表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
邪神ですか?いいえ、神です!  作者: 弥生菊美


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

36/181

16−1.再会



 エルフの私は永遠とも言える時を生きる


いつからだろう


あの頃は良かったのにと思う様になったのは


いつからだろう


過去ばかりを振り返る様になったのは


いつからだろう


こんなにも世界が生きにくくなったのは


私1人が世界を憂いても何も変わらない


そんな事は分かっていても、思わずにはいられない


長い長い己の寿命が憎く思える


何の為に私はここに居るのだろうかと…その問いに応えてくれるものなど居はしない


永遠と己の中で自問自答し続けるのだろうか?


気の遠くなるような時の中で、いつか何かが変わるのではないかと、有りもしない希望を抱いて


そして今日も、永遠の中の1日が始まる。





 お尻の痛くなる様な長いフライトを終えて、やっと地面に降り立つ

グレンの背から降りて思い切り伸びをしてみえれば、肩と腰がパキパキと音を立てた。


 痛たたたた…


 神の体になれば色々と万能かと思っていたけれど、人間経由の私では他の神の様になんでも簡単にこなせるわけではない様だ。


 先日、リリーちゃんに髪の色を変えたいと相談したら、体を変えるのは神の中でもなかなかの高等技術らしく、下手したら元に戻せなくなると聞いて、怖くて試せずにいる。


 永遠に金髪のままとか勘弁です。

似合うようなキラキラ美女ならまだしも、ないわー、ナイナイ…心の中で手を振る。


 背後を振り返ると人の姿になったグレンが、皮カバンを肩に掛け直している。

ドラゴンの姿の時は首からかけて、人の姿になると紐を詰めてショルダーバックにする様だ。


 カバンの中身を聞いたら、食料とオウカから渡されたお小遣いの金貨が入っているらしい。

この世界はおかしな事に、国はそれぞれ独立しているにも関わらず通貨は共通なのだという。


 昔はどの種族も仲が良かった…と言う証なのだろうか

準備ができましたと言うグレンの言葉に頷くと、リリーちゃんと共にエルフの里へと歩みを進める。


 ドラゴンの姿で里に近付いては、皆が怖がるだろうから里から離れた位置に降り立ったのだ。

エルフは目が良さそうだから気づいていなきゃ良いけれど、ロメーヌが居るとはいえピリついた里には、些か入りにくいと言うものだ。


 歩き始めて10分も経たないうちに、進行方向から何やら声が聞こえる。


 ん?と立ち止まると同時に、警戒したリリーちゃんとグレンが私の前に出る。

 こらこら!!リリーちゃんもグレンも、私の前に出ちゃ危ないでしょ!

気持ちは嬉しいけれど!!


 2人を後ろに下げようとしたところで、再び森の奥から声が響く


「....さまぁー」


 先程よりハッキリ聞こえたこの声は…もしや…


どうやらその声の主に前の2人も思い当たったようで、肩から力が抜けるのが見てとれた


「たーきーなーさーまぁーお待ちしておりましたぁー」


 大きな声で叫びながらも間延びした独特の話し方、木から木へと身軽に飛び移って来るエルフが1人


やはりお前かっ!!


 豊満な胸を揺らしながら私達の前に着地すると、ただでさえ際どい胸の布がズレるんじゃないかと、こちらが焦りそうになる。

 しかし着地する時の風圧でパンツは丸見えだった。


 この痴女がっ!!


 グレンとリリーちゃんの教育に悪い!!

 と思って2人を見れば、さして興味もなさそうな真顔のグレンと、ゴミでも見てるかの様な蔑み顔のリリーちゃんが目に入る。


あぁ…うん…予想してたかな


「ロメーヌ、迎えに来てくれてありがとうございます。

 数日ではありましたが元気そうで何よりです」


 色々言いたいことを飲み込み、引き攣り笑いでロメーヌに感謝の意を伝える。


「んふふー、とんでもありません、タキナ様達もお変わりないようでぇー

グレン君を連れてきていると言うことはぁー

やっぱりー、ドラゴンも押し倒して従えちゃった感じなんですねぇー」


ムフフーと口元に手を置いて、ニマニマするロメーヌ


オイ、その顔ヤメロ!


「語弊のある言い方はやめてください…

色々ありましたが友好関係は結べました」


 早速ロメーヌのマイペースな会話に引きづられながら、ため息をつく


「それでぇー、ドラゴン達は良い男揃いでしたかぁー?

