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あの娘  作者: 空野かなた
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第1回  出会い

平成3年。俺は21歳になった。新卒扱いで入った建材屋の営業も丸2年になろうとしていた春のことである。

そして、それが彼女との出会いだった。

当時の新潟は、出会いの場というと音楽の歌本雑誌やタウン情報誌の文通募集の投稿欄でしか情報は皆無だった。そんな俺もまた青春途上。もちろん文通に興味があった。今ではそんな遅い通信手段なんて、誰もが敬遠することでしょう。でも当時はこの地味な方法しかなかったのである。

ある日の文通欄に、文通相手募集のコメが書かれていた。すでに俺は10人くらい文通をしていたので開拓のつもりで、手紙を書いた。

一週間後返事が届いた。同じ市内ということもあり、お互い意気投合していった。写真を交換したり、自分達のアピールをしたり。手紙でありながら現代のメールのように、お互いの気持ちは打ち解けていった。

手紙の交換も回を重ね、会う約束まで到達していた。

こんな俺でもいがいにおしゃれで外出着は、おろし立てのジャケットにTシャツ,

そしてブルージーンズ。サングラスをかけていざ出発。

お酒も飲む予定だったので、道中は電車で。


”えっと、どこにいるかなぁ。たしかここで待ち合わせのはず。どんな子だろう。なんか緊張するなぁ。”


夜の繁華街は人が多く、楽しげなカップルもいてにぎわいを見せていた。


”ねえ、もしかして空野君? 私・・・涼子。 待ってた?”

デニムのジャンパースカートの女の子で、少しふっくらとした感じだった。


"涼子ちゃん。初めまして。やっと会えたね・・・。”

俺は念願の出会いにほっとした。緊張も少しは軽くなっていった。


”それと・・・こちらが私の友達の恵・・・。友達も連れてきちゃった。恵の方もよろしくね。”

一人で来るとばかり思ってた俺は、若干とまどった。

彼女は細い体をしていて、どことなく悲しげで、はずかしそうに俺を見ていた。


”うん。恵さんもよろしくね。”

女性二人に男性一人・・・あの頃はこの組み合わせは結構はずかしい気がした。

それにこの1対2の形式は、エスコートする・・・じゃなくてエスコートされる・・・に近いので、なんか手元がくるってしまった感じがあった。


まず俺の文通相手の涼子・・・。

手紙ではおしとやかで上品なイメージがあった俺は彼女と接してる中で、唖然とした。

なんてテンションが高く高飛車なのか・・・それと極めつけがしゃべり過ぎ。

イメージ180度反転。

以降、現在までも付き合いのある約20年交流のある友達・・・いや腐れ縁になるだろう。


このストーリーでのヒロイン恵・・・

彼女との恋愛を、これから語っていこうと思う。

今は懐かしく、青春を突き進んだ想い出のページ。

熱く・・・甘く・・・燃えるような出来事。

切ないストーリーが今、始まる・・・



    第一回 出会い おわり

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