いきなり森の中
現代社会に息苦しさを感じる今日この頃。
小説で自分の理想を思い描こうと思い書きました。
生きることに疲れた、18歳の青年。
まだ、若いのに何を言ってんだと!
思う人もいるだろうが、青年、如月ヒロトは18歳の若さで
現代社会に未来も希望も、持ってない。
別に、まわりからいじめとか、嫌われているわけではない。
ただ、漠然と自分は現代社会に適合してないと個人的に思っている。
確かに、現代社会は便利だ、
コンビニにスマホ、一昔前からは想像出来ないほど便利になっているが、それらの便利さを享受するには、働かなければならない。
自分の好きな職場で働ける人も居れば、生活の為自分に合わない職場ででも働かないといけない。
如月ヒロトも、それは解っているのだが・・・。
異世界物の小説を読む度に、自分も異世界に行ってみたい。
現代の息苦しい社会を逃げ出し異世界で生活したい。
若者にありがちな夢想の者如月ヒロトだが、
思いもかけず、そね夢想が叶う事となる。
別に、ありがちなトラック転移とか、神様の手違いとかでなく、いつもと代わりない1日を過ごし、ベッドに入った所までは、
覚えているが、今いるのは森の中。
あたりを見渡すと回りには木が生い茂っている。
ヒロトは思わず呟く。
「僕は異世界に転移したのか?小説みたいに⁉️」
ヒロトは、ベッドに入ったのを覚えている。
だが、今いる場所は森の中。
ヒロトは思う。願いがかなったと!
だが、確信が持てない。その為起きて回りを歩いて、
自分の考えが正しいか探索をする。
森の木々は現代の木より太く高い、杉の木だろうか真っ直ぐのびている。
(木の名前ぐらいしか知らない。)
木の根元にキノコを見つけるが、見たことないキノコだ。
(元々、キノコに詳しくないので区別がつかないが。)
かなり森を歩き回ったが木が途切れる事はない。
深い森のようだ。
だが、ヒロトは前向きだった。
ここが異世界なら最高だけど、もし現代でもこれだけ深い森なら
異世界と同じ生活が出来るかも。
ヒロトは、言い知れぬ高揚感を感じる。
「よし、まずは寝床の確保だ!」
そぅひとり言を呟き、寝床になりそうな場所を探す。
うろうろ森を歩いていると、
マダガスカルにあるバオバオの木に良く似た木を見つける。
木が逆さまに生えているみたいで根っこが上にあるみたいだ。
木の表面がツルツルしているので登りにくい。
ヒロトは辺りを見渡しツタを探す。
バオバオの木より20メートル離れた所に木に、からまっている
ツタを見つけた。
ヒロトは、からまっているツタを力づくで剥がし、
何本かのツタを確保すると、ツタの先端に手頃な石を
くくりつけ、バオバオの枝に向かって放り投げる。
何度か挑戦すると、上手い具合いに木を跨いだ。
先端の石を外し、先端に輪っかを作る。
そして逆側を木に縛り着ける。
輪っかに足を掛け、手でツタを掴んで登る。
かなり手が疲れたが何とか、頂上に登る。
かなり広いスペースが頂上に、広がっている。
寝るには十分なスペースだ。
後は雨避けに、簡単な屋根を着ければ、寝床は確保出来る。
その後、辺りの枯れ枝や大きめの葉っぱを
集め木の上に持って行き、
簡単な木組を作り、ツタで縛る。
簡素だが、立派な
(ヒロトは自画自賛している)寝床の完成だ。
かなり時間を費やしたが、まだ日が暮れていないため、
食料になりそうな木の実と水を確保しに、木を降りて森を散策する。
寝床から一キロ程、離れた所に池?
(というより湖に近い大きさ)があった。
生水は身体に良くないのは知っていたが、起きてから身体を動かしぱなしだったので、思わず手で救い飲んだ。
味はしないが、乾いた喉には美味しく感じた。
喉を潤したので一息ついたが、たびたびここまで来るのは、
と思ったが水を汲む物もない。
竹の用な物でもあればと、回りを見るがそれらしい物はないようだ。
今は仕方ないと、来た道を戻る。
戻る途中にバナナに良く似た物が生えている木を見つけた。
近寄り、一本もぎ取り皮を剥いてみる。
見た目バナナそのものだ。
お腹が空いていた事もあり、バナナにかじりつく。
口の中にネットリとし、わずかに甘味を感じる。
食料確保の為、バナナを一房(50本ほどついている)引っ張る。
なかなか千切れない。
側に落ちている石で房の根元にを擦ると、ようやく千切れた。
バナナを背負い、バオバオの木迄担いで帰るのは大変だった。
ようやくバナナを木の上迄持ち上げ、寝床と食料の確保に、
大満足だ。
だが、ヒロトはフッと考える。
今は、現代社会と違い回りには便利な物は何も無い。
ナイフ一本さえない。
いきなり気づいたら森の中、だがヒロトは何となく、
このような生活を望んでいた気がする。
息苦しい社会を離れ、自由気ままに生活出来る事に!
ここは、現代かも知れないが、とりあえず回りから隔離された
場所の様に思う。
もしかしたら(希望だが)、異世界かも知れない。
(異世界であって欲しい・・・願望)
ヒロトは、仮にどちらで合っても、ここで生活をしていきたいと思った。
夕暮れが迫り、夕飯代りに先ほど取ったバナナを頬張る。
お腹が膨れると眠くなり横になった。
起きたらベッドの上でありませんようにと、
願いながら、その後眠りについた。