ローマン ホリデー的な
ローマン ホリデー的な
brain.u
「人生は素晴らしい。。。」と思えるようになるだろうか。。。
ぼくは、人生半ば前に差し当たった頃、大切な人を失った。
大切だった、恋というか、それは人生だったのに・・・。
僕は40代の大台を前にした、しがないサラリーマン。
毎日電車に揺られ、iphoneを片手に音と情報を感じながら、最寄駅から1本で行ける仕事場へ通っている。
これは、毎日の習慣。
いつもの様に出かけて、いつもの様に電車に乗った。
いつもの駅に差し掛かる少し前、めずらしく吊革に掴まりボーッと流れる景色を眺めていた。
橋があって川があり芝生があるところに来た瞬間。
「?・・・・・。」
目の前が急に真っ暗になった。
冷静になって考えてみる。
此処は通勤列車でラッシュ時。
多少ひとは降りたものの、まだ人はいる状態。
恐る恐る相手の肩に右手をトントンと叩いた。
「あの〜‥」
心細い声でその後ろに人に尋ねた。
「おじさーん、ビームフラッシュ」
僕が振り返ると直ぐに小さな女子高生がバカチョンカメラでフラッシュをたいて僕を撮った。
表情が硬直しているのと少しビックリしている表情で2、3秒固まった。
「おじさん、おじさんー」
とてんてんと、右手を小刻みに振りながら満面の笑みでその子は僕を見ている。
ポケーとしているうちに電車が降車駅を過ぎていた。
「おじさん行くよ!!」
と女子高生は右手で僕の手を軽くつなぎ、走り出した。
一瞬ローマが見えた。
「ローマ・・・・」
と小さくつぶやいた。
走っていくうちになぜか心地よい風が心に届く。
通路を走っているとガラス面の自分達が飛び込んできて、ふと気付いた。
「あの頃の僕たちに似てる。」
不思議な感覚に囚われて急にその子に親近感が湧いてきた。
ニコッと笑って手を引くその子。
そして一瞬で今まで前の彼女にしてあげられなかった事が頭の中を駆け巡った。
そうだ!
「スウィーツは好きかい?」
「え」
嬉しげな その子を連れてリッチな街へ連れて行きとあるチョコレート専門店にエスコートする
。
「好きなの選んで。」
「いつもこんな高価なものを女性に差し上げるのね。」
と怒りマークのその子が今にも口角を小さな手で掴みそうになっている。
「そうだよ、また逢えて良かった。」
どうやら、彼は途中から彼女に気づき、最高のサプライズを思いついたようです。完