顔はどうでしたかぁー?」


 ウキウキとしながら顔を近づけてくるロメーヌに、近い近い!と言いながらその顔を手で押し戻す。


 「後で話は聞かせてあげますから、先にエルフの里長に挨拶をさせて下さい」


 ロメーヌにそう伝えていると、ロメーヌが来た方から複数の気配が近いてくるが敵意は感じない。

おそらく、他のエルフ達だろうか?


 そんな事を思っているとロメーヌが来た時同様、次々と木から木へ身軽に飛び移り、こちらに向かってくるエルフ達の姿が目に入る。


「ロメーヌ!お前!毎回1人で飛び出していくな!」


 そう叫んだエルフの男は見覚えのある顔、先日助けたエルフの1人だった。


 それにしても、結構離れた位置に降りたのに、やはりエルフの目にはバッチリこちらの姿が見えていたようだ。

流石は森の民、地面に着地すると一礼するエルフ


「タキナ様、先日はありがとうございました。

 またお会いすることができ大変嬉しく思います!

それと…ロメーヌが申し訳ございません」


 確か、ライハと言ったか?

次々と地面位着地するエルフ達を横目に


「ライハ、元気そうで何よりです

また会えて私も嬉しいですよ、ライハもロメーヌには手を焼いている様ですね…」

「えぇ…その通りです…」


 食い気味で疲れた様に答えるライハに同情を禁じ得ない。


 ロメーヌ含めた男女10人のエルフは皆、元いた異世界のファンタジーでお馴染みの、長い耳に金髪に金色の瞳、中にはエメラルドグーンの瞳の者もいる。

 陽の光でその綺麗な金髪がキラキラと黄金の様に光り輝いており、着ている服は森に暮らす民らしく、新緑の色を思わせる鮮やかな緑色の膝丈ワンピースの様な服に、銀色のバックル付きの革ベルト、下には白いタイツの様なものを履いている。


 まさに、物語から出てきたような見た目と出立のエルフ、改めて見るとエルフって本当に綺麗だよねーと今更ながらに、目の前にあるロメーヌの顔もまじまじと眺めてしまう。


 其れを鬱陶しそうにしていると勘違いしたのか、ライハが思い切りロメーヌを引き剥がすと「いやぁーん♡」と、嫌がるどころか満面の笑みで声を上げたロメーヌに、ライハの口元が苛立つようにヒクリと動いた。


 どうやら、エルフの中ではロメーヌのお色気は通じないらしい。

まぁ、年中この調子なら通じなくなるのは当然かっ…


「オマエはっ!!戦士長がタキナ様に挨拶できないだろっ!」


 後ろエルフ達もやれやれと言った顔をしている

 ドラゴンの里から来たばかりなので、ドラゴン達との落差になにやらホッとさせられる思いだ。


 それにしても、戦士長と言ったか?

ライハが後ろのエルフ達を紹介するように、私の視界を遮っていたロメーヌと共に横にズレる。


「この者達は里を守るエルフの戦士で、その中でもまとめ役を担う者達です」


 よく見れば皆、男女ともに逞しい感じに見えなくもない。

背には弓矢や腰に剣を下げている者もいる

 まぁ、いくら見知ったドラゴンが近くにやってきたとは言え、丸腰でくるわけもない。


 そう思っていると、エルフにしてはガタイの良い男がこちらに歩み出てくる

 見た目的には40代前半くらいだろうか?

 敵意はない様に思うが、リリーちゃんが警戒体制をとる

 それを悟ったのか、ある程度前に進み出るとそれ以上の距離は詰めずに、その場で一礼をするエルフの戦士長

その、金色の髪がサラサラと流れる様に人ふさこぼれ落ちた。


「お初にお目にかかりますタキナ様、私はエルフの戦士長のラトリアと申します。

 まずは、我が同胞を救ってくださった事、感謝してもしきれません。

子供達や皆が無事に戻ってきた時は、夢でも見ているのではと思ったほどです。

縁もゆかりも無い我らの同胞を救ってくださったそのお心の深さ、感謝してもしきれません。

 本当に救ってくださって、ありがとうございました。」


 そう言うとラトリアは、騎士が王に跪く様に地面に膝をつくと首を垂れた。


んなっ!?


 呆気に取られて助けを求めるように後ろのロメーヌに視線を向けると、ロメーヌや他のエルフ達も同じように膝をついていた。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