その4-7
ティナはにっこり笑うと
「私はカナル王の血を引いています」
けれどノアール家としては男ならば王族にですが
「女はノアール家にと王女としてよりノアール家の人間としての方が重宝されますから」
と告げた。
…。
…。
アルフレッドは「マジか」と心で突っ込んだ。
「このまま本当に妃にと言っていいのか?」
ダメなのか?
いや、俺の気持ちは気持ちだ
と、「実は…正妃のこと」と言いかけたアルフレッドを前にティナは
「その事はアンリエッタ王女に申し訳ないと思っています」
と告げた。
「私が形だけとは言えアルフレッド王の正妃候補の肩書を借りたことは戻りましたら謝罪しておきます」
と視線を伏せて告げた。
そして
「これからは病院で力を尽くさせていただきます」
と微笑んだ。
…。
…。
アルフレッドは「え?」と目を見開き
「何故、そこでアンリエッタ?」
何かすれ違っている気がする
と心で突っ込んだが、大きく息を吐き出し
「まあ、ゆっくり時間をかけて俺の気持ちをビシバシ感じさせて…近いうちに本当の正妃にしてやる」
と心で誓いを立てた。
フィリップはそんな二人を横で馬に乗って守りながら
「何か分らんが…何かを決意した顔だな」
アルフレッドは何を決意したんだ?
と心でぼやいていた。
一行が自国フィマールに近付いたころ、王宮ではアンリエッタとマリーが病院で他愛無い話に花を咲かせていた。
「アンリエッタ、フィリップ様も鈍い方ですからはっきり言われた方が良いと思いますよ?」
「ん~、そうね。アルフレッドだったら今ごろ『ティナ、このまま正妃に』って先を越されてそうだから戻ってきたら私、ガツンと頑張るわ」
クスクス二人は笑ったものの…それほど実は進展していないがっかり案件となっていたことを知るのはもう少し先であった。
この時、人々の上に太陽は輝き世界を明るく照らし出していた。
最後までお読みいただきありがとうございます。
続編があると思います。
ゆっくりお待ちいただけると嬉しいです。




