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詩『空への憧れ』

作者: 游月 昭

『空への憧れ』13/12/27



人は飛ぶことを諦めたのか。


俺たちに分け与えられた細胞の集合体は、過去から未来へと無限に繋がる細胞の総体の中にあって、現在という、押し潰された薄っぺらな時の隙間で、未来を食べ、過去を排泄する役割を担っている。


現在で交錯する無数の集合体とのねじれた位置関係に、人は与えられた筋力と思考能力を天秤にかけることで、飛ぶ事より、隠れて過ごすことを選んだ。


飛ぶ姿への憧れは、高度な思考能力による道具の発明により、鳥を落とし、むさぼり、むしった羽根を飾りとして身に付けることで、空を征した証しとした。

空は人が居ない限り、未来永劫「(カラ)」なのであるが。


航空機の発明は、細胞の集合体の苦し紛れの代償行為であるが、人が飛ぶこととはかけ離れている。


本当に人は、飛ぶことを諦めたのだろうか。


人は、思い描いた夢を一つ一つ実現してきた。夜中にぬくぬくと布団の中で、飛ぶ夢を見ることは惨めったらしいことではない。地球の現存するエネルギーが枯渇する未来の夢を食べ、人が空を飛ぶという過去を排泄することを、俺たちの細胞の総体は時を越えて確信しているのだ。


人はいつか必ず空を飛ぶ、と。





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