なんか超能力使えました。
俺は入田 羅偉斗。いままで何事もなく、極々普通の生活を送っていた。ただ、今日は違う。お母さんに受験しろって言われて、受けた。そしたらなんかしらんけど受かった。で、めちゃくちゃすごいらしい大学の校門にいる。なんで受かったのかは知らん。いままで授業聞いてただけ。それだけで簡単に受かった。親戚とか友達とかからめっちゃ褒められてけど、めちゃくちゃすごいってのは、正直実感がなかった。けど、校門にきて気づいた。
こ の 学 校 や ば い わ
まず、めちゃくちゃでかい。化け物みたい(?)
あと……………………不良多くね?
「うぇいうぇいうぇいー」
「あ?やんのか?てめー」
「ああぁん?ぶち殺すぞぉ!」
最悪だ。どこもかしこも不良の声しか聞こえない。まあ、でもすごい学校らしいから、そこそこ頭はいいはずなんだけど………………………
「静粛に!!!」
男性の声が響き渡った。
「全員がそろったみたいだ。では、話をする。」
なるほど。入学生は校門で待たされ、全員が揃ったら話をするらしい。
・
・
・
・
・
五分くらいたっただろうか?もう、意識が朦朧としてきた。いつでも、どこでも長い話は嫌である。あそこのビンが割れて、話中断とかならないかな?こう、バキッ!って、
そうやって「ビンが割れる。」を強くイメージした。するとなんと!
バリィン!!!
ビンが割れた。
ざわざわざわざわざわざわざわざわ
え?え?うそでしょ?なんで割れたの?落とした。とか、何かが当たった。とかではなく、勝手に割れたのだ。バリンと。しかも俺がイメージした瞬間………………………………………………まさか、超能力とか………………?俺、小学の頃からずっとあこがれてたんだー。いやぁー、まさか超能力が使えるとはなー………………………………………………………………………って、こんな簡単に認めんじゃねーよ。あほか?まだ、確信するのには早い。申し訳ないけど、もっと試さなきゃ。
じゃあ、次はどうしよう?………………………うーん。雨でも降らせてみるか?
「雨が降る」を強くイメージする………………………
ぽたっ、ぽたっ、ぽたっぽたっぽたっ……………ザーザーザーザー
うおおおお!!!ガチで降り出した!これはやばいかもしれん。天気予報では、一日中晴れの予報だったけど………………………確信した。俺は超能力が使えると。
さて、建物内に案内された俺たちだが、ここもすごかった。扉→豪華。床→豪華。天井→豪華。シャンデリア→豪華。もう、何もかもが豪華だ。
………………………というかさ、さっきの雨降らすやつ、よくよく考えたら超能力とかじゃなくて、もう神やん。ゴッドですやん。
そんなことを考えていたら、話やらなんやらが終わって、制服を渡され、家に帰っていいということになった。
そして帰り道………………………………………………
道を歩いていると、路地のほうから声が聞こえた。
「オラッ!」
「うぃー!」
「あーい!」
という声とともに、殴っているような音も聞こえた。どうやら誰かが殴られているようだ。声は複数あり、結構な人数で殴られているのであろう。かわいそうに………………………
そして俺は声が聞こえたほうに走って、路地を覗き込んだ。
むむ!?制服的に同じ学校の生徒だぞ!?結構強そうな見た目しているやつが、十人くらいの大人に殴られたり、けられたり。
これはかわいそうだ。ただ、俺までああなったらどうする?いや、まてよ、ここから超能力で、ぶっ倒してやったらいいんじゃね?よし、
「あいつらを吹っ飛ばす」を強くイメージする………………………
ん…?まったく反応しないぞ?まさか、人を攻撃するのはダメなのか?
………………………うーん。まあ、いいや、俺小学生の頃、五人の高校生ヤンキーに絡まれたけど一人で全員ぼっこぼこにしてやったからな。大丈夫っしょ。
「おい!おまえら!」
「「「ああん??」」」
「そいつは俺と同じ学校の生徒だ。それ以上ボコしたら、ただじゃ置かねーぞ?」
「っはっはっはっは!!いいねぇー。やれるもんなら、やってみな?」
そうして近づいてきたので、いっちょ、腹パンをお見舞いした。
ドオオオオ………………………
「ぐはっ………………」
えげつない音とともに、吹っ飛んで行って、ボーリングみたいに仲間に吹っ飛んでいって見事、ストライク!
「っち、やれお前らー!!」
「「「うおおおお!!」」」
まったく、めんどくさいな、
「しねぇー!」
そういって、顔面に向かってパンチを食らわせようとしてきたが、びっくりするくらい遅かった。これも超能力だろうか?
