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邪神ですか?いいえ、神です!  作者: 弥生菊美


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12−2.酒盛り


 お猪口の日本酒を飲み干したオウカが、ため息をついてエンテイを見やる。


「はぁ…父上の話は置いておいて、タキナ様はこの世界の救済の為に参られたと仰られておりましたね。

 私も嫌な兆しを気にしていた所だったのです。

 普段と違う魔物への違和感、そして若者の間ではほんの些細な事でいざこざが起きることが増えております。

若さ故と言われればそれまでですが…あまりに頻発しており、それが魔物の動向と重なり何かが起きているのではと、気になっておりました。

 詳しい話をお聞かせいただけませんか?」


 それについては、詳しく話さないといけないだろう。

眉間に皺を寄せてグレンを睨みつけているリリーちゃんの気を紛らわそうと、リリーちゃんにお願いしてこの世界のシステムを話してもらう。

 現状が第一段階である事、そして今後大きな戦や負の感情が増えそうな事態が起きれば、この段階は加速度的に増して行くと言う事


 話し終えるとドラゴン達でそんなバカな話、いや、しかし…とざわつき始める。

ドラゴノイドやエルフの人達もこんなリアクションだったな…


腕組みをし考え込んでいたオウカが口火を切る


「なんとも…我々の世界がその様な…この世界以外にも別の世界があることにも驚きましたが、些か信じられないと申しますか…

 ですが、タキナ様は魔精霊とは違った力を行使されているようでしたし、それに見たこともない黒髪と顔立ち、私も400年程生きておりますが見たことがございません、故に貴方が別の世界から来たと言うのは、否定しきれません」


 いくら兆しがあったとはいえ、突然現れた神とか名乗る人から世界滅亡なんて話そうそう信じられるわけもない。

 私自身もこの世界が滅亡するかもしれないと言っても、肌身に感じているわけでもないので、悠長にしてていいのか?と思う反面、焦れない自分が居る。


 「今でこそ、人どもとの関わりがないが数百年ほど前までは、他の種族との交流が…それなりにありましてな…

大抵の種族は見てきたが、そのワシでもタキナ様のような顔立ちは見たことがない」


 そう言うとグラスの酒を煽り、地面を見つめポツリポツリとエンテイが語りだす。


 「ワシは若い頃、人型になってよく人間に紛れて街に繰り出したものです。

そこのジジイにも良く止められたものだ」


 そう言って近くにいた同じシルバーグレイの男にエンテイが視線を投げれば、そんな事もありましたなと笑いあっている。


「今の若い奴らは知らんだろうが、昔は街に行って人間達と夜な夜な大酒を飲んだものよ

エルフやドラゴノイドも森から商いに来てな、珍しい酒の肴が手に入っては一喜一憂しておった。

 あの頃は今程、人間も獣人達も殺伐としておらず、皆生きる事で精一杯で酒が唯一の娯楽だった…

 人間の里が街に、街が栄え国ができ娯楽が増え食も豊かになる

人間どもにゆとりが出来たかと思えば、豊かさをもっと、もっとと土地を奪い同族を殺し、ドラゴン顔負けの戦を好む種族になって行きおった。

 そんな人間と距離を置く為、森に生きる種族とは疎遠になってな、100年と経たぬうちに他種族や同族すらをも家畜のように扱う蛮族に成り下がっていきおった。

 人間と共に混じって暮らしていた獣人は諸にその煽りを受けてな、人間の国での奴隷は獣人も多いと聞く」


話し終えると、ため息を吐くエンテイ


 「タキナ様…この世界が滅びに向かっていると言うなら、その兆しが見え始めたのは人間の仕業と言って過言ではないだろう。

何故に我らまで滅びに巻き込まれなければならないのか」


 エンテイの話を聞く限り言い分は最もだ。

 自称召使から聞いた限りでは人種全てに等しく原因があり、この世界の種族同士の差別も要因とも思えたが、諸悪の根源は人間にある様に思える。


 私自身が元が人間だから、故に人間が如何に汚い生き物かを知っている

しかし…一方の話だけを鵜呑みにするのは誤った判断を生みかねない。


 まして私は、この世界で誰よりも公平且つ達観した目を持たなければならない。

 そう浮かんだ考えに、私の様な歪んだモブが公平且つ達観した目など、何の冗談だと笑いたくなる…


「エンテイの話を聞く限りでは、それは最もな意見だと思います。

 ですが、私はこの世界に来たばかりで日が浅い

元凶を見極めるにはまだ情報が足りないと思っています。

 それに…人間に多くの原因がある様に申しますが、ドラゴンは他の種族から随分と恐れられている様ですね

世界最強種の威厳と言うのはわかりますが、過ぎたるは及ばざるが如し…何か身に覚えは有りませんか?」


 そう言ってエンテイを見やれば、何やら苦虫を潰したような顔になる

どうやら思い当たる節はあるようだ。


 そんな事を思っていると、突然立ち上がっザイアスが私に向かって指を刺す。


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