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男子校のマドンナ  作者: こる坊
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榊原 優

 みんなは知っているだろうか。生徒職員が皆男。学校に女が来るのは参観日で母が来る時ぐらい。女子との接点は皆無。そう。この学校を人は皆 「男子校」 と呼ぶ・・・。


 「ウィース」 「おっはー」 「おはよー」

 「おはよっす」

 「朝は弱いのか太宰君よ」

 「いつものことじゃねぇか」

 「そんなことより榊原君を見てくれ。今日もほかの男子から熱烈なアプローチを受けているよ。さて、僕も行って来よう」

 「・・・ホモ共が」


 いつぐらいからだろうか、美少年榊原 優が男子からモテ始めたのは。俺は、中学生特有の考え方「女子とかうぜー」という気持ちを心に残したまま高校を選んでしまったのだ。当然女子がいない男子校を選んだ。最初のころは男子しかいないこの学校で楽しい日々を送っていたが、ある日一人の男子がボソッと言ったのだ。

 「女子と話したいな・・・。」

 うすうすみんな思っていたその言葉を口にした瞬間猛烈に女子が恋しくなった。それから毎日毎日男子たちは「女子」という存在をほしがったのだ。そんなある日友達が

 「榊原って・・・かわいいよな。」と

 言い出した。

 俺はホモとかBLとか大嫌いなため、すかさず

 「おまえきっもーwwそりゃねぇぜ!」

 といったのだが、時すでに遅し。みな「あぁ。」 「たしかに」 「そうだな」

 とつぶやいていた。それからというもの男子たちは美少年である榊原にアプローチを仕掛けるようになったのだ。たしかに顔は女の子みたいでかわいいと思う。しかし俺は榊原を好きになる理由が分からない。所詮は男。女じゃないのに。みんな狂ってやがるんだ。


 そして今日もまたほかの男子どもがアプローチを仕掛けている。

 「俺と・・・付き合ってください!」

 「ごめんね。僕。心に決めた人がいるんだ。」

 あいつもまた振られたのか。それにしてもあいついつも告白を断るときに「心に決めた人がいる」って言って断るよな。誰なんだろうな・・・・おっと。そんなの俺には関係ねえな。

 そう考えてから、机の上に頭をのせ、眠りにつく。榊原の机に俺以外の男子がほぼ全員集まってるから、俺は準ぼっち状態だ。まぁホモ共に興味はないがな。そう思い眠りに着こうとしたとき、男子たちの声が聞こえた。

 「榊原・・・その、心に決めた人って誰なんだ?」

 「え?・・・ここで言うのはちょっと恥ずかしいかな・・・・。」

 「いいじゃねぇか!そいつのせいでみんな振られてるんだ!名前ぐらい教えてくれてもいいじゃんかよ!」

 「・・・うん。わかった。」

 俺もそいつは興味あるな。あいつに告った奴はみんな振られてる。そんなに心に決めてるやつがいるなら何でそいつと一緒の高校行ってやらなかったんだよ。こんなむさくるしい男子校に来た意味ない

 「太宰君なんだ。心に決めてる人って。」

 なんだ。太宰か・・・・え?・・・・・

 「俺ぇ?!」

 俺以外の男子がこちらに注目した。一瞬時が止まったかのような気がした。そんな中榊原と目があった。あいつはにっこり笑ってこういった。

 「僕と付き合ってください。」

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