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捏造の王国

捏造の王国 その89 そういうアナタは作ったの、総理に大臣?本音はマイマイナンバーカード作成したけど、即返納

作者: 天城冴

国のトップであるにもかかわらず、大災害に見舞われる国をほっといて、外遊にいそしむキジダダ総理だが、大失策のマイマイナンバーカードのことで、頭のいたい電話が…

梅雨明けかと思われる猛暑日が続く一方、西や南のほうでは大豪雨に見舞われるニホン国。亡くなった元総理の一周忌も何とか終わるも地元では氾濫、土砂災害の連続に後継者争いで揉めに揉めているという、こういうのって〇罰とか因果応△などどいわれそうな様相。与党ジコウ党も、人権関連の法案は骨抜き、何から国民を守るかわからない防衛費は天井知らず、直に命に係わる社会保障だのはおなざりという暴挙を続けるも、相変わらず各方面においてポンコツぶりを発揮している。

 なかでも、マイマイナンバーカードは

「くう、ゴウノ大臣め、口を開けばロクデモナイ言い訳に、SNSでは自己陶酔も甚だしい自画自賛文章、まともな批判はブロック、耳貸さず、もうダメダメオッサンの典型を地でいくようになった。アイツの評判が悪くなれば、私への評価が相対的に上がると思ったのだが」

と頭を抱えるのは現キジダダ総理。もっとも現在外遊中であるので、豪雨災害に見舞われた被災地はほったらかしかよというSNSのまっとうな批判も、“ホントーにジコウ党って国民の生命、財産なんてどーでもいいんですねえ。売国奴どころか亡国推進の鬼より酷い存在なんですねえ”という地獄からの忠告も聞かなくてすんでいるのだが。

「やつのせいで支持率がいまいちだ。おかげで解散で揺さぶるのは難しいし。まあメイジの党が躍進とか言いつつ、アイツらも地元オーサカの博覧会でかなり大ゴケしそうだが」

ジコウ党の対抗馬とか言われつつ、大言壮語、言いっぱなし、いいことは言うが実行不可能、それでも成功したフリだけはうまいという野党モドキのメイジの党。前ガース総理やら元アベノ総理と裏では仲良しこよしという評判で、カジノ誘致や博覧会誘致を何とかこじつけたが

「博覧会のパビリオンの建設申請が一つもない、バンコクどころかニホン国博覧会になりそうだ。他国から来たくないよ、あんなもんといわれてるからなあ。なにしろ、入場料が高すぎ、見積もり大甘。利権好きはわかるが、わがジコウ党でも、あそこまで自分らの懐に入るカネを多く計算はしないぞ。…いや、あれがあったか、マイマイナンバーカード」

とメイジの党の限りなく事実に近い悪口をいって気持ちよくなりつつあったキジダダ総理の心はあのカードのことを思い出して再び落ち込んだ。

「他人の医療、他人の口座、他人の写真っていったい、どれほどのボロがでるのだ。ついに一部の医師からも保険証と置き換えは無理との抗議が。紙の資格証発行も、“それって今の保険証と何が違うの?資格証利権?”とか言われるし。そのうえ、ゴウノがまた余計なことをいうから、新しいマイマイナンバーカード3年後にできて、今の機械じゃ使えないなんて。もう無駄無駄つかえないことを知らしめるようなものではないか」

と連日のゴウノ大臣の失言、暴言、言いっぱなし発言を思い出すと胃が痛くなりそうなキジダダ総理。食欲がなくなりがちなのは、猛暑日のせいばかりではないようだ。

「ああ、なんだかだるいな。今日の会食は行けるか、楽しみにしていたが調子が…」

と、今夜の夕食どうしようかという、ごくごく普通の楽しみに思いをはせようとしたとき

ブルルウウ

と、スマートフォンが震えている。

「なんだ、お前か。…え、早く帰国してマイマイナンバーカードの受け取りに来てください?本人じゃないとダメって、そ、そんなカード、私は申し込んだ覚えは…、」

ニホン国に残っている、配偶者からの突然の電話にうろたえるキジダダ総理。どうやら、勝手にマイマイナンバーカードの申し込みをされたらしい。

「なんで、そんなことしたんだ…なに?後援会会長が“総理はもっているのか、カード保有のアンケートに回答拒否って、やっぱり庶民だけにもたせて、情報抜くつもりだろう、だから今のジコウ党は利権まみれの世襲馬鹿だけの売国政党に成り下がったんだ”とか、“フジンツウだのダソナだのの大企業に仕事を回す利権で、中身はダメなシステムだから作らないんだろう、あのトン一協会の連中が改憲集会を手伝ってたらしいし、やっぱり売国政党だ”とか言われて…だからってなんで作るんだ」

