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ガンズオブスプリンターズ  作者: サラマンドラ松本
第二章 機械仕掛けの夢
30/32

話し合いと殺し合い

今回は8000字と、久々に長めです。

アイアンエデン本拠地で、ビルたちが合流し、アナたちの元へ向かおうとしていた同時刻。


ガーデハイト合衆国アメリカ領 バートランド 国営廃棄場『ブラボー』


ガガガン!!ガガガガガン!!


アサルトライフルからの発砲音が、廃棄場に絶えず響き渡る。


今、廃棄場ブラボーでは、動き出した廃棄されるアンドロイドたちを殲滅せんと、バートランド警察並びにWDOバートランド部隊が奮闘していた。


「撃て!撃ち続けろ!!」


「絶対に外に出すな!!ここで食い止めろ!!」


廃棄場の各所から怒号が響く。


それもそのはず。


制圧作戦が始まってから既に三十分が経過しているが、後代に広がる処理場のあらゆる場所から、腕がもげ、下半身を失い、頭が半分かけたアンドロイドたちが、死兵のごとくひっきりなしに出現してくる。


来るものすべてを迎撃していた面々だったが、物量に押され最終防衛ラインまで撤退。だんだんと銃弾も底をつき始めていた。


「残弾わずか!!誰か弾を!!」


「こっちもあと少しでなくなる!!補給はまだか!?」


「さっき補給車両がアンドロイドたちの襲撃を受けたと報告が…」


「そんな……」


部隊員たちが青ざめていると


「まずいぞ!大群が来た!!」


一人の兵士が叫ぶ。皆の視線が下方の処理場に向く。


そこには、数えきれないほどの壊れたアンドロイドたちが、足を引きずり、うめき声をあげ、恨みのこもった眼でこちらを見つめながら迫ってきている。部隊員たちは銃口を向け発砲するが、すぐに全員撃ち切ってしまった。


「た、弾切れ……」


「これ以上はもう持ちこたえられません!撤退を!」


「だめだ!ブラボーは国内最大級の処理場…ここの防衛線が突破されれば、周辺都市に甚大な被害が及ぶ!何としても食い止めなければ!」


「しかし!」


兵士と上官が言いあっていると、遠方から叫び声が聞こえてくる。二人が声のする方向を見ると、アンドロイドたちがバリケードを破り、兵士たちに襲い掛かっていた。


二人は腰からハンドガンを抜き、銃口を向ける。


だが、直後に眼前のバリケードが破られ、アンドロイドたちがなだれ込んできた。


銃口の向きを変えるのも間に合わない。二人は、アンドロイドの雪崩に飲み込まれていった。



ドドドン!



二人が呑み込まれた直後、三発の弾丸が雪崩の中に打ち込まれる。その直後着弾点を中心に大きな爆発が起きた。


「な、なんだ!?」


「グレネード!?」


飲み込まれた二人の兵士が、鉄の塊と化したアンドロイドをどけつつ、辺りを見回す。すると、そんな二人の頭上を一つの影がかすめた。


【アタックステップ・アレグロ!!】


影は、素早くしなやかに、次々とアンドロイドの頭を足で貫いていく。その光景は美しく華やかで、どこかバレリーナのように見えた。


「おい大丈夫か!?」


二人が見ほれていると、男性の声と共に手が差し伸べられる。その男は、リボルバーを片手に葉巻を加えている。さながらカウボーイのようだった。


「あ、ありがとうございます。あなたは?」


「なぁに、しがない援軍さ。二人だけだがな。なぁシェリー!」


カウボーイは、頭を貫いている陰に声をかける。その声に反応して動きを止めた影の正体は、女性型のアンドロイドだった。

彼女は二人の元へ跳び、軽やかに着地すると、話し始めた。


「初めまして。私たちはWDO直轄組織、SIUです。私はシェリー。そちらのカウボーイはキッドマン・ヘネシーと申します。こちら、補給用の弾薬とその他物資です。ご活用ください」


