悪の権化からの転生
悪の権化からの転生
マフィアはこの町の北側にある建物に本部を置いているらしい、早速そこへ行ってみた。
もちろん魔法でバフ掛けをしっかりしておくことは忘れない、呪術師とやらがどの程度魔法を使えるのかは不明だが。
マフィアの根城とみられる建物の前でチンピラに声を掛けられる、美女2人が近寄れば声を掛けない男はいない、日本以外での話ではあるけどね。
「おう 姉ちゃんべっぴんじゃのう、ちょっとつきあえや」
もちろん付き合いはしないが中に入れてくれるのだから大人しく入れてもらう。
但しスキャンの魔法を使用して強い魔力とローレアの気を予め探ることにした、すると建物の3階に彼女の気を見つけることができた、たぶんこれがボスだろう。
まあチンピラはボス部屋ではなく自分らで使用している薄暗い倉庫に連れて行くつもりなわけだが次の一言でチンピラは自分の首とHを秤にかけることに。
「わらわをこんなところに通してボスはなんて言うかのう、最初にボスに会わせないとひどい目に合うのはぬしらじゃないのか?」
チンピラは少し考えて自分の性癖とボスの怖さを秤にかけたのだろう、しばし逡巡してからボスの部屋へと進路を変えた。
「うっそれは…」
「素直で宜しい」
(男ってばかよね~、自分もか)
ボス部屋の中に入ると豪華な応接セットの大きな机の向こうにでかい男が座っていた。
「おう なんだ客か」
(顔には大きな傷跡が見るからに恐ろしい顔だ こういう奴は顔だけの場合が多い)
「へいちょっと綺麗な娘がボスに会いたいと言うので連れてきやした」
「おおなかなかいい玉じゃねえか、それで会いに来た理由は?」
「以前お前さんが手に入れた人魚の臓物を返してもらおうかのう」
「なんだと!」
部屋にいた子分3人と呪術師が殺気を纏うと呪術師が呪文を唱えだす。
「うごくな!」
一括すると全員がストップする。無詠唱で静止の魔法を放ったのだ、この建物にいる子分全員が静止した。
「親分さんだけ魔法を解くが騒ぐとどうなるか解っているだろうのう」
ボスが目を瞬かせた後、無言で頷く
「解」
「一度食べたものをどうやって取り出す?まさか腹を切って出すのか?」
「何 ひどい事などしやせん、ちょっと触るだけじゃ」
そういうとノキナはボスの体に手を触れローレアの気を集める、光が手に集まり玉のようになると今度はそれをローレアの体に流す。
「これで終わりじゃが、もう一つ忠告しておくとするか」
ノキナはボスに振り返り魔法をかけた。
「…」
「何をした?」
「悪さをしないように魔法をかけておいた、悪さをしようとしたら苦しみを味わうと思え」
「おぬしら全員に魔法を掛けたからの、それではまたのう」
ノキナが静止の魔法を解くと全員動けるようになったが、すぐに苦しみだす。
「なんだ、何をしやがった!この魔法は」
「呪術師でもわからぬか?」
「ここ…こいつを…ぐう…」ボスは腹を押さえて苦しんだ。
見ると子分達も皆苦しんでいる。
「悪い事や嘘をつくことでこの魔法は掛けられた本人に苦しみを与えるようになっておる、解呪も無駄じゃこれからはまっとうに生きるがよい」
「ローレアどうじゃ、これで全て元通りか」
「はいノキナ様全て戻りました有難うございます」
(これにて一件落着)
「それでは帰るかのう、その前に領主の館へ少しよるが良いか?」
「はいお供いたします」
ノキナはマフィアの本拠地を後にすると飛行の魔法をかけギッタンの屋敷へ行き、今後の事を執事に話した。
これからはノキナ獣王国領事館として機能してもらう事そしてそのまま雇う事等を話した、ついでにノキナはこの館に何があるのかを執事に聞いた。
ギッタンは美術品や宝石の収集家でもあったようだ、屋敷の中には高価な絵や置物が多かった。
屋敷の倉庫にはわずかながら魔石も保管されており、魔石は大小10数個。
そのうちの一つに今度は魔法を付与する、この魔石を持つものとはいついかなる時でも音声で連絡できるようにと魔法をかける、すると石は白く光りだした。
「この石を預けておくこの石を必ず持ち歩くようにのう」
「解りました、必ず忘れず持ち歩きます」
その後ミスイ商会に寄りローレアに洋服を数10着プレゼントするとこの商会の番頭にも魔石を渡し今後の事を話し合う、この商会には今後ノキナ獣王国との交易を始める入り口として機能してもらう事にした。
すでに午後7時を回っておりこれから島へと帰るには時間がかかりすぎる、そこでノキナは転移魔法陣を作成することにした。
すでにノキナ獣王国では遠くの村へ行く場合の魔法陣が用意されている、今のところ3か所ぐらいだが、魔法陣実は結構管理が面倒くさい。
自分だけであれば簡単に行ったことがある場所へと移動できるのだが、その場合のMP魔力量はかなり消費が激しく、通常の魔法術師でもそう簡単に使える魔法ではない。
だが魔方陣を書くことで安定して転移魔法を使える事が判明した、今は少ないがゆくゆくは輸送手段として使える。
獣王国でも海から内陸へと物資を簡単に輸送できれば流通がかなり進歩するだろう。
「今日はそのまま転移魔法で島まで帰るとしよう」
「はい 姫様」
「テレポーテーション!」
ローレアの手を取り抱き寄せると海竜島の海岸を思い浮かべ意識を集中する、一度訪れたことのある場所であれば強く念じることで位置指定が可能になり、魔法陣を書くことなく転移魔法を使う事ができる。
次の瞬間には海竜島の海岸に二人は立っていた。
海竜島に着くと今回の事を全てアビスに知らせ、その日は海竜島に泊まることにした。
そして食事の後酒を飲みながら今後の事を話し合う、出かけている間に全員が村に移住する話が進んでおり明日から銚子村に挨拶を兼ねて数人が行く予定となった、食後には魔法石に連絡のため通信魔法をかけてアビスにも渡しておくことにした。




