第46話 ようやく出発だ
そして……俺は特殊空間経由で惑星に帰還でき、そこから王宮にまで戻ってくることができた。
交戦中のSランク冒険者は、青髪のモトだった。
知り合いだったお陰で話が早かったのは、本当に何よりである。
謁見の間の前の扉は、壊れたままだったので……俺は混沌剣飛行で、燕が窓から教室に入る時のような感じでスーッと部屋に入った。
部屋で待っていた国王とリトアは、怯えたような表情をしていたが……入って来たのが俺だと分かった瞬間、緊張が解けてホッとしたような表情に戻った。
「なんとか倒してこれました」
そう言いつつ俺はザネットの死体を特殊空間から取り出し、床に転がした。
「本当に良かった……。ユカタ殿が無事で何よりじゃ。実力を知っとるとはいえ、相手はあのユーエフ王の配下じゃからのう……どうなることか、気が気でなかったのじゃ」
「ユカタ様が勝っていらっしゃらなければ、今日で世界が終わっていたかもしれませんから……。本当に助かりました」
国王とリトアはそんな事を言いつつ、ザネットの死体に目をやった。
……そういえばそうだったな。
俺が負けていたら、この惑星はザネットの一撃で更地にさせられてしまっていただろう。
結果的には俺が勝ったから良かったが……国王は俺に「ユーエフ王側に回っていい」と言ってたのに、それを無視して戦いに行ってしまってたからな。
一応謝っとくか。
「そういえば……すんません、殿下の指示を無視して勝手な事しちゃって」
「それは構わんよ。余はただユカタ殿の身を案じたのみ。……もともとユカタ殿がおらねば既に流星魔獣に壊滅させられておる世界じゃ。運命を委ねるくらい、何のことはない」
「なら……良かったっす」
国王の言葉を聞き、俺はホッとした。
それじゃあ……乱入してきた邪魔者に関しては一件落着したし、今度こそアイスストウムに向かう準備に入るか。
……そう思った時。
ザネットの死体を観察していたリトアが……おもむろにザネットの服の右ポケットに手を突っ込んで、何かを取り出した。
「……ユカタ様、死体からこんなものが」
リトアが手に取ったものは……何やらカードのようなものだった。
「これは……どことなく、ギルド証に似てますね。ただ、全く字は読めませんが。何か書いてあるとは思うのですが……ユカタ様なら、何か分かりますか?」
リトアからカードを受け取り、目を通す。
……うん、なんて書いてるかはさっぱり分からないな。
が、俺には鑑定がある。
俺は昔、ダイさんの妨害鑑定を貫通したこともあったし……もしこれが強力な暗号かなんかだったとしても、どう頑張っても読めないってことはないだろう。
俺はまず、このカードに通信機能が無いことを鑑定で確認し……それから鑑定を強化して、文字の解読を試みた。
すると……「任務達成カード」と書かれた見出しを始め、カードに書かれた全文を読み取ることができた。
「まず上から、達成内容のチェックリストがありますね」
国王やリトアにも内容が分かるよう、俺は書かれた文言を読み始めた。
「最初の項目は、『惑星N-227-05Eに赴き、流星魔獣の討伐者を勧誘する』。まあ、俺の事でしょう。そして次は……『同惑星を流星魔獣の討伐者に破壊させる』、ってありますね」
これはカードに書かれた内容ではないが……鑑定上では、注釈として「これはユーエフ王なりの、兵候補がどこまで冷酷になれるかを試す洗礼である」と書かれていた。
俺の言葉に、国王もリトアも驚きで目を見開いていた。
「そんな……世界を救った者に、そんな酷い事をさせるつもりだったなんて……」
「どっちみち……戦ってくれて正解じゃったというわけなのじゃな……」
こんな条件で兵が集まるのかってのは疑問だが……少なくともザネットは、過去にこの条件を呑んだんだよな。
考えたくもないけれど。
何にせよ、結果オーライだったということが判明したので……今度こそ、俺は新領地に向けて出発すると決めた。
「それでは、俺はそろそろお暇します」
特殊空間内にちゃんと貰った書類があるのを確認しつつ、俺は国王にそう告げた。
「ああ。思わぬ邪魔は入ったが……達者でな。リトアも、ついて行くのじゃ」
「はい」
こうして……俺は当主代理のリトアさんと共に、新領地アイスストウムに向けて出発することになった。
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