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魔法少女☆殲滅
一方的だった。
中空に現れた魔法陣より光り輝く弓を召喚したパフュームは、次々と高出力の魔力矢を放ち、抵抗すら許さずモグラの体を射抜いてゆく。
それは戦いというより単純な作業。
情を交える事のないワンサイドゲーム。
「フィナーレです」
弓を捨て宙に舞う。
まるで翅が生えているかのような軌跡を描き、一条の閃光と化したパフュームの蹴りがモグラに突き刺さる。
「バ、バカな……」
一瞬の間の後、光の粒子となり消えてゆく。
強い。
最近は「あたし」でも手こずる事が多い敵を、短時間で撃退してしまった。
戦慄に手を握り締める俺を変わらぬ冷徹な眼で見ながら、
「絶望を前に諦めずに抗う、その勇敢なる魂……見事です。
また会いましょう。
貴方が、その心を忘れない限り」
と告げパフュームは飛び去った。
アレが魔法少女。
紛い物じゃない本当の魔法少女の姿なのか……。
俺はその超然とした姿に見惚れていた。
「あの~そろそろ助けてくれると嬉しいんですけど、はい。
もしかして忘れてません?」