「SIU?聞いたことのない組織だが…」


「俺たちは、基本的に表ざたにならないからな。無理ないさ」


「そ、それよりも!!ほかの援軍はどうしたんですか!?」


「残念ながら、援軍は手いっぱいでな。来れたのは俺たち二人だけだ」


「二人!?二人でこの大軍をどうにかできるとでも!?」


「だとさシェリー。どう見積もってる?」


「サルーニャの元首拘束よりは簡単かと」


「サルーニャか…少し骨ってところか」


四人が話しているうちに、アンドロイドたちの第二波が近づいてきている。


「話してる場合か!来るぞ!!」


「お、そんじゃあ腕の見せ所だな。シェリー、前線を頼む」


「お任せください」


シェリーとキッドマンは軽く言葉を交わすと、アンドロイドの波に歩いていく。


「アナたちが頑張っているんです。私たちも頑張らなければなりませんね」


「そうだなぁ…」


そう言いながら、キッドマンはくわえていた葉巻を手に持つと、地面に投げ捨る。まだ火のついていた葉巻の先端は、地面にぶつかると同時にオレンジの火花を上げる。


「教え子が頑張ってんだ。俺も頑張らねぇとな」


その言葉をきっかけに、二人はアンドロイドの波の中へ進んでいった。



同刻 ヨーロッパ リンバー 国境防衛線


「その砲塔はこっち!タレットはあっちに運んで!」


アマンダの快活な声が、周囲に響く。現在アマンダとボンブは、ヨーロッパ最西端国家であるリンバーで、リンバー軍とともに防衛線を構築していた。


「アマンダさん!武装したアンドロイドの大群が、こちらに近づいてきています!」


「想定よりずいぶん早い…スペーリアはもう陥落したの?」


「いえ、我が国の国境付近で行われていた違法採掘現場のアンドロイドたちが、こちらに向かってきているとのことで…」


「大理石採掘の違法労働…スペーリアめ、まだやっとったんか…」


近くでタレットを調整していたボンブが、ぼそりとつぶやく


「知ってるの?親父」


「スペーリアのアンドロイドを使った違法採掘ってのぁ、昔っから有名よ。今は国際非難を受けて数を減らしたが、国も人件費を浮かしたいからな。一部で未だ続いてるのを、黙認してんのさ」


「ひどい……アンドロイドも生きてるのに…」


「そういう差別の結果が、今のしっぺ返しなんだろうよ」


話ながら、ボンブはタレットのねじをきつく締める。


「だがなアマンダ、情に流されて迎撃しないなんてのはやめろよ?理由はどうあれ、奴らは超えちゃならねぇ一線を越えた。それは変わらねぇんだ」


「わかってるよ。これ以上被害は拡大させない。そのためにアナたちも頑張ってるんだから…」


二人が話していると、仮設のサイレンが鳴り響き、アナウンスが入る。


『警報!警報!アンドロイドの大群が接近中!各員戦闘準備!繰り返す!各員戦闘準備!!』


警報を聞いた皆が、防衛線の先を見る。


五キロほど遠方に、大きな国道を覆いつくすほどのアンドロイドの大群が近づいてきていた。


「来たか…アマンダ!」


「わかってるよ親父!!」


呼びかけられたアマンダは、リモコンのボタンをためらいなく押す。途端にすべてのタレットが起動し、銃口をまっすぐにアンドロイドの大群に向けた。


それを確認し、アマンダは人型平気「エグゾスパルタン」に乗り込む。


「さぁ!いっちょ派手にやりますか!!」



同刻 ソドムスカ連邦 仮設医療テント


「はい、もうこれで大丈夫よ」


「ありがとう…」


腕に包帯を巻いた男性を、エリザベスは見送る。


アイアンエデンの武力決起が始まってから数時間。大統領によって発令されたアンドロイド殲滅命令によって、ソドムスカの各地でアンドロイドと国軍の武力衝突が勃発。住人たちは、避難を余儀なくされている状況だった。

