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邪神ですか?いいえ、神です!  作者: 弥生菊美


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14−2.決意



 「さて、旅支度は終わりましたかグレン?」


 そう聞くと「ハイ!」と元気の良い返事を返すグレン、その首には痛々しく湿布が貼られている。


 何故ならば、リリーちゃんとの一戦で「僕の方がタキナ様のしもべに相応しい!」という禁句を発してしまい

それまで手加減していたであろうリリーちゃんがブチ切れ、一瞬で背後を取り


「調子に乗るなよ!ザコトカゲがぁぁぁぁぁ!!」


 と、叫んだ幼女によりジャーマン・スープレックスを決められ首を負傷したグレン

死ななくて本当によかったよ、脊椎イッちゃったんじゃないかと非常に心配しました。


 それにしても、リリーちゃんのキャラ崩壊が止まらず

タキナは心配です…。


 負傷したグレンの治療と旅支度の準備や、年長者のドラゴンからの情報収集やら何やらで、結局1日を費やしてしまい

ドラゴンの里にもう一泊滞在してしまった

 おかげで色々な話ができたので、まぁ、よしとしよう


「では、行きましょうか

首が痛くなったら治癒の力使いますから、いつでも言ってくださいね」


 治療はしたのだが、まだちょっと痛いとの事なので湿布(無臭)を貼ってもらったのだ。


「ありがとうございます!

 ちょっと、気になる程度なので大丈夫です!」


 そう言って、嬉しそうに即席のショルダー型の皮鞄を手に持つと、小走りでやってくるグレン、そんなグレンとは真逆なテンションのリリーちゃんは、私の隣でムスっとした顔をしている。


 結局、殴り合いの喧嘩をしても、拳では分かり合えず納得できぬまま、不満満載のリリーちゃんと言った所だろうか?

 私を1番に想ってくれるリリーちゃんは、可愛くて可愛くて仕方ないのだが…もう少し、皆んなと打ち解けて欲しいのもまた事実

 タキナは皆んなと仲良くしてるリリーちゃんも見たいのです

 シクシクと心の中で涙を流す。


 私とリリーちゃんとグレンの3人で横穴から出てくれば、少し下の開けた場所で見送りのためにドラゴン達が待ってくれていた。


 オウカの指示もあってか若いドラゴンと、エンテイの説得もあったのか、いく人かの年長者達も人の姿をしている。

 まだ半数にも満たないとはいえ、受け入れて貰えて本当にありがたい事だ。

 どうか、私の予想が当たっていて欲しい

 ドラゴン達の為にも凶暴化が抑えられてくれと、そう強く思う


 神様お願いしますと祈りたい所だが、この世界では私が神…

縋れる者がないのは些か心許ない


この場合、私は創造主に願うべきなのだろうか?

 そんな事を思いながら皆が待っている広場へ向かう。


広場まで来るとエンテイとオウカが歩み寄る


「タキナ様!是非また里に来てくだされ!

次にお会いする時までにこのエンテイ鍛えておきますぞ!」


 ガハハハハと豪快に笑うエンテイに乾いた笑いで答える

貴方いったい幾つなの!?

おじーちゃんドラゴンですよね!?

とんでもないなドラゴン!!

絶対、凶暴化とか分裂してほしくない!!!


「まったく、父上はそれしか頭にないのですね

タキナ様、父上のことは捨て置いて下さって構いませんが、近くに来られた際はどぞお立ち寄りください。

 人型で過ごしてどう変わるかご報告も必要かと思いますので、それと、グレンを…息子をよろしくお願いいたします。」


 そう言って頭を下げるオウカ、そっとオウカの肩に手を置いてオウカがそれ以上頭を下げないように押し戻す。


「必要ありませんよオウカ、グレンは私の大切な旅の仲間になったのです。

何があっても必ず守りますよ」


 私の横で父上、タキナ様ぁ…とグレンが震えた小声で呟いたのが聞こえてくる。

 その声がオウカの耳にも入ったのか、全く…と言わんばかりの顔でグレンの頭を強めにグリグリ撫でるオウカ


「ありがとうございますタキナ様

 グレン、タキナ様のお役に立つのだぞ」


本日2度目の元気の良いハイ!が響き渡る


「タキナ様はこの後、エルフの里に行かれるのでしたか?」


 エンテイに不意に話しかけられて、ハイそうです。と言いかけてふと思い出す…

 この後、旅の仲間に加わる予定のもう一名…歩く18禁こと、ビ○チお姉さん


 ロメーヌの存在を忘れていたぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!

