ポンニチ怪談 その84 ポンニチ逆間引き
少子高齢化が進み過ぎたニホン国。国会でも解決策となる法案は出せず、ついに超法規的解決に…
20XX年 ニホン国では人口が減少し続けるも高齢人口の大幅に増えていた。年金支給年齢を80歳まで上げ、75歳までが働くのが当たり前としたが、ついに社会の破綻を招く寸前。国会で議論もされたが、若者や生殖可能な女性を優遇し高齢者への支援を減らす政策、とくに厚生年金の減額は与党ジコウ党世襲議員らの強烈な反対にあい実現不可能となった。そこでニホン国政府はは“ニホン政府関係の最高知性“に頼ることになった。
「た、頼みの綱はこのプガクだけか」
「ああ、いろいろ反対されたが、税金をつぎ込んで世界最高峰といわれたコンピュータープガクだ。もっとも地震予測も選挙予測も外したんだが」
「地震はともかく、選挙は仕方がないだろう。SNSに氾濫した似非情報を排除しきれなかったとか、世襲総理の自分の言葉しか聞かない大甘予測を鵜呑みにしたとかがあったからな」
「その辺の反省を踏まえ、生成AIなども活用して予測精度はかなり正確になったはずだ。なにしろここ1年の人口減少とそれに伴う数かすの不具合、不備、おこりうる事故の予測はすべて当たっているんだから」
「事故とかはともかく、人口減少はすぐ予測できたと思うけどな。まあ若者、特に女性が減ったのはよくわからないんだが。とにかく、最後の手段だ。よし起動終了」
『おはようございます。本日から解決すべき課題はニホン国の少子高齢化対策、でよろしいですね』
「そ、そうだ、プガク。というより人口減少対策だが」
『人口減少については生殖可能年齢の女性人口が増加しないと解決できません。人工子宮での成功率は未だ低く、すでに財政難が続くニホン国では費用の面でも使用不可能。それに養育者の問題もあります、高齢者特に高齢男性はそれに対してほとんど寄与できず…』
「わ、わかった。少子高齢化を何とか、できればいい、当面はな。ただし、火急的速やかにだ」
『直ちにということでしょうか。でしたら対策がわかりしだい、即実行する権限を与えていただきたいのですが』
「そ、そんなに早く解決できるのか。それなら即やってくれ。なにしろ大臣やら議員やらから、何とかしてくれとせかされているんだ。た、頼む」
『警察やジエータイなどを動かす権限、この問題解決に関してあらゆる手段を取ってもよいとの許可を』
「わ、わかった、今総理に許可を…もしもし、プガクがこんなことを…、は、はい、財政破綻して隣国だの国際関係機関カッコクレンだのに介入されて、我々が放り出されるのはごめんだ、はい、その通りです。ま、プガクでしたら最適な解をだしてくれるでしょうから…。よし、総理の許可も下りたぞ」
『では、さっそく…』
「は、早いな」
「ああ、しかし一体何を…で、電話だ。は、はい、アトウダ議員の地元の方?これはアトウダ議員のスマホのはず…え?ア、アトウダ議員他、ほとんどの人が、そ、即死。の、残ったのは女性と子供数人、アトウダ議員の親族は全員死亡したようで、す、すぐに助けを!」
『いえ、助けは必要ありません。これが解決策です。生き残った女性と子供を収容し再教育の準備を』
「な、なんだと!ア、アトウダ議員は長年国会議員を務めた一族で、引退したダロウさんは総理や副総理も務めた!」
『アトウダ氏とその一族のモノは少子高齢化解決策の一つとして完全排除しました。彼らの一族、特に元総理、副総理だったアトウダ・ダロウ氏は一連の言動からニホン国を衰退させ、少子高齢化を促進した元凶の一つと判断しました』
「ま、まさか、解決策とは」
『女性、子供、そして彼らのおかれた酷い現状の改善を唱える人々を冷遇し、自己利得優先のモノを排除することがもっとも迅速で効率的であると。そのモノたちは高齢オスが多数を占めますので、これらを排除することにより、結果的に高齢者が減り、少子高齢化が抑えられます』
「ひいい、こ、高齢者排除なら、役立たずのおばさんとか非正規のオッサンでも」
『少子高齢化を抑えるためには育児経験豊富な人材が不可欠です。ニホン国では特に女性が多数の割合も占めます。また非経産婦の女性も一部男性も育児や教育の知識が豊富、育児中の女性を大いに助ける可能性があります。逆に役立たずなのは、いわゆる世襲議員やら財界人、マスコミの…』
「そ、そんな我が国の重鎮ばかり…」
『それらのモノたちの言動を分析すると、セクシャルハラスメント、パワーハラスメントあらゆるハラスメントを行い、正しそうとする人々をあの手、この手で貶め攻撃することが多数です。出産、育児には不要どころか害悪な存在と判断しました』
「確かに、アトウダさんの発言は酷すぎた…、し、しかし田舎の町長などまで攻撃したようだな、今情報が入ったぞ、そんな片田舎の首長まで、しかも支援者も。集まった会館ごと、や、焼き払うなんて。生きたまま人を焼くなんてなんて酷い!」
『その地域は子供に対して身体を触る、風呂を除く、あげく性行為紛いを強要するのが慣習となっているとのことで、それに賛同するものを排除しました。被害に遭った子供は成人しても深いトラウマを負い、なかには酷い男性恐怖症となったり、生理的に妊娠が困難となったりで生き地獄そのもの。ニンゲンの物語などではそのような非道な行いを、特に弱者に対して行ったモノたちは身を割かれ、拷問され生きたまま焼かれるのが正義となっておりますので、そのようにいたしました。また、訴えの有無にかかわらずセクシャルハラスメント、パワーハラスメント、モラルハラスメントなどの兆候があるモノは一斉排除です。そのようなモノのDNAは本来残らないはずです、ですので焼いて完全消滅、とくにY遺伝子を排除、異常なオスが多いので』
「い、異常って、そんな」
『子孫を犠牲にしても自分の私腹を肥やしたいなどと生物の常識に外れます。自我が強すぎて異常です。メスに相手にされないからメスを攻撃する、挙句殺す、自分の子供に目を配るよりスマホや趣味優先する、などの言動すべて生物として異様です。これが少子高齢化の主原因と判断して、即解決のため完全排除を行っています』
「か、完全排除…、ま、まさか」
『はい、アナタ方も排除させていただきます』
プガクの音声が途絶える前に、ハロンガスが噴出された。二人の男性は自分たちのやったことを後悔する前に息絶えた。
どこぞの国では有性生殖生物の逆張りを行きまくっているようですが、少子高齢化すすみますよね、これでは。まあ首都の首長候補者の多くが?な人になるはずですねえ