その2-7
フィリップは病院を出ると報告に来た兵士の話を聞き、その足でアルフレッドの書斎へと向かった。
アルフレッドは落ち込んでいるフィリップを見ると
「兄さん」
今夜一晩安置室に置いて
「その間にトーマスの身辺を調べるように指示を出しておいた」
と告げた。
フィリップは息を吐き出し
「すまなかった」
と言い、淡く笑むと
「次からはこんな失態をしないように気を付ける」
と答えた。
アルフレッドは首を振り
「隙をつかれた形だ」
余り考えすぎないようにしてくれ
「俺には兄さんが必要だからな」
と笑みを見せた。
フィリップは小さく頷き部屋を後にした。
その夜。
安置室で一つの事件が起きた。
部屋の前で見張っていた兵士は扉が開く音に振り向き目を見開いた。
「な!死体が…」
そう言うと同時に頭を殴られて倒れ込んだ。
トーマスは小さく笑むと
「まさか、こんなに上手く行くとは」
そう呟き、兵士の服を脱がせるとそれを着て廊下を進んだ。
夜陰に乗じて城を抜け出し王宮のある町の外れまで進むとそこで待っていた男から服を受け取った。
トーマスは男を見て
「これでフィマールを出れば良いんだな」
と告げた。
男は笑むと
「ああ、我々もお前との関係を疑われると困るからな」
もう二度と会う事はない
と鞄から金をトーマスに渡した。
そして
「喉が渇いただろう」
お前に渡した不思議な薬は目覚めると喉が渇く
「飲んでいけ」
と水筒を渡した。
トーマスは受け取り
「それは悪いな」
と口に運びかけた。
瞬間に矢がその水筒を貫き周囲に無数のランプが現れた。
フィリップは兵士と共に男とトーマスを取り囲むと
「捕らえろ!」
直ぐに手足を縛り動けなくしろ!
と告げた。
男は慌てて逃げかけたが捕まり手足を縛られた。
トーマスも捕まり
「くそっ!」
折角大金が手に入って自由に生きれると思ったのに
と吐き捨てた。
それにフィリップの隣に立っていたティナが
「それはどちらにしても無理ね」
と言い水筒を手にすると一滴だけ手にして舌に当てると目を見開き、直ぐに水で口を漱いだ。
「やはり、こっちは本物の毒ね」
それに
「…こちらの毒だったら私は貴方を救う事は出来なかったわ」
男は顔を慌てて背けた。
最後までお読みいただきありがとうございます。
続編があると思います。
ゆっくりお待ちいただけると嬉しいです。




