その1-2
「どく、さつ…しを」
毒殺師のノアール一族の生き残りを処刑しなかったのか!?
「しかも王宮に住まわせるって、死ぬつもりか!?」
フィマールの首都にある王宮の書斎でそう叫んだのは若き新王であるアルフレッドの兄であり側近であるフィリップ・フォン・ウェールズであった。
アルフレッドは椅子に座りながらう~んと唸り
「けど、カナル王家のエドワード王子が彼女に言った意味が分からなくてさ」
きっと処刑されるまで生きろって言ったわけじゃないと思うんだよな
と告げた。
フィリップはフゥと倒れかけ辛うじて堪えると
「お前はもう王子じゃないんだぞ!」
王なんだ
「そんなのどっちでも良いだろ」
カナルの毒殺師の噂は世界の津々浦々まで知れ渡るほど精度が高くその知識で右に出るものはいないってくらいなんだぞ
と告げた。
アルフレッドはニッと笑うと
「ということで、彼女を王宮に病院を作ってそこで働いてもらう」
と告げた。
「流石に国民を危険にさらすわけにはいかないからな」
フィリップははぁ~と息を吐き出すと
「この王宮が気付いたら屍だらけになってない事を俺は祈ってるよ」
と肩を竦めた。
そして、剣を手にすると
「ただ、お前に本当に危害があると分かったら俺はお前が止めてもあの女を斬るからな」
と告げた。
アルフレッドは笑むと
「困った兄さんだ」
俺の人を見る目を信じてくれ
と告げた。
フィリップはそれに
「兄と呼ぶな」
フィリップと呼べ
と言い背を向けて部屋を立ち去った。
アルフレッドはそれを苦笑しつつ見送り
「兄さん、俺は感謝しているんだよ」
何時もな
と言い
「さて、とにかく彼女を生かすことに決めたんだ」
どうにかするさ
と立ち上がって部屋を出た。
同じ時、ティナは二人の兵が門前で見張りがついた王宮の部屋で本と植物などを入れた薬瓶などを整理していた。
アルフレッドがノアール家の調合室にあった全てを運び入れてくれたのである。
ティナもエドワードの言った言葉が分からなかったのだ。
毒を飲みティナの腕の中で眠るように目を閉じた。
その今際の時に『ティナ、死ぬまで生きろ。誰も恨まず…君のままで』とそう言ったのだ。
ティナは本を棚に入れながら
「それは、ノアールの人間として処刑されろという意味じゃないの?」
ノアールの罪を背負って役に立てと
「そう言ったのではないの?」
と呟いた。
最後までお読みいただきありがとうございます。
続編があると思います。
ゆっくりお待ちいただけると嬉しいです。




