リンの決断
リンの決断
リンはLAで役者の卵として勉強中、今までも劇場やショーなどのパフォーマーとして出演経験も有る、あともう少しで映画のオーデションに受かるかと言う所で今回の細菌戦争により全て白紙に戻りおまけに仕事まで激減した、彼女は実家が有り帰ることはできるが地元には農家の仕事しか残っていないと言う。
リンは現在20歳身長178センチスタイルは抜群でこの容姿なら映画のヒロインでも受かる可能性は高かったはず。
16で自分の才能に気付き17歳でLAの知り合いに頼みダンススクールに通いながらアーティストを目指している。
リンはキョウゴより気功による光も多く強い、すでに気功術2級を超える所まで進み始めている。
「オーケーそれじゃ聞くね、今すぐ私たちと一緒に仕事をするかそれとも他を当たるか」
「私たちの組織に入ればたぶん今後仕事がなくなる事もないわ、だけど今いる現状は半分以上捨てなければいけない」
「キョウゴは大学を辞めるか休学するしかない、リンはパフォーマンスは出来るかもしれないけど映画は無理だと思う現状撮影もできないと言う話だしね、どう?覚悟が決まれば即2人を雇うわよ」
気功術の講習会で気功癒術の才能が早くに開花する人はごくわずか100人が講習に来て1人いれば儲けもの前回の講習会では一人も見つからなかった、特に都会では見つかりにくい傾向が強い。
まずはキョウゴが口を開く。
「僕は…お願いします、雇ってください」
「ちょっと待ってもらえるかしら」リン
そういうとリンはスマホで誰かと連絡をする。
「ヘロー ハイマム…」
電話を掛ける事10分その間リンは電話の声を隠すことなく目の前で話していたので、内容はほとんど聞き取れた。
「オーケー解ったわあなた方の話に乗るわ」
17歳で単身LAに来ただけはある、その後話を詰めるべく場所を変える為講習会場を後にした。
「ごめんなさいね皆遅くなってしまって、用事がなけりゃこれから食事に行くけどかまわないかしらもちろん全額私が持つわよ」
「自分もですか?」
「もちろんよ」
「当然ね」
「ワーイにゃ」
「おにくでしゅ」
LAの繁華街を歩くと明かりのついている店は少なくその中でも大きめの店へと皆と一緒に入る事にした。
中に入ると肉の焼ける臭いと香辛料の香りが漂う、ウェイターに促され店の窓際の席に座りメニューを手にすると皆に何を食べるのかメニューを渡す。
「私は最後に決めるわ、先に好きなもの頼んで」
「それじゃシーフード&ビーフBセットとミルクにゃ」
「お肉お肉 とステーキ500グラムダブルセットでしゅそれとミルクでしゅ」
「日替わりシェイプアップコースで飲み物は白ワインでいいわ」
「うわーご飯はないのか…それじゃ日替わり贅沢コースで飲み物はビール大ジョッキで」
(アルコールはまずかったかな…)
「スペシャルコースプラスワイン赤2200ボルドー1本」
店員を呼ぶと各自の注文を読み上げる、最後の注文には店員も少しビビり顔だったがメニューに書いてあるのだからしょうがない。
スペシャルコースは約3万円300ドルしかも追加のボルドーは1本300ドルだ、他のコースは全部8000円ぐらい。
「シルビアさんって元大統領の娘ですよね」
「そうよ、今は唯の人だけどね」
「ただの人ってわけじゃないじゃない、今じゃ前より知らない人がいないほど名前は知られているわ」
「そうなの?そういえばミランダもそう言っていたわね」
「ミランダってミランダ・ロクスリー?」
「ここに来る途中飛行機で会ったわよ」
「この講習会に来るときミランダのコンサートに行くかここに来るかで迷ったのよ、チケットの価格で安い方に決めちゃったけど」
「たぶんいつか会えるわよ、食事の約束しちゃったし」
「やはり金持ちは違うわね」
「ミランダの事は成り行きよ、私も獣人達に遭わなけりゃここにはいないわ、もしかしたら細菌にやられて虫の息だったかもしれないし」
「そうなの?」
「私たちの仲間一人に助けられたでしゅ、その子から気功術を教えてもらったでしゅ」
「ノキナっていう猫獣人の子がいたのよ、全てはその子の気功術から始まったの」
食事が来る前の10分そして食事中も今までの出来事をかいつまんでではあるが新人2人に話しだす、まるで目の前で話す事が未知の小説やアニメのように感じたのだろう、最後にはテーブルから身を乗り出して。
「その先はどうなったんですか?」
「ノキナが気功術で人化の術を指導して…中略…皆を森へ誘導、寸んでのところで逃げることが出来たけどそこへトレーラーが…」
新人2人は食事の手も止まってシルビアの話に聞き入っていた、食事が終わるころにはすでに夜10時、食事中隙を見てホテルの部屋を追加してもらっていたので今日は全員LAのロイヤル〇イアットへチェックイン、内訳はツインが2部屋シングル1部屋もちろんシングルはキョウゴの専用、シルビアとリンが一緒に1部屋使うことにした。
「勝手に泊まることにしたけど良かったかしら?」
「今更だけどOKよ、スイートじゃないのが難点だけど」
「それはごめんなさい、でも私たちそんなに贅沢してないわよ、地方での講演なんかビジネスホテルどころか普通の民家の時もあるし」
「ごめんなさい、冗談よ」
「早い内に打ち解けてくれてありがとう、あなたは私と似てるから期待できそうだわ」
「私もそう思うけど、期待って?」
「踊り歌それから演技そして癒術、ここまでくればあなたは幹部候補になれるって事よ、私の代わりに他のグループを任せられるようになってもらうわ」
「良いの?そんなことこんなに早く話して」
「良いのよ 私の勘がそう言っているのよ、それに癒術が最初からできる人に悪い人は居ないわ私もそうだったから」
「なるほど…」
リンの家庭は田舎の農場経営だが大農場とまでは行かない昔からの小規模農場経営、作っているのは果樹がほとんど契約農家でプルーンとオレンジが主要生産物だ、フロリダ州ジャクソンビルで生まれ育ったリンはヨーロッパからのドイツ系移民。
農場は曽祖父の代から営んでいるが曽祖父の時代にはオレンジではなくプラムが主流だったらしい。
16歳までハイスクールに通っていたが自分の運動能力と歌唱力が周りとかけ離れていることを知り、その当時通っていた学校の先生に勧められて東海岸から西海岸へと旅に出ることにした17歳の夏だった。
歌や踊りではクラスの人気者で、物おじしない性格から女性にも人気が有り、言い寄る男には見向きもせずわが道を行くと言う性格。
178と言う身長にスーパーボディーそして男前の気性、芸能界に入ってもかなり有名なアーティストになれるだろう、但しこの時代でなければの話だが。
彼女の父はやはり軍人だった、彼女が10歳の時航空機のショーで墜落 所属していたアクロバットチームのエースだったらしい、父親が亡くなるまではキャンプや格闘術なども教えてもらい、そこで命の大切さや自然のありがたさを学んでいたらしい。
生い立ちのほとんどのところがシルビアと被る、性格もほぼ同じとは会うべくして会った2人だった。




