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魔法少女☆爆誕

 そいつが俺の前に現れたのは愛する妻と別れ、

 可愛い娘に軽蔑の眼差しを受け、

 仕事もリストラの対象になり自殺をするかどうか悩んでいたというまさに最悪な日だったのを覚えている。


「やっほ~ボクはコメット♪

 星の国から来た妖精さ★

 いきなりで驚くかもだけど、ボクと契約して魔法少女に……

 って、なんでさ。

 なんでこんなくたびれたおっさんなのさ。

 あれ?

 ボクのパートナーとなる可愛い女の子はどこ??」


 首を傾げる、何やら喋るぬいぐるみの様な生き物。


「こちらこそなんだ、貴様は。

 人様の家に無断で侵入しただけでなく何をほざいている」

「えっ~と、ボクはですね。

 愛と勇気と希望を世界に満たす為に星の世界から遣わされた妖精でして」

「まあテンプレだな。それで?」

「少女と何でも叶う願い事の契約をして、その対価として魔法少女となり世の中の魔と戦ってもらおうと思いまして」

「じゃあ、何故俺の前にきた?」

「えっと強い魔法少女になるには強い心が必要なんですよ……

 その、どうもマイナスに強い心を間違えて捉えちゃったみたいで……

 おまけにボク、新人なんで性別も間違えちゃったみたい。

 てへペロ☆

 じゃあそういう訳で、しつれ…ぐぼぎがべろっ!!」


 俺は「その言葉」を聞き逃さずそいつを握り締めていた。

 何でも叶う、だと……!?


「契約しろ」

「ぶがぺっ(ふえっ)?」

「俺が魔法少女になってやる。

 だから契約し、願い事を叶えろ」

「ぶぺぶぺ。ぶろぺぺっぺぷぽろぴっぱ!

(無理無理。視聴率的にも無理だって!)」

「今、死ぬのと契約するの……どっちが良い選択だと思う?」

「ぶっぽろぴぴっぺぶぱらぴいれぶー

(生きてるって本当に素晴らしいですねー)」


 握力を強めた問いに、そいつは脂汗を流しながら笑みを浮かべ頷いた。





 こうして俺は魔法少女となった。

 願いの対価は救った人々の数×1万円が毎回口座に振り込まれる事。

 ……月々の養育費が払えなくて困ってたんだよ、当時の俺は。

 しかしだからといって夢も希望もないシステムだと思うが。


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