言及
「さて、君は気づいたようだな」
「当たり前だ。邪神だからな」
「ほんと、その能力は危ないね」
「邪神様ですから」
雷奈の受け答えに、はははと乾いた笑みを浮かべる魔神マルス
「私の計画もようやく終わりだ」
「大変だなぁ、しかし、わざわざこの世界にやってくるのかなぁ」
「いや、やってくる筈だ」
「確かにね、元の世界に戻ってくるだろう」
「ああ、恐らく、必ず、帰ってくるだろう」
「しかし、貴方の罪は重いですよ。人類をまた滅ぼしたという事は」
「分かってる。それは覚悟の上さ」
「さて、もうすぐ帰ってくるようだ」
「ああ、盛大に迎えようじゃないか」
目の前に突如現れた眩しい光が、次第に人の形になっていく
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「⁈この感覚は…まさか!嵌められた…私の計画が台無しに」
かつて、人類を滅ぼした男は、ただ唖然とするしかなかった。まだ旧人類が滅びる前のさらに前、自分達を作ったあとに姿を眩ませた創造神の感覚を感じ取った時と同じである
「クソッ、全てはあやつのせいだ。クロサキ シュン、貴様は絶対に許さん」
そう言うと、すぐに近衛隊に命令を下した「アビス村のクロサキを殺せ」と
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その頃、シュンたち一行は
「連写爆撃ィィ」
「超質量弾!」
「シールド!」
一面の銀世界で派手に暴れていた。
ここは試される大地。
広大な雪原を見て血が騒いだのだろう。
ミカエル以外は、球を投げている。
ある者はただひたすら雪球を投げて、ある者は直径約3メートルほどの雪球をぶっ飛ばす。また、ある者は高さ2メートル幅7メートルの壁を作って隙間から確認しながら小さな雪玉をパチンコで放つ。
そんな光景を離れたところから見ていたミカエルは、その光景に飽きたのかかまくらを作り始めた。
なぜ、一同が試される大地に来ているのかというと、ミカエルの為に一度、魔族が無事なのか確認することと、魔王国の復興を手伝うことにしたからである。
邪神と雷奈が所在不明な今、下手な行動を起こすと危ないのはわかっているが、ここまで王国の猛威が来るとは思えず、また、魔族に協力を要請することを一つの目的としているからである。
相手が国である以上、こちらも戦力を確保しなければならないのは明白である
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しかし、集まった光は、再び離散し、何処かへと消えてしまった。
「うむ……拒否したのか」
「流石だよね」
「やはり、全てを統べるほどの力を持っているのですか」
「だが、それに従っては【魔】の名が廃る。無理矢理にでも連れてくる」
力を込めるマルスであったが、一向に光は集まらない
まるで、こちらの世界に来ることを拒否しているようだ
「やめときな。流石に【魔】でも創造神は連れてこれないよ。いや……創造神じゃないな。創造神を造った者だからな。我々原始神にとっては創造神だが、人間からしたら、いや神々からしたら、もはや神の領域には入らないんだ。それに、僕たちを造った時点でその力は計り知れないものだろう」
「邪神様の言う通りですね。あの人は、そうやすやすと来るとは思えないですね」
ついに諦めたのか、マルスは草原に寝転び、語り始める
「ああ、ますます強くなっていくよ。僕らの創造神は、まるで手が出せないくらいにいるんだ」
「ああ、アンタはそんな存在に干渉して、世界の再構築を試みたわけだ」
「ああ、世界を滅ぼしたのは、ほとんど私のせいだからな」
「ほんと驚いたよ。まさか、君がいきなりエルの管轄の世界に現れて、人を蘇らせようとしたからね。あらかた調べさせてもらったよ」
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かつて、文明が栄えている時
日本
ブロック塀が並ぶ、少し古くさい住宅街
そんな所で人知れず起きた長男を除く一家失踪事件
ただ一人、残された長男が、『俺を一人置いて、夜逃げをする訳がない』と言って殺害か誘拐か、そう、訴えるのを周囲の目を気にして、やめた頃
犯人はシュンではないかという噂が町中に広まるころ




