その4-6
ティナはそれらを洗浄し毒が外部に流れないように処理を行い、解毒薬を王と町医者に渡し人々に飲むように指示したのである。
同時にチャーチル王の許可をもらってそれらの器具や毒、そして、本も全て回収したのである。
チャーチル王は一歩間違えば死の国となりかけたことで毒の開発や研究を断念したのである。
同時に自国を死の国にしかけたトニーの…王族を失った国民の怨念というモノにも恐怖を覚えたようで領土を広げようという気力が今は萎えたようであった。
ティナとアルフレッドは毒の処理が終わり王都の水が正常に戻るまで滞在し一週間ほどしてから最終的な検査をして安全だと分かるとウィズダム国を出立した。
ピーターとトニーはウィズダム国で裁かれることになったのである。
ティナとアルフレッドを乗せた馬車が城を出たとき町の道路では医師と町の人々が集まり手を振って彼女たちを見送った。
医師は笑顔で
「ありがとう、貴女は素晴らしい医師だ」
また是非人々を救うために医術の発展の話を
と告げた。
ティナはそれに馬車から頷いて微笑むと手を振り
「みんな無事で良かった」
と呟いた。
アルフレッドはそんなティナを見守りながら
「父を殺され…激情のままにカナル王国を俺は滅ぼした」
滅ぼす以外の方法があったのに憎しみや激情でそれを選ばなかった
「その事に関して謝罪することは出来ないが…後悔はしている」
と告げた。
「君の大切なエドワード王子の命を奪ったのも俺だ」
だから
と言いかけたアルフレッドにティナは首を振ると
「エドワードは…私の兄は…きっと私をトニーにしたくなかったんだと思います」
そしてトニーのような国民を出したくなかったのだと思います
と窓の外に目を向けた。
「貴方が父親を殺されてカナルを許せないのは当然です」
過ちが私たちにあることが分かっていても
「私たちカナルの王族や王族をしたう人々もフィマールを許せないと思います」
でも
「それを憎しみに変え恨みに変えてはそれを増幅させていくだけしかできない」
そしてそれは何れ世界を破滅へと追いやってしまう原動力になってしまう
ティナは微笑むと
「だから」
とアルフレッドの手に手を重ね
「私はエドワードの言葉通り誰も恨まず私のままで…フィマールで生きていこうと思います」
王宮の何処かエドワードがいた頃の穏やかな空気がするあの病院で
「人々を救うために」
今はそれが『私のノアール』の矜持だと信じて
と告げた。
アルフレッドは微笑むと
「ありがとう」
感謝する
と言い、ふと
「…エドワード王子を兄と言ったようだが…君はノアール家でエドワード王子は王族だが」
と目をパチパチと瞬かせた。
最後までお読みいただきありがとうございます。
続編があると思います。
ゆっくりお待ちいただけると嬉しいです。