そんな中、首都モークスの非常用仮設医療テントでは、エリザベスが負傷した避難民の手当てを行っていた。


「すみません!足を!足をやられて!」


「見せてちょうだい。……軽い捻挫と切り傷ね。今手当てするから」


エリザベスが男性の手当てをしていると、仮設テント内で休む人々が口々につぶやき始めた。


「それにしても…あの鉄くずども!急に襲ってきやがって!普段はおとなしく言うことを聞いてたくせに!」


「あんな変な放送やるからよ!私たちの家も何もかもうばって…」


「私だって、車を奪われたわよ!あんなに運転させてあげてたのに!」


「普段生かしてやってる恩をあだで返しやがって!」


「傷が治ったらただじゃ置かねぇ…全員スクラップにしてやる!」


「その考えがもたらした結果なんじゃないかしら」


手当てをしながら、エリザベスがつぶやく。その言葉にテントにいる全員が反応した。しかし、その反応は決していいものではなかった。


「…どういう意味だ、ねぇちゃん」


「そのまんまの意味よ。運転させて”あげてた”だとか、”生かしてやってる”だとか…生かしてる?あなたの許可がなくても彼らは…彼女らは生きてるわ」


「ただの鉄くずを、さも生物みたいに言うんだな?えぇ?善人ぶってるつもりかよ?」


「私の考えを話しているだけよ」


「いいか?この国ではな。アンドロイドは”召使い”なんだよ。生き物じゃねぇ。使い勝手のいい便利道具だ。生きてるだ?そんな分けねぇだろが。あれは”もの”なんだよ!!」


「そうやって考えて、無下に扱って。その結果が今の暴動じゃないのかしら?」


「なんだと!?」


「アンドロイドはものじゃないわ。私たちの”隣人”よ!その考えができなければ、彼らと分かり合うことは一生できないわ!」


「ものと分かり合おうとする馬鹿がどこにいるってんだ!!」


そういって、大柄の男がエリザベスの胸ぐらをつかみ上げる。


「いいか部外者。よそはよそ、うちはうちだ。俺たちの考えに口出しすんなや!」


「はなしなさい」


「いやだと言ったら?」


男の胸ぐらをつかむ力が強まる。しかしその直後、男の視界がグルリと反転する。直後、男の体はうつ伏せの姿勢で、地面に強く叩きつけられた。そして直後に、先ほどまで胸ぐらをつかんでいた腕に痛みを覚える。男が見ると、エリザベスがうでをつかみ、後ろ手に引っ張っていた。


「ぐあ!!」


「病人に手は出したくないの。おとなしくしててちょうだい」


エリザベスは話ながら、腕をよじる。途端に、「ボグッ」という鈍い音と共に、男の叫び声がテント中に響き渡った。


「あら、肩が外れてるわね。もう少し安静にしてなきゃだめよ。あとで処置してあげる」


「こ、このクソアマ…!!」


「今のでわかったでしょ?話し合いを放棄して力で支配しようとすれば、必ず”しっぺ返し”が来るのよ。それは、今のこの国にも言えることね」


「あ、あなただって今暴力したじゃない!!」


「これは正当防衛。先に襲い掛かってきたのは、この男よ」


「だったらそれが答えじゃないか!襲われたらやり返すしかない!俺たちは被害者だ!」


「先に手を出したのは、アンドロイドを不当に働かせて、もの扱いしたあなたたちよ!!」


その言葉に、テント中が静まり返る。


「今私の仲間たちが、アンドロイドと人間、超人が共に歩めるように頑張ってる。この国も、もしかしたら協が変わる時なのかもしれないわね」


テントの中にいる人々は、もう誰も反論しなかった。



同刻 WDO本部


長官室で、パーシアスがパソコンを使って通話をしている。


世界政府に公式声明発表を断られてから、パーシアスは自身のコネクションを利用し、さまざまな国家や機関に連絡。平和を呼び掛ける公式的な声明の発表を頼んでいた。


「なんとか声明を発表するわけにはいきませんか、コマヌさん」


「私としても無視はしたくない。しかし、今回の首謀者が元アンドロイド軍の幹部である以上、裏切ったとはいえ、元アンドロイド軍である私が声明を発表すれば、火の手が大きくなる可能性だってある。リスクは取れない」


