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夢憑依Ⅲ(私は獣人)  作者: 夢未太士
第3部 シルビア編
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マコトと猫

マコトと猫


朝食が終わり部屋へ戻ると本日のスケジュールになっている講習会の準備を始める。

今日もLAのCAダンスアカデミーの講堂を借りて午前午後と2回の講習を行う予定だ。

一昨日同様キロルのダンスから始まりシルビアの講習そして気功術の補佐と言う流れ、午前の部は10時から2時間午後の部は午後2時から、途中2時間の休憩と昼食をはさんで行われる。

午後4時全ての講習を終わると多賀は満足顔でシルビアに話しかけた。


「すばらしい、一連の流れは講習ではなくパフォーマンスかアーティストのライブみたいだ」

「お褒めに預かり光栄だわ」

「日本だとどうしても、固くなりすぎて内容はともかく見ていて感動することが少ない」

「これからは少しUSA本部のやり方を見習わないといけないかもしれないな」

「良ければ近い内日本での公演も考えておいてください」

「解ったわ、今は忙しすぎて無理だけどそのうち日本へも行ってみたいから、その時は宜しくお願いするわ」


午後の講習を見終えると日本気功術協会の三人は一路日本へと帰っていく、USA気功術協会のこの日の成果、二日目は気功癒術の発現者は居なかった。

その日からキョウゴとリンの気功術修業が始まりUSA気功術協会の正式なスタッフになったのは3か月後だった。

マコトは一度多賀たちと帰国しアパートで飼っている猫達の事を考える、預けておいた猫3匹をペットホテルから引き取るとまずは実家へ電話をかけて両親にペットの事を尋ねてみる。

実家には現在犬が1匹いるがそこに猫3匹がはたして受け入れてくれるだろうか。

マコトが住んでいるのは東京都調布市、マコトは調布の支部から参加していた、マコトの実家は調布市から近い府中市にある。

実家は一軒屋なので庭もあり現在犬は小型犬の為家犬として可愛がられている。


「もしもしかあさん?」

「はいアイバです、マコト?」

「ああ 元気?」

「げんきだよ」

「実は相談が有るんだけど」

「お金なら貸さないよ」

「違うよそうじゃなくて、おれアメリカに当分行かなけりゃいけなくなったから」

「そうなの?それで今の会社は?」

「気功術協会の仕事でアメリカに行くんだよ」

「へ~それで何年ぐらい?」

「今のところ3年ぐらいだけど、もしかしたら10年は戻れないかも」

「あんたが良いなら別に言う事ないけど、それで相談って」

「今猫飼ってるじゃん」

「猫はだめだようちじゃ飼えないよ」

「え~じゃどうすればいいんだよ?」

「桃花にも聞いてみな」


桃花とはマコトの姉である、姉モモカはすでに結婚しており、世田谷に住んでいる。

旦那はIT企業の社長だとの事、一応玉の輿みたいだがこの旦那が少し変わり者で姉は旦那を下僕のように扱っている。

弟の俺としては実の姉ながらあんな女のどこが良いのかわからない、確かに見た目はすこぶる良いのはわかるがはっきり言って嗜好性はドSだ、そうサディスティックなのだ。

幼い頃に俺も相当いじめられいまだにこの姉には頭が上がらない、その姉に猫3匹頼むと言うのは無理が有ろうと言うもの。


「むりじゃね」

「あんた頼みもしないで無理とか、わかんないでしょ」

「わかったよ…」

「それでだめならもう一度電話してきな」


そこで電話は切れた。

姉は現在28歳昨年結婚してまだ新婚だが家は高級マンションだったはず、猫が飼えればいいのだが…


「もしもしねえちゃん」

「だれ?」

「マコトだよ、誰って番号も出てるからわかるでしょ」

「見てないし、それで要件は」

「おれアメリカで暮すことになったんだけど」

「良いじゃんやったねそれで?」

「それで今猫かってるじゃん」

「ああ~あんた猫好きだもんね」

「それで面倒見てもらえる人探してるんだけど」

「いいよ、面倒見てやる3匹だっけ」

「マジ良いの?」

「その代わりそっち行く時協力しなよ、それから維持費はもらえるんだろうね」

「もちろん餌代他を出すよ」

「なら問題ない預かってやるよ、それでいつ連れてくる?」

「明日でもいいかな?」

「OK明日は家にいるからじゃあ待ってるよ、家の場所解るよね」

「ああわかる引っ越し手伝ったから、あの後また変わったりしてないでしょ」

「まだ変わってないよ」


姉は実は引っ越し魔で結婚するまで8回転居している、まあ俺から見ても容姿端麗で。モテモテだったけど性格が…話し出すとヤンキーだと言うのがばれるんだよね。

まあコワいっちゃ怖いが姉御肌で曲がったことは大嫌い、誰にでもズバズバ言いたいことを言う人だから。

ツボに入るとはまっちゃう男も結構いて、子分みたいな男がいつも5人ぐらいいたのを覚えている。

結婚相手はそんな姉とは真逆なすごい良い人なんだよね、姉のどこが良かったんだろうか、まあそんなことは置いといて猫の移住先が決まったのはラッキーだった。


「じゃ明日連れて行くね」

「はいよ」


その後母に電話を掛けると、「ほらね」と言われたさすが母親である姉の性格を見透かしていたようだ。

実は母も結構昔はイケイケだったと言う話を聞いたことが有る、父はその上を行くヤンキーだったと言う話も聞いている。

父は現在相羽建築株式会社を経営している一応社員50人を抱える社長だ、本社は調布にあり支社もある。

後は部屋の荷物だけとなり、アメリカ行きに障害となる懸案はこれでほぼ方付いてほっとするマコトだった。

数日後、マコトは後ろ髪を引かれながらも愛猫を姉に託しアメリカ行きの便に乗った。

もう一人の愛する猫に会うため、そして未来を創るために。


USA気功術協会はシルビア主導の元、着実にその力を付けていく。

獣人達の未来を見据えて。


第3話 獣人編   完


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