表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/64

第十話「結論から言うと、大成功だった」

 結論から言うと、あの日の特別指名依頼は大成功だった。


 討伐対象は、密林に潜む“隠密奇襲型”の魔獣。

 音も気配も消して背後から一撃を狙う、冒険者泣かせの相手だった。




 ――だが、俺の危機察知が本領を発揮した。




 魔獣が木陰に身をひそめ、息を殺す。

 パーティ全員がじりじりと進む中、ガイルの頭の中で「今だ!」と言わんばかりにビリビリと警報が一瞬だけ走る。


「右だ!伏せろ!」

 反射的に叫ぶと同時に、パーティ全員が地面に飛び込む。


 その瞬間、シルビアが素早く結界魔法を発動――

 襲いかかってきた魔獣の奇襲を結界がはじき返す。


「今だ、ロッタ!」

 ロッタの放った炎の魔法が魔獣に炸裂、

 ブロックが大盾で進路を塞ぎ、

 ガイルが隙を逃さず渾身の一撃でトドメを刺す。


(――完璧だった。全てがかみ合っていた。やはり俺様のスキルは最強だ!)




 討伐が終わり、依頼達成を報告した俺は、ギルドの酒場で胸を張る。


「ふん、やはり俺様にかかればあの程度の依頼容易いな!」




 ……が、すかさずロッタが小声でツッコミを入れる。


「でも次の日から宿に引きこもってたよね…」


「やめなよ…」

 シルビアまで苦笑している。




「休暇を取っていただけだ!」と強がるが、

「Aランク依頼怖がって、部屋でガクブルしてたくせに…」

 なぜバレてる!?




(まあ、しかし今回のことで分かったことがいくつかある)


 まず――おそらくブロックには俺の危機察知に干渉するような“何か”がある。


 アイツの土産物を食べてダウンしたタイミングから、依頼達成まで、

 危機察知の警報が鳴りっぱなしになることは無かった。


 だが、翌日Aランク依頼を受けようと考えたら、またうるさくなったし……


(あの食い物がトリガーになったのは間違いないだろう。

 ブロックの料理じゃなくても発動するのが意味わからんが…)


 そして、もう一つ。


 ブロックのヤツ……よく考えてみたら「修行に行かせた」はずなのに、

 温泉旅行にいってやがった!!!




 と、そこへ――


「たっだいまー!温泉最高だったぞー!」

 と能天気な声でブロックがギルドの扉を開ける。


 土産話と大量の温泉まんじゅうを抱えて現れるその姿に、

 パーティ全員がなんとも言えない表情になる。


「おまえ…そこは一応隠せよ…」

 とガイルがぼそっと漏らすと、

 ロッタもシルビアも思わず吹き出して笑った。




 こうして、「ブラッドウルフ隊」はまた元(?)の賑やかな日常へと戻っていくのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