 リリーちゃんとグレンの教育上絶対によろしくない女!!

 特にグレン!たった今、オウカに息子を頼むと信頼されて託されたと言うのに!!

 言えない…歩く18禁が仲間になるとか言えない…いっ…いや…まて、落ち着けタキナ…考えておくと言っただけだ。

 仲間にするとは言ってない


ロメーヌ様


拝啓

先日は旅の仲間へのご応募をいただき誠にありがとうございました。

厳正なる選考の結果、誠に残念ではございますが

今回は旅の仲間への採用を見送らせていただく事となりました。

ご期待に添えず大変恐縮ではございますが

ご了承くださいますようお願い申し上げます。

ロメーヌ様の今後のご活躍を心よりお祈り申し上げます。

        

                         敬具

                                      

 いっそ伝書鳩か何かでこの文面を送りつけて、エルフの里をスルーするのもアリなのでは!?

いや、アリな訳あるか!


 エルフの里の中での神の信用ガタ落ちする

心の中で絶叫して転げ回る


 避けては通れぬエルフの里、だいたい話を聞いて回るって自分で決めたのだ。

 未来の自分が何とかしてくれると思うしかない。


「ハッ…ハイ…この後はエルフの里に行きっ…行きます…」


 思わず動揺して声が裏返る

落ち着け私!

未来の自分ファイトー!!


「ふむ、それならば途中まで送ろう

 反対側の山脈に住むドラゴンの里に、今回の話を伝えておきたいと思いましてな」


 エンテイが自分の顎に手をかけて視線を明後日の方に向ける

 もっともな理由なのにも関わらず

 何故か挙動不審なエンテイに引っ掛かる…


 不審に思いながらも、その申し出を受けることにした。

エンテイが何か小賢しい事をしてくる様なタチにも思えない。

それ故に引っ掛かる


「では、行ってきます!」


 道中お気をつけてー!!

 ドラゴン達に見送られて、来た時と同じようにグレンの背に乗り空へと飛び上がり、空の旅が再び始まる。


 リリーちゃんは私達の少し後ろをついてくる

 来た時と違うのはグレンの斜め前をエンテイがドラゴンの姿で飛んでいる事、どう言うわけか何を話すでも無く無言のまま、グレンはオウカと和解できたが、エンテイとの関係性は変わらぬままだ。


 グレンが緊張しているのが私にもわかる

 無言のまま永遠にも思えた気まずい雰囲気が、小一時間ほど続いたところで


「このまま真っ直ぐ飛べば昼にはエルフの里には着くじゃろう」


 沈黙を破ったエンテイに驚きつつも、何か話があるから見送りの話を出したと思っていたのに、どうやら違ったようだ。


「送って下さりありがとうございましたエンテイ」


礼を述べると首だけこちらに傾けて


「なに…途中にエルフの里があっただけですからな…」


 エンテイにしてはどうにも歯切れが悪いというか、元気がない?

 どうした?と思っていると、急に速度を落としてグレンの隣に並ぶように飛ぶ、グレンよりも数回り以上大きいドラゴンが間近で飛ぶ姿は圧巻だ。


「グレン…そのぉー…なんだ………

お前の事を心配しているのはオウカだけでは無い…

……だから…その…体に気をつけるんだぞ………

 タキナ様!孫をよろしくお願いいたします!!」


 そう言い切ると、逃げるようにこちらの返事も聞かずバサッと翼を大きく羽ばたくと、一気に高度を上げ猛スピードで山脈に向かって飛んでいってしまった。




「ツンデレかよ」




リリーちゃんの呟きが青い空へと消えた。




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