軽々とパンチをかわして、胸倉を掴んだ。そして、そのまま、腹に、膝蹴りをお見舞いして、一人撃破。
「おっら!」
「しね!」
「おりゃ!」
今度は三人同時にだ。大丈夫。楽勝だ。まず、腹パンをくらわしてきそうなやつの腕を右手でストップし、顔面パンチをしてきそうなやつは左手で掴む。で、胸らへんを狙ってきたやつは、二人の腕でサンドイッチをする。これで全員の腕を封鎖。そのあと、一番右にいたやつにキックをくらわし、ほかの二人を同時に吹っ飛ばす。残りの五人は、一番前にいたやつに強烈なキックをお見舞いして、全員吹っ飛ばす。これでお掃除完了だ。
「す………………………すげぇ………………」
殴られていたやつはボロボロだった。
「大丈夫か?」
「あ、ああ。あざす……………お前の名前は?」
「俺か?俺は入田 羅偉斗だ。」
「羅偉斗。俺は、坂本 螺井寺だ。」
「螺井寺ね。よろしく。で、なんであんなボコされてたわけ?」
「しらね。なんか、むしゃくしゃしてんだ。つってボコボコにされた。」
「うわ、そりゃひでーな。容赦なく殴ってよかったわ。」
「おまえめちゃくちゃ強いな。」
「ふっ、まーね」
これも超能力のおかげか?しらんけど。
「とりあえず、帰るわ、またな、螺井寺」
「ああ、また明日」
そして、それぞれの家に帰った。
次の日………………………
「よ!おはよう、羅偉斗!」
「おお!螺井寺か。おはよう」
偶然登校中出くわした。
「あのさ、俺超能力使えるんだよね。」
「ファ!?」
ボソッと言ったら、ボソッとスルーされると思った俺がばかだったようだ。やはり、驚くか。
「うそだろ?」
「ふふふ。それが本当なのだ。昨日、高そうなビンが割れただろ?それに、雨も降っただろ?それは俺の仕業だ」
「………………………じゃあ、あそこの石動かして」
螺井寺が指さした先には重そうな石があった。
「ふ、いいだろう」
そして、「石を動かす」を強くイメージ………………………
ぐっ…………………ゴロゴロ
「え…………………うそん………………マジかよ………………………」
「ざっとこんなもんだ!」
「ほかにもなんかできねえの?」
「それが、昨日急に使えるようになったからさ、あんま知らないんだよね。」
「そーか、じゃあ、今日何できるか試してみるか。」
「そうだな」
「「………………………」」
って、意外とあっさり受け入れてるじゃねえかよ。まあ、いいや
そして、授業中………………………
(ふっはっはっは………………………やっと、今日あいつを殺すことができる………………………)
え?先生の声……………?殺すだと?いったい誰をだ?っていうか、なんで誰も反応していないんだ?普通に先生しゃべってるし………………………
まさか、思考読か?超能力でよくあるやつ。
だとしたら、やばくないか?殺すって………………………
(やっとだ………………………やっと、作間を殺せる…………………)
また思考読発動。作間……………って、たしか、俺の隣の席の男の子じゃ…………………?作間君なんかしたのか?
それ以上、思考読が発動することはなかった……………
そのことを螺井寺に話した。
「まじで?じゃあ、作間かなり危ないんじゃね?超能力なに使えるか試してる場合じゃねえわ!作間をつけるぞ!」
つけるって、ストーカーするってことだよね?怪しまれたらいやだー
って、思いながらいま作間を追跡中。危なかったらすぐに助けてやるんだ。
・
・
・
・
………………………ん?え!?ナイフが浮いている!?
作間を追跡して、四分くらいで、異変が起きた。
これは…………………まずい!
「おい!やばいぞ!」
螺井寺も気づいている。下手に近づいたり、かばったりしてもこっちがやられる。岩でガードしよう。
そして、岩を念力で、動かし、ナイフを受け止めた。
「「よし!」」
「おい!」
声が聞こえた。先生の声だ。
「なにしてくれてんだよ、あともうちょっとだったのに」
姿を現した。
「えぇ!?先生!?」
作間も驚いている。
「っち、………………………死ねぇ!!!!!」
そういって、作間にナイフを構えて突進していった。まずい!………………………瞬間移動とかできないのか?「瞬間移動しろ!」
シュン………………………
気づけば、先生の目の前に来ていた。そんなことも知らずに、先生は突進してきた。
「時間停止!!」
という、俺の声とともに世界の動きがピタリととまった。
やはり、これも使えたか、使えなかったら終わっていたが、
この間に、作間君を違う場所に移動させて、先生を動かして壁の目の前におく、これで時間停止解除する。
ドオオオオオオオオン!!!!
と、やばそうな音がした。
「う…………ぐ……………」
といって、倒れ込んだ。よし、これで一件落着だ。勿論、全員意味が分からなかっただろう。
「う………………貴様も……………超能力者か…………………」
そうだその通りだ。だが、 も だと?
「お前も超能力者なのか?」
「ふ……そうだ。念力を使うことができる。」
「それだけ?」
「それだけって、すごいことだぞ!?まあ、お前は念力と、時間停止が使えるようだがな…………………」
「あと、色々使えるぞ、作間君を完璧なタイミングで、救ったのはお前の思考を思考読で読んだからだ。で、なんで、作間君を殺そうとしたんだ?」
「……………………………………………俺の……………俺の、七恵ちゃんを奪ったからだ!!!」
「はぁ?俺のって、七恵ちゃんは俺の彼女だわ!」
作間君が反論する。
「なるほど、つまり、先生はその七恵っていう人が好きだったけど、その彼氏の作間君に嫉妬したから、殺そうとしたと。くだらない」
「だまれ!」
「あ、ちなみにちゃんと警察呼んだから、安心してね。」
「なんだと………………………」
「ほら、サイレンが聞こえる。」
・
・
・
・
・
その後、先生は警察に連行されていった。
「ありがとう、羅偉斗君。」
「ああ。」
そして、作間君の命を救った&超能力者。ということで学校中で噂になって人気者になった。
「はあ、現実はそんな甘くないか」
学校の窓を見つめながら、羅偉斗は思った。
そう、今までの出来事はすべて、極々普通の人間、入田 羅偉斗の妄想物語だった。