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毒殺師一族の悪徳令嬢は敵国の王宮で奮闘する ~溺愛ルートは望みません~  作者: 如月いさみ


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その3-4

それから後も暫く落ち着いた日々が続いていたが、ある日、火急の知らせがフィマールの王宮に届いた。

それはアルフレッドが想定していた出来事であった。


開院したばかりの病院にアルフレッドは姿を見せると同行していたフィリップに

「あれをティナに」

と告げた。


フィリップは頷いて手にしていた幾つかの袋をティナに渡した。

「エスター王国の毒見役が亡くなった」

毒が入っていたそうだ


そう告げ

「これが毒見役の口にした食事なんだが」

調べてもらいたい

と付け加えた。


アルフレッドはウィズダム国が自身の毒殺未遂を起こしてから国交のある国の王には警戒するように呼び掛けていたのである。


ティナはテーブルの上にその袋を置きながら

「…貴方の毒殺未遂の真意が何処にあるか分からないから」

他の国でもするかもしれないと思ったのね

と告げた。


アルフレッドは頷き

「エスターでは分からない毒だったらしい」

俺は君にこの毒が分からなければ

「恐らく作った者以外誰も分からないと思っている」

と告げた。


それだけその能力を高く買っているという事を言外に告げたのである。


ティナは後ろで三人の様子を見ているアンリエッタとマリーに

「ごめんなさい、今日の診療は無理だわ」

と告げた。


アルフレッドも二人に

「すまない」

今日はティナを借りる

と告げた。


アンリエッタは頷いて

「ええ、分ったわ」

と答え

「ティナ、何か手伝うことがあったら言ってちょうだい」

と告げた。


マリーも笑顔で

「私もできうる限りお手伝いいたします」

と答えた。


ティナは笑むと

「ありがとう、あればお願いするわ」

と答え、アルフレッドとフィリップに

「毒が分ればお伝えするので結果をお待ちください」

と告げた。


アルフレッドは頷き

「頼む」

と答え、フィリップと共に病院を後にした。


ティナは手袋をして食事をシャーレに少量ずつ入れると毒の種類を調べ始めた。


匂いのする毒ならば微量な匂いの違いで分かる。

また少量なら口に含めばわかる。


だが、トーマス・グレンが口にしようとした毒を考えると混合された可能性がある。

そうなると検査して調べる必要があるのだ。


彼女は幾つかのシャーレに食べ物を入れて、それぞれに違う展開液を混ぜて蓋をした。


そして、薄い特殊な用紙に液を筆で取って真っ直ぐ線を引いて乾かし、残りは軽く振って分解し太陽光に当てた。


最後のシャーレに関しては何も入れずに保管しておいたのである。


ティナは紙に書いた数本の液の線がそれぞれ濃い部分と薄い部分が出来るのを見て

「この形は」

と呟いた。


太陽に当てたモノの色合いも確認し

「間違いないわね」

と息を吐き出した。


最後までお読みいただきありがとうございます。


続編があると思います。

ゆっくりお待ちいただけると嬉しいです。

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