第54話 オープンカーと魔力供給服
遅くなりました……!
えーとでは、簡単にどんな風に改稿したかお伝えしますね。
まず前々回更新時に予告していたキャラの追加ですが、「プヨン」という浴衣の相棒という立ち位置のスライムが一体追加されました。
○新キャラということで、軽ーくキャラ設定を紹介
浴衣が異世界に転移した際、実体のあるステータスウィンドウとして初登場。実はプヨンは浴衣が無意識に召喚してしまったスライムで、浴衣の能力によりステータスウィンドウの形に変身していた。
主な能力は、浴衣がプレイするパズルゲームをユカタにだけ見えるよう画面投影することと、ステータス表示や鑑定時にその表記内容に変身すること。
前者のスキルはプヨン本人が「げんえいいろあわせげーむ」と名付けている。
無邪気でかわいい。
それに伴いユニークスキルの内容も僅かに変更となりまして、「プヨンがホログラムみたいに空中に投影した画面上で浴衣がプレイし、連鎖消しできると浴衣が大魔法を放てる」と言った形になりました。
連鎖消しの後に起こる効果等には変更は無いので、ストーリーの大筋に影響は無いと考えて頂いて構いません。
その他の改稿ポイントは、キャラ追加に伴い会話がちょくちょく追加された、といったところです……!
ストーリー本筋に変更は無いので、この点さえ押さえれば今日の話を読んで困惑することはないかと。
では本編、どうぞ。
向かう先はもちろん、ダイさんの研究施設だ。
小屋の呼び鈴を押し、地下に通してもらうと……ダイさんは、早速用件を聞いてきた。
「今回は、何を作ってほしいの?」
「前一回、空飛ぶ馬車を注文したじゃないっすか。今回も、あれと似たようなのを作って欲しいんっすけど……ちょっと今回は、形状のこだわりがありまして」
ダイさんの質問に、俺はそう答えた。
「へえ、どんな?」
「こんな感じっす。プヨン、来る前に練習したアレやって」
そして、俺がプヨンにそう指示すると。
「わかったー!」
プヨンはそう言って、空飛ぶ馬車をそのまま縮小したかのような形状に変身した。
……ただ一点、屋根がないということを除いては。
「こんな感じで、乗ってる人が日光を浴びれるように設計してほしいんです」
俺がそう言うと。
ダイさんは、全てを察したような表情で何度もウンウンと頷いた後、こう口にした。
「ははーん。もしかして……一般人があの服を着て乗れるようにしたい、ってとこかな?」
どうやらダイさんは、注文内容だけで俺が何を目的としてるのか予測がついたみたいだった。
その通り。俺は空飛ぶ馬車をオープンカーにすることで、操縦する人が太陽光での魔力供給を受けつつ馬車を運転できるようにしようと考えていたのである。
話が早くてありがたい。
「まあ一般人というか、騎士っすけどね」
そう言いつつ、俺はここに来る前に即席で用意した高等妖兵の水晶玉を十一個ダイさんに渡した。
「十一台かぁ……。結構作るんだね」
「いえ、十台で大丈夫です。残りの一個は、お代ということで」
「まいどありがとねー」
というわけで……必要な台数分の空飛ぶオープンカーは、無事ダイさんに作ってもらえることとなった。
「十台となると、たぶん完成までに一か月くらいかかるんだけど……大丈夫かな?」
そして、納期についてそう聞かれたので。
俺はここで一つ、提案をしてみることにした。
「まあ、大丈夫っちゃ大丈夫すけど。もし前混沌剣を作る時にやった、脳の回転強化とかで効率化できるならやろうと思うんですが……どうします?」
十台を個人が一か月で、というのはおそらくかなり急いでくれている方だとは思うが……それが十分なペースかというと、ちょっと定かではない。
もしゾグジー国による侵攻が、思ったよりも早かったら……こちらの準備が整う前に攻め込まれてしまう恐れが、無いとは言えないのだ。
そのリスクを少しでも減らすには、空飛ぶオープンカーの台数が揃うのが早いに越したことは無い。
そんなわけで、俺は少しでも完成を早めてもらえないかと思い、こう提案してみたのだ。
……もちろん、無理の無い範囲でのみ頼むつもりだが。
「あ、それだったらもっと早く完成できるよ! あの時みたいな脳の回転強化があれば複数の魔法を同時展開できるし、それで全工程を終えるだけの魔力を確保できるとなったら……一台作る時間で、十台作り終えれちゃうと思う」
すると……なんと、どうやら俺の提案は最適解みたいだった。
一台分……となると、三日くらいでできちゃうのか。
そしたら迅速に兵士たちの訓練に入れるし、完璧だな。
「じゃあ、それでいきましょうか」
そう言うと、俺は5連鎖、10連鎖でそれぞれダイさんの脳の回転と魔力を強化した。
この連鎖数は前、「混沌剣への進化」を作ってもらった時と同じだが……ザネット戦を経てあの時よりは1連鎖あたりの威力が上がってるので、より多くの魔力を渡したことにはなるだろう。
「このくらいで足りますか?」
「うん。これなら、工程のなかで最も複雑な魔法も10個同時展開できそうだし、魔力もたりそうかな」
「分かりました」
なら、安心だな。
そう思い、俺は一旦この施設を後にすることにした。
「じゃあ俺は服の方を揃えに行くんで、また後日」
「うん、またね!」
「ばいばーい!」
身体の一部を変形して手の形にし、ダイさんに手を振るプヨンと共に、俺は地上への階段を上がった。
というわけで……次向かうは、服屋さんだな。





