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魔法少女☆会食

「頂きます」

「はい、どうぞ召し上がれ」


 食卓に並んだ数々の品を前に、舞香ちゃんが行儀よく手を合わせる。

 蟹味噌のチャーハンにエビチリ、野菜を薄皮で包んだ春巻き。

 余った具材を煮込んだ卵スープに杏仁豆腐。

 少し作りすぎた気もするが、そこは成長期の少女。

 大食漢の俺となら残さず食べれるだろう。


「いや~スターって性格はアレだけど、料理は本当に絶品だね!」

「黙れ」


 姿を消しているとはいえ、テーブル下で舌鼓みを打ちながら余計な事を言うナマモノを取り敢えず踏み潰しておく。


「? 今、何か……?」

「いや何でも。

 それにしても今日はどうしたんだ、舞香。

 随分とめかし込んで。

 すっごく似合ってるし、可愛い」

「これは……その、心境の変化というか……

 気にしないで下さい!」


 書斎と自室を往復してると思ったら、舞香は制服から春物に着替えていた。

 清純っぽい白のブラウスの上に淡草色のカーディガンを羽織り、活動的な黒のミニに青のニーハイ。

 軽くメイクもこなし唇には煌めくリップ。

 我が娘ながらめっさ可愛い!

 ……やっぱ好きな奴とかできたのかなー

 ……最近急に綺麗になってきたし……

 お父さんは心配です、はい。

 まじまじ舞香ちゃんを見てると、耳を真っ赤にしながら抗議してきた。


「そ、そんなに見ないで下さい!

 あんまり見ると訴えますよ!」


 箸を持つ手で胸元を隠しながら睨んでくる。

 うう、娘に嫌われてしまった(涙)。


「ま、まぁ食べよう。

 どうだい、今日の味は?

 結構自信作なんだけど」

「すごく美味しいです!

 ……でも、毎日食卓を預かる者としては少し凹みます」


 表情をさまざまに変えながら答える舞香ちゃん。

 学校の事、友達の事。

 明日の休日予定していた、二人で行く予定の買い物の事などの四方山話。

 こうして武藤家の穏やかで美味しい時間は過ぎて行った。


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