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夢憑依Ⅲ(私は獣人)  作者: 夢未太士
第2部 惑星ビュリア
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伊賀村

伊賀村


丘へ上り向こう側を見おろすとそこには田んぼが有った、かなりの広い範囲で田んぼが広がっていた。

そこからは川沿いを離れあぜ道を進み、木造の家を横目に見ながら(わらぶきやねだよ)進んでいくと、家並みがいくつかかたまって見えて来る。

当然この先に進むと必ず一つ難関がある、それは現地人との遭遇 一行が進む先にはすでに現地人が数人臨戦態勢を整へ道をふさぐように立ちはだかっている。

(手に持っているのは鋤と鍬)

ノキナは仲間に気功防御術を使うように言うと、一人だけ現地人の前へと進んだ。


「我々は怪しい者じゃないしょ」


現地人の代表が応対する。


「そんな人数で現れて怪しくないわけがなかろう」

「私たちは他の国からこの星に連れて来られたんでしょ」

「…」


そういうと数人が相談を始めた。


「あなた達も知っているはずだしょ、私たちも妖精門を通ってきたしょ」


現地人の代表と思しき人物が、村人を制止させるとノキナの前に歩み出た。


「誠か しばし待たれよ」

「ごしょごしょ」

(小声で、一応警戒しようと話している)

「戦わないと言うならこちらへ 武器などはここで渡してもらおう」


ノキナはハンター2人に話して武器を渡してもらう事にした、当然のことだがこの星のこの時代には銃などと言う物は無い。

国の様式も違いそうだが着ている服もかなり昔の布素材に見える、そこから判断するとハンターが持って来た武器は弾さえ入れなければ危険はないと推測する。

手持ちにあったナイフも渡すことにした、いざとなれば気功術で何とかなるので2人に渡すよう促したのだ。

ぞろぞろと仲間を引き連れ村人に付いていくとそこにはお寺の様な建物が有った。

寺の前まで来ると中からお坊さんの様な姿をした人物が出てきた。


「この地によく参られた、まずは安心していただきたい、我が名は平盛貴。訳けあってこの伊賀村で寺の住職を努めている」


話を聞くと平の盛貴と名乗るお坊さんはこの寺の8代目らしい年号も治承千2百年とか言う今ではあり得ない年号を話してくれたが、地球の現在の年号と西暦などを伝えると紙に筆で書き留め始めた。


「するとおぬしらは獣人とな、しかも魔法を使えると」

「本当だしょ」

「妖精門からの旅人の事は知っておる、我らのご先祖様も同じようにやってきたと言う古文書にも書かれているのでな」

「日本 日ノ本の国の事も知っているしょ」

「この歳で懐かしい故郷の事を聞けるとはご先祖様もお慶びであろう」


日本の事を話す前に仲間を休ませてもらうよう頼む事に、正面のお堂を抜けると後ろに長屋作りの集会場のような建物が有りそこに皆を上がらせてもらう事にした。

大人は気功術で疲れはそんなに無いが子供は別だ、すでに数人が疲れてしまい親に抱かれて寝てしまっている。

ノキナは村民に水を分けてもらいできれば食料を分けてもらうよう交渉した、我々が途中で狩った獲物と交換ならと交渉はうまくいき。

その場で料理することになった、そうすると村民も仕事を休んでわらわらと30人ぐらいが寺の前に集まって来た。

いつの間にか臨時の炊き出しが始まると、どこからか酒まで手にして総勢50人を超える宴が始まった。

ノキナが日本語を話せたことも有ってか、かなり順調に事は運んで行く、そして仲間の獣人達はこの村に居候させてもらう事になった。

話によると今は収穫期で今年は予想より米の出来が良いらしく、働き手不足で困っていたという。

運がいいと言うかなんというか、まあ自分以外はこの地でしなければならない予定があるわけもなく、色々と未知の土地で制約はあるが村の申し出を断る理由もないと、獣人達はこの話にOKを出していた。

そしてノキナは全員が村人と言葉が通じるように魔法をかけた。

この星なら個人の魔力が足りなくてもイメージと祝詞で魔法を掛けることが可能ではと思い立ったのだ。

結果は思っていた通り、ほぼ1回で全員に言語習得の魔法が掛かりその後は通訳いらずで村人達と打ち解け合っていった。

いつのまにか翻訳魔法と言語変換魔法が複数人指定になっていた、さすがに魔素の強い星だ前回の夢憑依で感じた地球との魔素の違いが今は非常にありがたい。

その日の夜は長屋で全員が雑魚寝することになった、季節は秋の収穫時期まだ気温も26度と過ごしやすく、このぐらいの気温ならば風邪をひくこともない。

ただハンターの二人だけはやはり板の間では寝付けないらしく、長屋の縁側に座ると持って来た煙草に火をつけ空に浮かぶ4つの月を見ていた。


「ノキナ あんたはいったい何者なんだ?」

「あたしは夢の旅人なのしょ、この体も実は借り物なのしょ」


そんな夢のような話をぽつりぽつりと口から出していく、だがそれを聞いてもジェームスは目を少し見開くだけであまり驚くこともなかった。

ここまでが驚きの連続だったからだろう、それにノキナの言う事は全て的を得ていたことも有った。

言われた通りにしたら全てその通りになるし、そこには直感で信用しても良いと感じたのかもしれない。

そしてハンター2人はノキナに質問した。


「ノキナ 俺達はこれからどうしたら良い?俺はこの通りハンターだと言ってもハンターが仕事ではないけどな、元々の仕事は牧場経営で趣味がハンターってとこだが」

「俺はIT会社のCEOだが趣味で参加したら人殺しになるところだった」

「感謝しているんだぜ、だけどこれから先は俺達にゃどうしていいかわからねえ、少しでも物知りがいたら聞いておかないとな」

「あたいもアメリカ人が畑仕事に向かないことぐらいは解るしょ、だから2人にはこの国であたしの仕事を手伝ってもらうっしょ」

「この国はまだ調べていないけど、この国はまだ発展途中なのしょ。二人はジャパンのライトノベルやRPGゲームは知っているしょ?」

「おおそれなら知っているぜ、ゲーム開発も手掛けたことあるからな」

「そうこの星の生活様式はRPGゲームに近いしょ、特に日本の戦国時代に近いしょでもゲームじゃないから死ぬときはホントに死ぬっしょ、だから気功術や魔法を覚えて安全マージンを最大に上げておくしょ、でも強くなったら今度は手加減するしょ、強すぎると敵が増えて手に負えなくなるからしょ」

「よく知ってるなユーは」

「まあ中身はジャパンの60ズだからっしょ、話は変わるけど2人は人族にしては気功術の呑み込みが早い方しょ。だから気功術を習得しながら魔法の習得を進めてこの国を影から手助けるように動いてもらいたいしょ」

「あたしがこの国のてっぺんを取るから協力してもらうしょ」

「そりゃスゲーな、はじめから考えてたのか?」

「この国はもしかしたら中央の組織がまだ固まっていないとみられるしょ、税金もそんなにかけられていないように見られるしょ、だからてっぺん取れる可能性が高いしょ」

「どうやるんだ、株の買い占めか?」

「この世界なら力ずくで何とかなるしょ」

「あんたならできそうだ、猪一撃だもんな」

「俺たちもあそこまで出来るようになるのか?」

「んん 後1年は修行しないとだめかもしょ、今の段階は守るだけでしょ。気を手や足だけでなく物にも纏わせることが出来ないとそこまでの攻撃力は生まれないしょ」

「あんたの言う事は信じるよ、毎日気功術は欠かさずやるようにするし、これからも頼りにしているからな。」


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