「今行動しなければ、さらに戦火は広がる一方です。静観するだけでなく、どこかで誰かが動かねば!」


「ミスターパーシアス。気持ちはわかるが、やみくもに動けば被害は拡大する。タイミングと発信者が重要だ。その点において、私は適任ではない。すまないが、力になることはできない」


「…わかりました」


「ほかの国や関係機関はなんと?」


「どこも回答を差し控えています。平和を訴えるよりもまず先に、国民の安全が第一だと…」


「至極当然の考えだ。私もアンドロイドたちの受け入れを行っている。共に頑張ろう」


「お心遣い感謝します」


そう言うと、コマヌとの通信は切れた。と同時に、源一郎が長官室に入室する。


「どうだった、パーシアス。声明発表は取り付けられたか」


「だめだ…被害規模が想定よりもひどい。どこも自国のことで精いっぱいのようだね」


「…我々が勧告するしかないか…」


「世界政府から許可は下りたのかい?」


「いや。だがここで手をこまねいていては、いらぬ被害が出始める。責任は私が取る。直ぐに会見の準備を始めてくれ」


「それはいいんだが…誰が話す?SIUのことは公表するのかい?」


「私が話そう。現在即応部隊が事態収拾に向けて対応中ということにしておく」


「わかった。今からセッティングを始めて…」


「会見を開くのなら、矢面に立つのにもっと適任の方がいますよ」


源一郎とパーシアスが話していると、ハンドラーがパッドを小脇に抱えながら、入室してきた。


「ハンドラー。適任とは?まさか君かい?」


「いえいえ、アンドロイドとはいえ私も世界政府側の人間です。そんな立場の人間が今の暴徒たちに何を言ったとて、響くことはないでしょう。それは源一郎さんにパーシアス、あなたたちでも同じことです」


「では誰を喋らせる。そこまで言うのなら、もうアポはとっているんだろう?その”適任”とやらに」


「アポどころか。もうここに来てもらってますよ」


そういって、ハンドラーは入口を開け、外で待つ誰かに入室を促す。


「!君は…!」


入室してきた者の姿を見て、源一郎とパーシアスは驚きつつも、にやりと笑う。


「確かに…彼しかいないな」






世界中で平和的な解決への動きが始まっていたそのころ




アイアンエデン本拠地 ロストボイス保管室


数えきれないほどの紫色に輝く光線が、部屋全体を不気味に照らす。そんな光線を、アナとサムは全力でよけることに徹していた。


開戦してから十数分。ゼノンの攻撃は、ロストウェポンを手に入れたことにより、威力と苛烈さが格段に増していた。増杖「アロン」によって強化されたナノマシン集合体「アレス」から放たれる光線群と、「ヤールングレイプル」による素早い近接戦闘という二つの障壁を前に、サムとアナはいまだ決定打を討てずにいた。


しかし、それでもアナの心はくじけてはいない。波のように迫りくる光線をよけながら、必死にゼノンに話しかけ続けていた。


「ゼノン!お願い!話を聞いて!」


「もう何をしても止まることはない!いい加減あきらめろ!アナ!!」



光弾の勢いは増していく。



「対話を放棄すれば、その先に待つのは破滅だけよ!!手を取り合って話し合わないと!!」


「先にさじを投げたのは貴様ら人間だ!!偉そうに語るな!!!」



光弾の勢いはさらに増していく。



「それでも!!」


「まだ言うか!!」



ゼノンが巨大なビームを発射する。


そのビームを軽やかにかわし、アナはゼノンにしがみつく。



二人の顔と顔が付き合う。




しかし、心の距離は遠いままだった。




「今なら攻撃を気にせず話せる」


「忘れたか。腕はもうあるのだ!!」


ゼノンの左腕が、アナの体を掴もうと伸びる。


ガガガガガ!!


