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第22話 後始末

「……そうだ」

 しばらく考え事をしていた俺は……ふと、最後にやっておくことがあるのを思い出した。

 それは、今回の流星魔獣の事件で大量発生した魔物の処理である。

 流星魔獣の卵の殻から、沸騰中のお湯の気泡のごとく湧き出ていたおびただしい数の魔物。

 アレこそが異常なスタンピードの原因と見て、間違いないだろう。

 流星魔獣が滅びた今、殻からの魔物大量スポーンも止まってはいるのだが……おそらく逃げていった魔物は今も存在してるだろうし、そいつらが街に向かえば多大な損害を引き起こすのは間違いない。

 できれば、そいつらを殲滅させておきたいところなのだ。

 

 ただ……広範囲に散ってしまった魔物を、どうやって殲滅させればいいのか。

 俺は、若干頭を悩ませた。

 時間さえ許せば、魔物がいる現場を片っ端から巡り、殲滅させていけばいい。

 だが……そんなことをしていては、最後の現場に到着する頃には、その街は既に壊滅状態になってしまっているだろう。

 そうなるのは望ましくない。

 もっと、短時間でパパッと魔物を処理する方法を考えねば……。

 そうして、しばらく考えていると。

 ふいに、俺は一つの名案を思いつくことができた。

 何も、俺が魔物の居場所に出向いて魔物を討伐する必要はない。

 散ってしまった魔物を、ここに呼び戻せばいいのだ。

 例えば、大陸全体に波及するような広域挑発魔法を放てたとしたら。

 俺は、この場で魔物が集まるのを待ち……時が来たら、この場でそいつらを一網打尽にすればよくなるというわけだ。

 問題は、それほどの範囲の挑発魔法を俺が放てるかだが……流星魔獣を倒し、レベルが倍に膨れ上がったばっかりだしな。

 試してみる価値はあるだろう。

 思い立ったが吉日、俺はさっそく、広域挑発魔法作戦に取り掛かることにした。

 まずは、挑発範囲の決定。

 そのために俺は、探知魔法を放って流星魔獣由来の魔物の存在範囲を調べることにした。

 流星魔獣だって、宇宙から降ってきた魔物の卵なわけだし……ガムシャラに全力で挑発魔法を放って、強力な宇宙の魔物までも挑発してしまったりしたら目も当てられない。

 だからこそ、必要最小限の範囲を挑発できるよう、下準備をしようと思ったのだ。

 とりあえず8連鎖くらいで、探知魔法を放ってみる。

 すると……スタンピードから発生した魔物の移動範囲をカバーして余りあるほどの広範囲を、探知することができた。

 ……思ったより、少ない連鎖数で遠くまで探知することができたな。

 攻撃魔法とかではない以上、単位面積当たりの魔力消費量はそこまで多くなかったりするんだろうか。

 そんなことを考えつつ、俺は次の魔法──本命の、広域挑発魔法を放つことにした。

 連鎖数は、先ほどと同じく8連鎖。

 ただし範囲については、「流星魔獣由来の魔物が存在する範囲内のみ」と念じながら魔法を放った。

 おそらくこれで、挑発は必要十分な範囲だけに届く。

 仮にそうはならなかったとしても、先ほどの探知魔法が宇宙までは届かなかったことを考えると、余計な災厄まで挑発してしまう恐れは無いと言えるはずだ。

 あとは、挑発した魔物が集まってくるのを待つだけだな。

 どうせ流星魔獣と戦って、この周辺はすでに荒野状態になってしまってるし……魔物が集まったら、でっかい魔法で一網打尽にしてやるか。

 そう決めた俺は……7連鎖で自分の周囲に結界魔法を張り、魔物が来るまで仮眠を取ることにした。

 

 ◇

 

 目が覚めると、周囲は魔物だらけになっていた。

 今この瞬間も、過密状態の中結界に押し付けられた魔物が、押しつぶされて死んでいっている。

 ……挑発、成功だな。

 一体寝始めてからどれくらいの時間が経ったのかは分からないが……そろそろ殲滅に移れるかどうか、確認してみるとするか。

 俺はスライムを8連鎖消しし、探知魔法を発動した。

 すると……全部とはいかないが、八割程度の魔物が、この近くに戻って来ていることが確認できた。

 じゃあ、やってやるか。

 神剣飛行で上空に移動した俺は……まず、スライムの13連鎖消しで円柱状の対物理結界を張り、その中に魔物を閉じ込めるような形にした。

 そして次に……12連鎖消しで、その結界で守られた内部に爆発魔法を送り込んだ。

 魔物、めちゃくちゃ数が多くて、流星魔獣との戦闘で荒野状態になったところ全体を覆うくらいの範囲に密集してたからな。

 何も対策せずに爆発魔法を打ち込むと、荒野になった場所の周囲まで破壊してしまう。

 それを見越し、被害を最小限にする工夫を凝らすことにしたのだ。

 爆発魔法が炸裂すると……結界内は煙やら巻き上げられた魔物やらで一気に混沌状態となった。

 これでは、肉眼で状況を見るなど不可能だ。

 そう判断した俺は、数分待ってから探知魔法で中の魔物の生存状況を確認することにした。

 そして探知魔法を使うと……結界内の魔物は、綺麗サッパリ死滅していることが確認できた。

 ……これでようやく、後始末含め流星魔獣関連のトラブルは解決したってわけだな。

 そう思うと、俺は少し心が軽くなった気がした。

 まあ、まだあと二割ほど、発生した魔物が生き残ってはいるが……そいつらもここに向かって来ている以上、少なくともこれ以上は人的被害は発生しないわけだしな。

 そう考えれば、この事件はもう解決したって言っても過言ではないだろう。

 残り二割の魔物も殲滅したら……とりあえず、まずはバヨエインの街に戻るか。

 俺は、そう心に決めた。


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