次の日
次の日
伊の国屋の朝は早い丁稚たちが早朝から起き出しまずは水汲みから掃除と所狭しと動き回る、そこへ大旦那である貞吉が「おはよう」と挨拶し朝の業務が始まる。
一仕事するとお膳が用意され朝の食事が始まる、丁稚も女中も皆で一緒に食事を摂るのがここでの習わしらしい。
今日は魚の佃煮とみそ汁、海苔と漬物 純日本食の定番づくしだったがアメリカ人のジェームス達には不評だった。
朝食を終え寛いでいると玄関から騒がしく人の声がする。
「早く出せ、逆らうのか」
「お待ちください、今お呼びしてきますので」
せっかく一般の宿を避けたはずだったのだが昨日の我々の行動を町人が数人見ていたらしく、誰かが私達の事を役人に知らせたらしい。
「皆はココで待つしょ」
「申し訳ございません、役人には逆らえませんので」
「私が対応するしょ、一宿一飯の義理は果たすしょ」
貞吉の後ろをノキナはついていくと、役人はいきなりノキナ達を危険だと判断したらしく。
「お縄に付け」
と言ってきたのでこう答えた。
「われは将軍多賀ノ喜納であるぞ、不当な扱いにはおおじぬ、それともお前らの上役からの命令書でもあると言うのか」
「間違えれば即刻叩き切るがよいか‼」
全くのでたらめだが時代劇の知識が役に立つ、昔は暇なときよく見たものだ。
役人はいぶかしげな顔をしながらもノキナの言うことを真に受け、すごすごと立ち去ろうとした。
「待たれよ、おぬし間違いとは言えここまで調べてきたよの」
「ならばおぬしの上役へとりなせ、将軍が来ておるとな」
ノキナは残る仲間に心配無用と説明すると役人に先導させ奉行所へとついていく事にした。
奉行所に着くと即上役がやってきて偉そうにノキナを品定めした。
「おぬし本当に将軍か?偽物ならタダではすまぬぞ」
「ただではすまぬか、言葉を返すようだが試してみたらよい」
「だがな判っておるな、おぬしらもただではすまぬぞ」
ノキナはそういうと微笑んだ。
「このものを捕らえよ」
まんまと引っかかった、彼らは女子供とみてなんとかなると思ったのだろうノキナの強さを知らずに。
まあそこからはちぎっては投げちぎっては投げ、奉行所に詰めている30人近い侍や岡っ引きをあっという間にやっつけてしまった。
「まだ歯向かうか、だから申したじゃろうわらわが将軍じゃと」
奉行を縄で縛ると、意識を取り戻した部下にこの国の現在の将軍がいる場所を訪ねた。
この国の王(将軍)は武蔵国弁慶と言うらしい、牛若じゃないんだねへー。
という事でその後は将軍のいる所へ向かう事にした、当然一人で。
伊の国屋へ戻るとすぐに分けを話し、これから将軍を一人で倒しに行くと説明すると。
皆はあきれていたが、伊の国屋貞吉は口を開けたまま固まっていた、お菊は反対したが時代劇調で説明し納得してもらった。
自分の言葉がいつの間にか時代劇調になっていたのが不思議だったが、多分知らないうちに魔法が掛かっていたらしい。
(何の魔法だろう名前を付けなきゃ言語変換魔法純和風姫様バージョンとかかな)
奉行所はジェームス達に任せノキナは一人この国の首都である国府大国市に向かう事にした。