どうやら、キジダダ総理の妻は、至極当然の疑問をぶつけられて返答に困ったキジダダ総理の後援会会長に、カード作成を迫られたらしい。

「総理がカードを作ってないなら、支持も考えます、って実質支持しないみたいなことを言われてたんで、慌てて申し込みって、そんな本人でないのに作れるのか!」

と、何度も指摘された不備を改善もせず、いざ自分の身に降りかかった途端、慌てまくりのキジダダ総理。トン一協会のトップの女性の言うとおりというか、いうなりというか実質ニホン国の政治どころか国そのものを滅ぼしかねないダメっぷりである。

「それで、受け取りにこい、って。お前がいけば、…それはダメ?私が受け取って、カードとともににっこり笑う姿を写真に撮ってSNSに上げるんだって、誰が?後援会会長に、地元の有力企業の社長連に、議員夫人の会に、地元新聞社にって、そ、そんなに…もちろん、ナンバーは隠していいけどって当たり前だ!」

総理がカードを保有したという確たる証拠を全世界的にあげようということらしい。そんなことまでしなければ、信用されないというのもかなり情けない話である。アルコール中毒者の断酒宣言とか、ギャンブル狂のかけ事絶ちの誓いのようだ。

「ど、どうしても受け取らなければ、いけないのか。…そ、そうだ、すぐ返納すれば、今、返納数が増えているというし、ゴウノ大臣が微々たる数だといいながら、実は万、十万、百万になるかもと…え?ゴウノも作ってすぐ返納しようとしたああ」

なんと、マイマイナンバーカードの旗を振りまくり、ゴリ押しまくり、一番につくらなきゃおかしいだろうといわれるデジタル庁のゴウノ大臣も作ったばかりと知って、のけぞるキジダダ総理。

「まあ、あれだけ無理くりにマイマイナンバーカード作成を国民に押し付け、不備が出ようと馬耳東風、無茶な調整スケジュールを自治体に押し付け、高額な読み取り機を医療機関やら警察にも設置させようとしているのだから、本人が作っていなければ、大批判だが…。そういえば、アイツもカード保有アンケートに回答拒否だった…。や、やはり身内が申し込み、あそこは父親かああ。まあ、息子があれほどの失態を犯せば、なんとか汚名返上をしなければと思うか」

と、自分の息子もアホな言動で重要職を下ろさざるを得なくなったキジダダ総理は共感を禁じえなかった。国民にとってはバカ息子を要職に就けて税金の大無駄遣いの上、実質増税という大被害をうけている迷惑極まりない親ばかたちであるが。

「それで、カードをもたざるをえなくなったが、やっぱり持ちたくないのか。自分でやってるくせに、本当に自分勝手で我がままで、どうしようもないな、アイツは…で、返納しようとして、地元の市役所で見つかったのか…。まあ、アイツの地元はマイマイナンバーカードの利用をしないと言い出した最初の自治体だから、返納は多かったが、やはり推進大臣の顔と名前はすぐわかるよなあ。で、“なぜ、カードを取れと半分強制するような言動を繰り返し、不備を直そうともせず、強引にマイマイナンバーカードを推進する大臣の貴方がカードを返納するんですか”とか“ポンコツシステムを国民に押し付け、利権をむさぼろうとするのか、この世襲馬鹿いや寄生虫”とか言われたのか…まあ、そのとおりかも」

と、自らの言動は棚に上げ、威張りちらしているゴウノ大臣が市民、職員に詰め寄られ、口をへの字にして、黙りこくるさまを想像してニヤニヤしてしまうキジダダ総理。

「忖度マスコミどもとちがって、市民の追及は容赦ないときは容赦がないからなあ。まあ、自分らが大迷惑してるから当然…、ということは、私が返納するときも同じような目に…や、やはり受け取らないで…。後援会、支持者がカードを持たないと支持しない、それかカード廃止を閣議決定してくれって。そんな重要なこと、国会で審議しないと…なんでも、閣議決定でいつもゴリ押し、してるんだから、それぐらいできるだろって、そんな無茶な」

いつも、国会軽視、マトモな議論軽視で、トンデモ法案を通してきたツケが、徐々にまわってきたようである。エアコンが効いているはずのホテルの部屋で、冷や汗を大いにかきながらマイマイナンバーカードをどうやったら受け取らないで済むか、受け取ってもこっそり返納できるか、一人悩むキジダダ総理であった。


どこぞの国では利権をむさぼるはずの企業ですら、逃げ出しそうなカードシステムを強引に推し進めているようですが、当の推進者の政治家たちがカードを作ってないらしいっていうのは、どうなんでしょうねえ。”私も作りました、素晴らしいカードシステムです”というパフォーマンスもできないとは、もう税金の無駄遣い金返せなポンコツシステムであるのを認めているような気がしますけど

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