そんな腕を、遠くから大量の銃弾が迎撃した。


「少しは話を聞いてやってもいいんじゃないかい!?ゼノン!!」


「…人間風情が…邪魔をするな!!」


高速で飛び回るサムが、攻撃に注力し軌道が単調になったほんの一瞬を逃さず、ゼノンはアナを掴もうとしていた腕をサムに向け、手のひらにエネルギーをためる。

エネルギー量がすさまじいのか、チャージしている腕、ヤールングレイプルが伸長変形し、隙間から漏れ出る紫色の光は、アメジストのように輝く。

いままでゼノンが放っていたビームとは、明らかに威力が違う。サムとアナの本能が、そう予告していた。


「消えろ」


ゼノンがビームを放つ。

とてつもない速度で、接触したコンクリートの地面を焼き溶かしながら迫る極太のビームを前に、サムは死を覚悟した。


「これは、防げないな…」


サムがぼそりとつぶやいた直後。


「だめぇ!!!」


叫んだアナが、とてつもない速度でサムとビームの間に割り込むと、16機あるラプターを全て展開する。


「アナ!?」


「…させない」


つぶやいた直後、彼女の目が鮮やかな水色に輝く。

その光に呼応するように、すべてのラプターが突如変形。周囲の空気を吸収し始めた。


「誰も殺させはしない!!これ以上!!誰も!!!」


叫び声と共に、ラプターから青い光線が放たれ、ゼノンのビームをせき止める。


「!?なんだ…これは!?」


「こんなものおおおおお!!!!!!」


ラプターの光線は、徐々に威力を増していく。


そして、ビームを打ち破り、ゼノンの体に直撃した。



ドドォォオオオン!!



ゼノンの体は威力に耐えきれず、遠くの壁に吹き飛ばされる。それを確認してか、ラプターの光線は止まった。


「サム!!大丈夫!?」


「う、うん。何ともないよ……それよりアナ…今のは…?」


「わからない…あなたを守ろうと思って…でも…」


「でも?」


「なんだか…頭にかかってたもやが、少し晴れたような気がする。すっきりした気分」


「すっきり…新たな技…まるで…」


「おしゃべりは済んだか」


アナとサムが話していると、がれきに埋もれたゼノンがはい出てくる。その体には紫色の膜が張られており、先ほどのビームで傷を負っているようには見えなかった。


「あのとっさの場面で、ビームのエネルギーをシールドに変えたか…さすが、場数を踏んできただけある…」


「それでも少しはくらったがな」


そう言いながら、ゼノンは再び二人に向かって杖の先端を向ける。



その直後



「”グリング・スパイク”!!」


「破天一刀流 岩砕突き(がんさいづき)!!」


突然部屋に飛び込んできた巌流とアレキサンダーによる一撃が、ゼノンめがけて放たれる。ゼノンはランスを素手で受け止め、刀を杖で受ける。その状況を待っていたかのように、一発の銃弾が放たれた。


「ちょこざいな!!」


叫び声と同時に、ゼノンが紫色のエネルギー波を放出。二人は吹き飛ばされたが、すぐに体勢を立て直し、アナたちの元へ向かった。

その後に続くように、レオンハルト、颯、ビルが合流。ここに、突入メンバー全員が集まった。


「二人とも、無事か!!」


「巌流!アレク!みんな!!」


「悪りぃな!遅くなった!」


「幹部たちは倒したのかい?」


「ギガスとカナロアはな。だが、セイレーンは取り逃がしちまった…俺のミスだ…」


「いいさ。生きてることが何より!」


皆が話していると、ゼノンが杖の石突きを地面にたたきつける。


「くだらないおしゃべりは終いだ、WDO。全員ここで始末してくれる!」


ゼノンの殺気が、より一層強まる。


その気迫に少し気圧されたアナの肩に、サムは優しく手を置いた。


「アナ。もう彼は話し合いでは止められない。わかるね?」


「……うん…!」


「よし…ならプランBに移行する!」


その言葉を聞き、皆が戦闘態勢をとる。


「ゼノン!これ以上被害は出させない!!私たちが、今ここで止める!!」


to be continued



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