勇者は一人で旅をする
俺は何をしてしまったのだろう
目の前で消えた魔王…いや少女を見て思った
父親は今光に包まれ、今にも消えそうだ
「ふふふ、悩んでいるようだね、勇者くん」
「なんだっすか」
「君じゃないよ、天使マルセロナ」
「なんだっす!?」
「ふふ、図星かな?それよりも勇者くん、君に聞いているのだよ」
「マサユキ、惑わされるな」
「ああ、ケンの言う通りだ、こいつらは、俺たちの泊まった村を惨殺したんだ」
「はい龍騎様の言う通りでございます、惑わされないでください」
「ふふ、本当は分かっているのだろう、あの邪教徒というのは我々とは無縁だということを」
「貴様、死にたいっすか?」
「黙っていたまえ、マルセロナっ」
次の瞬間、鑑定士エリスが壁に打ち付けられ、気絶した。
皆武器を構える。
「ふふ、そんなのをしても意味はないさ、この力は人ならざる者達にしか効かない」
「そんなの、武器を収めさせるためのデマだろう」
「何を言っている?人に使えるなら君たちの攻撃を受けたりしないよ」
「っならばなぜ逃げない、人に使えないが自分には使えるだろう」
「簡単なことさ、自分よりも娘を守ることを優先したってことさ、あの対人用高火力火炎弾、ナパームEXというべきかな?それに対抗するための魔法を即興で構築するより、飛び出して守った方が速いからね」
「なぜ貴様はナパームを知っている、そして我々のような真似をするなっ」
「ふふ、よく悩みたまえ、真実は常に残酷さ、諦めたまえ」
「「「「くそっくそっくそっぉー、俺たちは(私は)何のために何のためにぃ〜」」」」
「ふふ、自分の道は自分で決めるんだな」
「最後にっ聞いていいかっ貴様の名前はっ」
「私は『最恐の魔王』ラファエル、又の名を魔神マルス、‘人類を滅ぼした神の一柱’だ、ああそうだ、勇者くん、この…」
こうして魔王は光に包まれて消えていった
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あれから一カ月くらいたった。
俺たちはそれぞれ別行動をしている。
アリスと龍騎は二人でスローライフを送るべくエドから離れたシゾーカのシモダというかなりの辺境に移住した。爆発しろなど言えない、彼らは信じ続けたものが崩れたのだ。
ケンは一人で旅をしている、賢者として国中の人を癒したいのだとか。しかし、本当の理由は、自分の居場所を作って心を癒したいのだと思う。
シュンとエリス(天使マルセロナ?)は、いつのまにか消えていた。国王に聞いたが、『そんなやつ、いたかの?』と二人とも記憶にもないようだ。
俺も一人で旅をしようと思った、魔王の最後の声が今でも耳に残る
「ああそうだ、勇者くん、この手紙を娘に頼む、君が娘を見つけるころには娘は遠い地でスローライフを送っているだろうからね」
「なぜ俺なんだ」
「君はそうするだろう、」
「なぜわかる」
「私は魔神だ。すべてはお見通しさ」




