その2-3
アルフレッドは苦笑しつつ
「毒見役はジミーだったんだが、今は妻のマリーの元で回復に向かっている」
一時は危なかったんだが…ティナ…ノアール嬢が手当てをして救った
と言い、視線を僅かに伏せながら
「彼女は確かにカナル王国の毒殺師」
毒の治療は的確だった
「知識や対処法は恐らくフィマール王国の医師と比べてもそん色はないと思う」
いや今やフィマール随一だろう
と告げた。
アンリエッタは笑みを浮かべると
「わかったわ」
それで
「私が王宮の病院で働くことは認めてもらえるわね?」
と告げた。
「フィリップも怪我した時は来て頂戴」
フィリップは腕を組むと
「俺の怪我前提かよ」
と言い
「だが、アルフレッドの心配の種が一つ減るから助かる」
アンリエッタは笑って
「じゃあ、そのティナ・フォン・ノアール嬢に合わせてもらえるかしら?」
と告げた。
アルフレッドは立ち上がると
「ああ」
と足を踏み出した。
アルフレッドはアンリエッタとフィリップを連れてティナのいる部屋へと向かったのである。
ティナは本を読みながら並べられた小瓶を手に
「本の植物の9割がた揃っているわね」
足りなくなっているものは補充をしたいけど
「旅商人から買い入れるのは難しいわね」
と呟いた。
「今の状態だと」
それに、先の毒殺未遂事件のこともティナの中では一つ気にかかっていた。
カーミラの葉は容易に手に入る植物ではなかったからである。
高山系の植物で高い山の上の方でのみ採取できる特殊なモノであった。
その群生地の近くにロラの木も生えており、且つては儀式の際にその双方を使っていたという謂れがある。
結論付けると、この高い山脈地帯がないフィマール王国とカナル王国ではカーミラの葉もロラの木の樹液も手に入らないということだ。
「恐らく、本当にあのお花畑の王を殺すつもりだったんだわ」
理由は分からないけれど
そう呟いたとき扉が開きアルフレッドが
「失礼する」
と言い、薬品棚を調べている彼女を見ると
「ティナ・フォン・ノアール嬢、もし必要なものがあれば言ってくれれば出来るだけ協力するつもりはある」
と告げた。
ティナは振り返ると先の考えを胸に仕舞い
「ではリストを作りますのでお願いします」
と頭を下げた。
「それからこちらの薬品棚は私専用」
病院という場所で必要なモノはまた他のリストを用意いたします
アルフレッドは頷き
「それと、その病院だが明日から開院する」
と告げた。
ティナは頭を下げたまま
「かしこまりました」
と答えた。
最後までお読みいただきありがとうございます。
続編があると思います。
ゆっくりお待ちいただけると嬉しいです。




