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邪神ですか?いいえ、神です!  作者: 弥生菊美


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18−1.里長

 


 ジャスミンのような良い香りが立ち込める部屋、一枚の木でできているのだろうか?

継ぎ目のない丸い大きな白い円卓に5人のエルフが座って、こちらを見据えている。

 見た目年齢的には50〜80代くらいに見えるエルフだが、エルフともなれば、その10倍くらいあるかもしれない…。


 いや、今はそんな事はどうでも良い。


 その円卓の一席に私、タキナは座っておりまして…これは…挨拶というよりも面接試験を受ける時の様な


ソンナ…キモチ…


 夜になってからやっと里が落ち着いたので、里長が挨拶したいとライハが呼びに来たのだが、グレンはベッドの寝心地が良すぎるのか熟睡して起きる気配がないため部屋に残してきた。

 私の心の拠り所であるリリーちゃんは、エルフ達に部屋の外で待機する様にと言われてしまい…不満爆発寸前のリリーちゃんをなんとか宥めて、私1人エルフの長へのご挨拶のためにここに居るのだが、やっぱりリリーちゃんにいて貰えばよかった。


 後悔先に立たず…


 手汗が酷い己の掌をローブで拭い取り、ひきつる笑顔をなんとか自然体にしようと、バレないように深呼吸する。


 何か話して!!私から話すのが礼儀なのか!?


 種族ごとの礼儀作法を、しっかりとリリーちゃんに聞いておくべきだった。


 後悔先に立たず(2度目)


 そんな事を思ってるとノックの音共に部屋の扉が開き、茶器の様な物を盆に乗せたエルフの女性数人が入室して来た。

 円卓に座る者の前に茶器が一セットずつ置かれ、お茶請けなのかクッキーの様な物も一緒に置かれる。


 その一連の動作をぼけっと眺めていると、エルフの女性達は部屋から出て行った。


「さて、大変お待たせしてしまいましたが、お茶も揃ったところでご挨拶をさせて頂きましょう」


 先ほどの重い沈黙はなんだったのか!?と言うくらい明るい声で、1番年長者そうであるエルフの老女が口を開く


おいマジか…ただのお茶待ちであの緊張感…


「タキナ様、ご挨拶が大変遅れて申し訳ございません。

 私はこのエルフの里の長であり、他の里の取りまとめ役をしておりますソリアスと申します。

 ここに座る4人のエルフは近隣のエルフの里で長をしております。

 この者達も追々ご挨拶をさせて頂くとして、まずは我らの同胞をお救いしてくださった事を心より御礼申し上げます。」


 そう話すと5人はテーブルにオデコが付くのでは!?と言うほど頭を下げる


「んなっ!!?おやめ下さい!!

 私のような者に、あなた方が頭を下げるなど!」


 またコレかっ!!

 神なら当たり前な事なのかもしれないが、まだまだ自分に神の自覚が足りなすぎるが故、人に頭を下げられる事にどうにも慣れない。

 まして、年上なら尚のこと


「いえ、本来であれば膝をついて感謝を述べるのが礼儀なのですが、年老いて膝が言う事を聞かず面目ございません。

 コレでお許しいただければと」


「許すも何も、必要ありません。

 ラトリア達からも感謝を頂いておりますし、十分ですから頭を上げてください!」


 この世界はこんな小娘に遜ることに抵抗が無いのか?

 赤の他人は助けないと言う割には、オウカにしろこのエルフの長達にしろ割と簡単に頭を下げる。

 それは、私が強い力を持つ者だからなのだろうか…弱い者は強い者に遜るのが当然だと…言い方は悪いが負け犬根性

 力ある者が良い人間なら良いが、これでは力のある悪どい者が図に乗るばかりではないか?


 やっと、頭を上げたエルフの長達、まさか私の方が楽にして下さいと言う側だとは思わなんだ…

 話を進めましょうと、ロメーヌやライハ達から話は聞いているだろうが、取り敢えず私がこの世界に来た経緯、そして現状、これから起こり得ること、ドラゴンの協力も得られるとの話をした。


「なんと…あのエンテイをも掌握していらっしゃるとは…聞いていた以上力の持ち主、神と言う存在は我らの身では到底計り知れませぬ…」


 皆、驚いた様子ではあるが食いつくところは、世界云々よりもドラゴンなのね…

 掌握というのは些か語弊がある様に思う…


「意外とすんなり、世界が滅びに向かっていると言う言葉を信じて下さるのですね」


 すると、急にエルフ達が黙り込みソリアスが暗い顔をする。


「私は時折、予知夢を見ることがあるのです。

 時期は絞れませぬが大抵は1年以内の里に関わる大きな事、大嵐で里が半壊する夢、鉄砲水で水車小屋と作業していた物達が流される夢などです。

 1 0日ほど前に見た夢に…魔獣とその中に白い体毛の赤い目をした禍々しい魔獣の群れが…この里を襲い里の者を次々とっ…」


 そこで言葉を切り、俯き己の身体をさする様にするソリアス、身体が震えている。

 よほどの光景だったのだろう…白い魔獣は分裂した個体、一年以内に起こり得ると言うことか


 隣の女性のエルフがソリアスの背中を撫でてやっている

背中を撫でているエルフがソリアスの代わりに口を開く


 「ソリアスの予知夢は必ず当たるのです。

 ソリアスからこの話を聞いた時は、信じられなかった…いえ…信じたくなかったのです。

 ですから、この話を里長以外には話していなかった

 しかし、先日タキナ様に助けていただいた者達から話を聞き、夢の話を受け止めなければと思っていたのです。」


 なるほど、オウカの時のように凶兆が出ていたからと言うわけか、今度は男性のエルフが口を開く


「ソリアスの夢は当たると言っても、ある程度回避することは可能なのです。

 水車小屋の犠牲者も、水車小屋近くでの作業の際は木の上からの見張りを立てることにより、鉄砲水での犠牲者を出すことはありませんでした」


 回避できる余地がある…そう…その為に私は来たのだ。

 長い時を生きてきたソリアスが震え上がるほどの光景、それを現実にしてはならない。


絶対に…。




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