ずかしかったんだよ。

 こんな美少女と歩けるなんて、身に余る光栄過ぎて実際困るぞ。

 マジで目のやり場に困る」

「本当ぅ……ですか?

 わたしの我儘が嫌だったんじゃないんですか?

 お仕事で疲れてるでしょうし……」

「あのな、嫌だったら高速飛ばしてこんなとこまで来ないぞ。

 俺は正直だから嫌な事は嫌、駄目な事は駄目、とはっきり言う。

 それに気を遣い過ぎだ。

 舞香とこうしている時間が何よりもリフレッシュになるのを知らないな?」


 頭を撫でながら諭すように語りかける。

 舞香は猫の様に気持ち良さそうに眼を閉ざす。


「それとも、舞香は楽しくなかったのか?」

「ううん! すっごく楽しいです!

 今日は連れて来てもらって幸せです。 

 ……さっきはごめんなさい、恭介さん。

 わたし、悪い子でした」

「ん。きちんと謝れるなら一人前だ。よしよし」


 さらに労わりを込め頭を撫でる。


「フフ……気持ちいいです。

 あの、その、恭介さん。

 お詫びというか、その……そろそろお腹空きませんか?

 今日のお礼を兼ねて、わたしお弁当を作ってきたんです」


 上目遣いで俺を不安そうに見上げる舞香。

 やっぱり朝のアレ(バスケット)はお弁当らしい。


「ああ、腹が減ったな。

 じゃあ舞香のお弁当、堪能させてもらうとするか」

「はい!」


 雨のち晴れ。

 泣き顔から一転、極上の笑顔を浮かべ舞香は頷いた。 



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