その4-3
ティナは医師を見ると
「この子の症状は少し落ちついたみたいだけど」
解毒剤を飲ませないといけないわね
と言い
「それから、王城にこの近隣の水を幾つか分けて袋に入れて持って来て頂戴」
もしかするとこの王都の水は汚染されているかもしれない
と厳しい表情で告げた。
医師は蒼褪め
「まさか、ここ数日体調不良を訴える子供や老人が増えたのは…」
と呟いた。
ティナは女性の水を手に
「取り敢えずこの水を先ずは調べるわ」
それから他の場所も
「急いでください」
と告げた。
それに人々は顔を見合わせた。
医師は立ち上がると
「頼む、みんな飲み水を病院へ持ってきてくれ」
それを袋に入れて何処の水かわかるようにして城へと持って行く
と告げた。
誰もが蜘蛛の子を散らすように立ち去った。
医師はティナを見ると子供を抱き上げ
「この子は病院で」
と告げた。
ティナは薬品箱から瓶を出してその瓶の粉を紙に包むと
「これを少量ずつ今汲みに行っている綺麗な水と一緒に飲ませて様子を見てください」
解毒できると思います
と告げた。
医師は頭を深く下げて
「助かる」
ありがとう
と微笑んだ。
ティナは笑むと
「いいえ」
と答え、アルフレッドを見た。
アルフレッドは微笑み
「ティナ、よくやった」
というと、厳しい表情で城を見て
「城自体も恐ろしいことになっているかもしれないな」
と呟き、馬車へ戻ると城へと向かった。
城の前に着くとウィズダム国の現王であるチャーチル・トゥル・ウィズダムとピーター・アルツが出迎えるために姿を見せていた。
アルフレッドは馬車が止まると降り立ち、振り返って手を差し伸べた。
そこへティナが姿を見せその手に指先を乗せた。
金色の髪に整った容貌。
ほっそりとした肢体に美しく長い指先。
アルフレッドは驚いて見ているチャーチルとピーターに
「我が妻になる…」
と言いかけた。
が、ティナは二人の様子を見ると目を細めて
「先ず、早急にこの王城の水を採取させてもらいます」
と告げた。
それにはアルフレッドもフィリップも…それどころかチャーチルとピーターも驚いた。
チャーチルは慌てて
「な、何を言っている」
毒など盛るはずがないだろう
「確かに愚かな一兵士がそんな真似をしたが…我が国は…」
と言いかけた。
が、それにティナは
「今、町医者を中心にして王都の各地の水を集めてもらっています」
街の水は毒に侵されています
「早急に手を打たないとこの町は死の町になります」
と告げた。
「城の水も侵されていると思います」
ウィズダム王
「最近身体が重く眠りが浅いのではありませんか?」
チャーチルは目を見開いたものの
「それは…色々政務があるからだと思うが」
と呟いた。
ティナは首を振ると
「恐らく、王都の多くの人が同じような症状になっていると思います」
しかも
「このまま放置すると抵抗力のない人間から亡くなっていくと思います」
と告げた。
ピーターは蒼褪めて
「黙れ!」
例えフィマール国の王妃であってもそれは失礼だ!
と剣を手にかけた。
フィリップも守るように前に立ち剣に手をかけて構えた。
一触即発である。
最後までお読みいただきありがとうございます。
続編があると思います。
ゆっくりお待ちいただけると嬉しいです。




